トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

選択制蛹化台樹

2022-04-02 | 蝶の食草園
 ツマキチョウの出現前にようやく食草畑の用意が整った。と言うのもまだこの時期、彼岸前後では掘り取ろうと考えていた駐車場の地面での萌芽が見られなくて、その上、植え床の設置も遅れていたしヤキモキだけがつのっていたのだった。それと言うのも思わぬ「藪から棒」いいえ、今回は「藪から槍」と称した方が良いだろう、あの丸太椅子100個切断の憂き目があったがためなのだった。お陰様で勤労奉仕とは言え腰痛の緩和する時間も無かったから未だに湿布膏薬のお世話になっているのだった。その上、チェーンソー2台は修理に出したし…。

 まあ、人生には憂き目は付き物で浮き目はかって経験したことが無い小生なので「憂き目馬っ鹿氏」なのである。故に書き始めれば繰り言馬っ鹿氏になりかねないのだけれどツマキチョウの繰り言は解消してやらねばなるまい。日本語で「春の妖精」と称されるツマキチョウだがカタカナで言うと何というのか黄砂の掛かった空のように朧で辞書を開いたが到達できず、結局は簡単なネット検索に頼ってしまった。
 ところがである、チョウが出て来るかと思っていたのに順位の高かったのは植物だった。それも子どもの頃から見慣れている野草ばっかしでフイールドにだってその幾種類かは姿を見せている物が多い。個人的感覚的な物だろうがそれらを称して「春の妖精」と言うには抵抗もあるのが小生であった。
 記事を読むと「春先に開花し夏までに葉をつけると、あとは落葉広葉樹林の林床などの地中で過ごす一連の野の花を総称して」とあったので定義・条件はあるのは理解できたもののギフチョウやツマキチョウなどの肩を小生は持ってしまう。
 
 さて、この日の作業はツマキチョウの蛹化台樹を用意する事だった。前述の「ツマキチョウの憂き目」は小生が勝手に妄想しているだけかもしれないけれどギフチョウとカンアオイの関係のようにだーれも保護に関心も示していないのが気に病むところなのであった。
 その上、食草のイヌガラシが好んで生育する所は日当たりの良い低草池である事が経験的にあるとフイールドで観察する限りでは駐車場や通路、あるいは拠点広場とうとう、踏圧被害を被りあろうことか刈り払い機で除草される場所が多いのだった。これでは産卵されても終齢幼虫になる前に淘汰されてしまう。かろうじて生き残り蛹化段階まで達したとしても刈り払われるなど適当な蛹化場所が無い環境が多いのだ。

 てなもんや三度笠で「ツマキチョウの憂き目」は大きいのだろうと同情する小生であった。だからこそ「刈り払われない・踏圧被害を被らない」囲いの中の食草コロニーを用意したのだが蛹化場所の設置も行わないと片手落ちになる。もとより好事家でも専門家でも無い孤老ではS先生の助言を仰ぐしかないのだったが、その中で樹種の選択として「ドウダンツツジ」が第一候補になった。
 しかし「ドウダンツツジ」は購入しなければ調達できない。すぐ用意できるのは拠点斜面に植えっぱなしのさつき園芸種「大盃」と「シモツケ」くらいだ。ツツジとサツキは近縁種だしシモツケは樹形は異なるにしても株立ちになるから蛹化場所としては好ましいのではないかと勝手に解釈して用意する事にしたのだった。

 たまたま雨の一日になってホームセンターに消耗品を購入に行った折りに樹木のコーナーを覗いたらドウダンツツジが一株だけあったのだ。価格は2000円弱で自腹なら購入しなかったけれど会で支出してくれる事になったから購入した。
 植え付け当日は前日まで雨で日中は寒気が来るが快晴、夜間以降に降雨の絶好の移植・定植日和となったから重い腰いいえ、痛い腰に湿布を貼って植え付けを行った。駐車場の肩に廃棄された鹿沼土があったのを思い出してバケツに用意し竹の破砕紛堆肥も等量運び一輪車の船の中で掘り上げた土と混合して定植用土とした。
 当然、しっかりと「水決め」も行い、万が一刈り払いに入られても刈り払われないよう竹三本で囲いを組んで終了したのだ。現実問題としては「刈り払われるより盗掘」の方が心配なのであるが、盗掘者側は竹の囲いなど屁にも感じない。以前、庭木からフイールドに降ろした紅葉の1本は雨の日に抜き取られて消えている。軽トラックと最低2人が必要な大きさだったが「銘木や山の大地に植えるとも樹の盗人は意にも介せず」なのだ・・・。

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**今日の替え歌

2022-04-02 | 性向有毒の翁なれば
           某氏暴誠実権化そのものぞ他人腐しつ自分を述べる  選者渾身の一歌