
浜松授業研究40回目
もちもちの木の研修をしました。
一番大事な、豆太がじさまの異変に気づき、医者様を呼びに行く場面に絞って研修しました。
問題が大事ということになりました。
問題ができれば、子どもたちは学び出します。
そこで、この場面で課題をつくる練習をしました。
⑭頭の上で、くまのうなり声が聞こえたからだ。
・どうしてくまとわかったのか。
・聞こえたからだ。の断定の「だ」はだれの断定か。
⑮「ま、豆太、心配すんな。じさまは、ちょっとはらがいてえだけだ。」
・じさまは豆太が心配しているのが分かったか。
・しさまは、豆太が何を心配していたと分かったか。
・いつじさまが具合が悪いことに気付いたのか
・豆太はじさまにとびついたのはどうしてか。
⑰こわくて、びっくらししがみつこうとした理由。
けれども、じさまは、ころりとたたみに転げると、歯を食いしばって、ますますすごくうなるだけだ。
「医者さまをよばなくっちゃ。」
・こわい→何が怖いのか
・どうして豆太はじさまが倒れていたのに、介抱しないのか。
・ちょっと腹が痛いだけと言っているのにどうしてまめたは医者を呼びに行くのか
・豆太が飛びついた理由は
・どうしてじさまはちょっと腹が痛いだけなのにころがったのか。
⑱豆太は、小犬みたいに体を丸めて、表戸を体でふっとばして走りだした。
・どうしてこんな寒い夜、裸足寝間着で飛び出したのか。
・どうして臆病な豆太外に飛び出したのか。
⑳一面の真っ白い霜で、雪みたいだった。霜が足にかみついた。
・霜が足にかみついたとはどういうことだろう。
・どうして怖いのにふもとの医者まで走ったのか
・泣き泣き走ったってどういうことか
㉑・じさまが何で死んでしまうと思ったのか。
教師集団なので、このぐらいの問題はどんどん出てきます。
実際の授業でも、このぐらい疑問が出てくれば授業は成功するでしょう。
どうして、こんなにたくさんの問題が作れたのかを検証しました。
それは、K先生が、問題づくりの範囲を「豆太は見た」の段落に絞ったからです。
平素の授業でも、問題をつくる範囲を絞ると、子どもたちでも多くの目当てが作れそうです。
では、どうしたら問題をつくる範囲を絞ることができるのでしょうか。
そこで、「初め~だった主人公が、△することにより、□になるお話。」
と短くまとめます。
△の含まれている段落から、主人公のおかしな言動を探せばよいことになります。
もちもちの木なら、
「おくびょうで夜に一人でトイレにも行けない豆太が、おじいさんを助けたい一心で医者様を呼びに行くことで、夜でも一人で走ることができたお話。とまとめれば、この「医者様を呼びに行く場面」から課題づくりを行うことになります。
問題ができない子は、そこで問題を見つけさせます。
気になる言葉に線をひかせて、~したらと作らせてあげます。
問題の作り方のパターンを教えてしまうのです。
ところで、こうしてたくさんの課題がでたらどうするのでしょう。
全部授業で取り上げる訳にはいきません。
G先生がその対処の仕方を教えてくださいました。
解決できそうな問題は、友達と解決し合います。
すると、解決できない問題や、全員で話し合った方がよい問題が残ります。
このあと、
豆太は何がこわいのかについて話し合いました。
①熊のうなり声
②じさまのうなり声
がだされました。
この問題を解決するため、豆太は「どこで熊でないと分かったか」という小問題もだされました。
その解決には、それぞれ誰の視点で書かれているかを知る必要があることが分かりました。
誰の視点
⑭豆太 熊がこわい
⑮豆太
⑯豆太なのか、筆者なのか??
豆太は、じさまに飛びついている。
枕元にじさまがいること、熊みたいに丸くなっていることは了解したと考えてよいです。
ただ、熊のうなり声の正体が分かった訳ではないのです。
「熊みたいに丸くなる=熊みたいなこえでうなる」ではないのです。
こわい=恐ろしい=無事に済みそうもないと思われて、避けたいと思う感じだ。
ですから、まだ熊の恐怖は消えていません。
びっくり=今まで見なかったような(通念を超える)事態の展開に接して、心が一時ひどく動揺すること。
なので、じさまの腹痛に動揺したのだと思います。
しかし、じさまの様態は把握はしていません。
(ちょっとはらがいてえだけだ。)としか聞いていないからです。
すると、⑰のこわいを考えるときに手がかりになる言葉は「けれども、」だと思います。
けれども=普通の意味では両立しない意味関係にある二つの文を結びつけることを表わす。
何と何が、成立しない関係なのでしょう。
AけれどもBの、Bはかかれています。
B=じさまは、ころりとたたみに転げる。
するとその両立しないことだから
A=「本来ならすぐに目を覚まして手助けしてくれる」はずなのに、B=「あり得ないことに、じさまは、ころりとたたみに転げる。」となります。
手助けしてくれると確信していたのにです。
当然、こわいの対象は、じさまであろうはずがありません。
まだこの時点でも、熊のうなり声がこわいのです。
そんな話し合いを行いました。
41回 | 2014年4月12日 | 土 | 9:00 | 12:00 | 天竜壬生ホール | 第2会議室 |
42回 | 2014年5月10日 | 土 | 9:00 | 12:00 | 天竜壬生ホール | 第2会議室 |
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