トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

今日のトンボ「今期はあと四週ほど…」

2017-11-18 | 小父のお隣さん
 例年、トンボの見納めは12月初旬までが経験則で、残りは四週程になった。この時期、水見回りをしても泥水地での飛翔はほとんどなく、個体の多くはトンボ池周囲か木立に囲まれ刈り払われた地上近くがほとんどである。

 トンボの季節、最盛期には林内から出てこないオオアオイトトンボも日溜りに出ている。水見回りでオオアオイトトンボを見るようになると「季節もお終い」の感を深くする。もう一種、最後まで粘るのはマユタテアカネだが、これも地上近くで翅を休めている事が多くなった。両者とも日溜りでしか見られない。

 この日もマユタテとオオアオイトトンボを眺めていたら翅も体色もくすみが目立ち、シーズンの終わりを否応なく見せつける。トンボが姿を消すと水見回りも猪への腹立ちしか得られない寂しく寒い季節の到来だ。

                     

 時々、身体が切望する…

2017-11-18 | 何よりの楽しみ
 流行りの物、評判の物、いわゆるグルメやご馳走の有難味は知らない小生である。「食べたい」と思う食材や料理は、大方が郷里で食べていたものがほとんどで、外食するにしてもケースにお惣菜が並び、選ぶような店が入りやすい。

 献立が毎回異なるような社会に何時頃からなったのか知る由もないが、郷里にいた当時は朝昼晩と基本的な献立は決まっていたように思い出す。今回「食べたい」と作ってみたのが「晒しエゴ」で、これは郷土の定番と言って良いだろう。寒天や心太と同類の「えご海苔」が材料で、作り方も加熱溶融させ冷却し固め、食べ方は酢味噌や辛子味噌、味噌漬けなどだった。

 今回は溶融時にチキンコンソメを入れ固めた。半分は辛子酢味噌で食べ、もう半分は糠味噌漬けにした。糠味噌は「えひめAI風糠味噌」なのだが、やはり通常の糠味噌と臭いが異なる。いわゆる「糠味噌臭さ」が無く、蓋を開けると香気を感じる。食味は「美味しくなった」とは思ってはいないけれど発酵微生物相が異なっているのだろう。

 小生、セッセ、セッセと鰹節やら昆布やら植物性乳酸菌やらイースト菌から納豆菌、麹菌まで投入し、最近は乳酸菌の食料にと「オリゴ糖」まで投入している。まあ、遊びである。

                 凝固した   辛子酢味噌で

 さて一昼夜糠味噌につけた「晒しエゴ」、夕食時に取りだしたら様子がおかしい。ズブズブになって型崩れする程の状態で、糠を洗い落とそうと水を掛けたら次々とバラケていくではないか。
 「なんだ!これは?」と思ったのも一瞬で疑問は融解、いいえ氷解した。この主成分は食物繊維で、植物性食物繊維であるから水分を吸収する。「水分が足らず固い便秘の時は植物性食物繊維を摂取すると良い」と言われているように、糠味噌の水分を吸収して緩くなったのだろう。

 期せずして糠味噌内で便秘が解消されるメカニズムを実証したのであった。食味は「糠味噌の水分を十分に吸収した」結果、糠味噌そのものを喰っている味わいだった。これでは美味しい一品に成りえないので苦渋の廃棄である。そんな顛末から味噌桶に漬けるのと糠味噌に漬けるのでは両極端なのが理解できた。
 とは言っても人生の大疑問が残る。「味噌桶で漬けた時は何故緩くならずに済んだのか?」それはともかく、便秘解消に役立つと確信したが結果は「糞っ!」に近く、我が身体は味噌桶だった。

 傷心の心持で、当てにしていた副食が無い夕食時、「心丈夫に生きなさい!」と優しく背中を支えてくれたのは、まだ二十代のテレサテンの歌声だった。心ならずも失敗した「晒しエゴの糠味噌漬け」に、看取る人も居ず喘息の発作で無くなった歌姫、お爺には泣ける夕食になったのである。