人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

エジプト映画「テロリズムとケバブ」を観る~記者クラブ試写会 

2012年10月21日 06時59分15秒 | 日記

21日(日).昨日午後,当ビル10階ホールで日本記者クラブ主催の試写会「テロリズムとケパブ」を観ました この映画は日本とエジプトの国交150年を記念して,エジプト大使館の協力のもとに上映されたものです この日はエジプト大使館の関係者も出席して,あいさつがありました.上映に当たって記者クラブのI部長からこの映画について説明がありましたが,エジプト語を日本語に直して字幕を作成する作業が,人材不足の問題もあって困難で,もっと新しい映画を紹介したいと思ってもそう簡単にはいかない,という事情があるようです

「テロリズムとケバブ」は,ワヒド・ハーミドによって書かれ,エジプトの映画監督シェリーフ・アラファによって1992年に完成・上映されました アラブの喜劇王アーデル・イマームを主演として,現代エジプトの官僚主義的非合理性を非難して描いた社会派娯楽映画です

アーマドは息子の転校許可申請のため官庁に赴きますが,職員たちのたらい回しに合い,怒り心頭に達します 職員と揉みあいになったところに駆けつけた警官の機関銃が,はずみでアーマドの手に渡ります.その瞬間,彼は期せずして「テロリスト」になってしまいます 何人かを仲間に引き入れ,庁舎に居合わせた人々を人質にとって政府に要求を出します アーマドが彼らに何が欲しいかと訊くと「特上のケバブ(肉をローストした食物)が食べたい」というので,それを政府に要求します.政府側は「ケンタッキーではだめか?」と迫りますが,アーマドが人質に訊くと「ダメだ,ケバブを寄こせ」と,まるでデモ隊のようなシュプヒコールが起こります これには政府も折れてケバブの差し入れをします.アーマド自身は「この国で,人間の尊厳を取り戻したい」と思います.最後に,アーマドは人質の顔をして他の人質とともに外に逃れてニンマリするところで映画が終わります

このような反政府映画が,エジプト大使館のバックアップにより,日本とエジプト国交150周年記念に上映されることにまずます.近年のエジプトを巡る革命的な政治情勢を反映してのことでしょう 映画製作当時は,この映画のように官僚主義的な非合理主義がまかり通っていたのでしょう.それでは,目まぐるしく変化する政治情勢の中,今のエジプトはどうなっているのでしょうか 本当のところは現地に行ってみなければ分かりません ただ,そういう難しいことは抜きにして,この映画は喜劇仕立てなので,理屈抜きで楽しむことができました

 

          

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オリジナル楽器でモーツアルトとビゼーを聴く~「クラシカル・プレイヤーズ東京」コンサート 

2012年10月20日 06時58分07秒 | 日記

20日(土).昨日午後,東京ビックサイトで開催中の「危機管理産業展2012」の見学に行きました 昨年の3.11以降急激に高まった防災意識を背景に,各方面から多数の人々が会場に集まりましたわが社3名は「非常用電源」などの停電対策を中心に見て回りました.福島原発を背景に「除染用防護服」が複数個所で展示されていました

 

          

 

  閑話休題  

 

昨夕,池袋の東京芸術劇場でクラシカル・プレイヤーズ東京のコンサートを聴きました プログラムは①モーツアルト「交響曲第25番ト短調K.183」,②同「ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466」,③ビゼー「交響曲ハ長調」の3曲.指揮は有田正広,フォルテピアノ独奏は仲道郁代で,オーケストラはオリジナル楽器を使用します     

会場は7~8割の入りといったところでしょうか.自席は1階I列13番で,センターブロック通路側ですオーケストラは向かって左からコントラバス(後方),第1ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,第2ヴァイオリンという対向配置,後方はホルン,オーボエ,ファゴットがスタンバイします オーボエはバッハ・コレギウム・ジャパン(B.C.J)の三宮正満と尾崎温子です.B.C.Jの時は舞台の右サイドに位置していますが,バッハではないので,通常のオーケストラと同じようにセンターにスタンバイします ホルンはバルブがありません.オケは全員で30名弱の小編成で,コンサート・ミストレスを務めるのはB.C.Jの若松夏美にも師事した戸田薫です

 

          

 

1曲目のモーツアルト「交響曲第25番ト短調K.183」は映画「アマデウス」の冒頭シーンで使われた衝撃的な曲です 白髪の有田正広がタクトなしで登場します.第1楽章「アレグロ」は三宮正満のバロック・オーボエが冴えわたります 曲全体を通してメリハリのついた小気味のいい演奏でした モーツアルトの時代にはこういう音が鳴っていたのだろうな,と思われる,どこかくすんだような,柔らかくやさしい音色が会場を満たします

有田に伴われて,仲道郁代が上が黒,下が青銅色のドレスで登場します 舞台上のピアノは演奏者本人の所有するフォルテピアノで,1790年頃の楽器を複製したシュタイン・モデルとのことです

 

          

 

有田の合図で「ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466」が始まります.オケの序奏が続く中,仲道は中空を見つめています 序奏が終わり仲道のフォルテピアノが演奏に加わると,古楽器特有の音色が会場に響きます 現代のピアノのように大きな音は出ません.したがって,オーケストラは主役のピアノの音を消すような演奏をしてはなりません 有田はフォルテピアノの独奏部分の時は,弦楽器の首席だけで演奏させ透明感を求めます.つまり,第1,第2ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,コントラバスの首席5人だけで伴奏する形を取ったのです 現代の大ホールで主役のフォルテピアノを生かすにはこういう方法がベストなのかもしれません

第1楽章のカデンツァは素晴らしい演奏でした.全楽章を通して鍵盤から目を離さず弾き切ります 通常のピアノを弾いているときと違う感触があるのでしょう.仲道郁代というと,身体を上下に動かして演奏するイメージが出来ていたのですが,今回久しぶりにナマで彼女の演奏を観て聴きましたが,今までで一番良い印象を持ちました 素晴らしい演奏でした.自分のフォルテピアノを会場に持ち込んで演奏したことも良い結果につながったと思います

 

          

 

休憩後の「交響曲ハ長調」は,ビゼーがパリ音楽院在学中の17歳のときに作曲した曲です.ビゼーらしい美しく喜びに満ちた曲です 強いて言えば”青春の歌”です.第1楽章の躍動感をどのように表現すればいいのでしょうか ここでもバロック・オーボエの三宮正満の演奏が光ります.第2楽章「アダージョ」は,しみじみとしたメロディーが続きます.この曲はこんなに良い曲だったのか,と再認識しました第3楽章「スケルツォ」と第4楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」は,まるでメンデルスゾーンのような曲想で,明るく疾走します

オリジナル楽器で聴くモーツアルトとビゼーでしたが,今回のような古楽器による演奏の方が,かえって新鮮で心に響くものがありました.次回は来年6月28日(金)で,今回の出演者によりモーツアルトのピアノ協奏曲(曲目未定)ほかが演奏されるようです.これも是非聴きに行きたいと思います

 

          

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最高に面白い!~東川篤也著「謎解きはディナーのあとで」を読む

2012年10月19日 06時58分18秒 | 日記

19日(金).つい先日まで真夏の暑さが続いていたかと思っていたら,もうすっかり秋です 秋と言えば「天高く馬こゆる秋」という名句があります.小学生の頃,てっきり「天高く馬越ゆる秋」だと思い,秋に馬が天高くジャンプするシーンを思い浮かべていました.本来の「雲が高い位置になり,馬が良く食べて肥える秋になった」という意味の「天高く馬肥ゆる秋」であることを知るのに中学校の卒業を待たなければなりませんでした。おそー,なさけねー

 

  閑話休題  

 

昨夕、来週当ビルで実施する総合防災訓練の打ち合わせのため、X部長ほかいつものレギュラーメンバーで地下の炭火焼鳥Oで飲みました 実は来週の訓練はこの店の厨房から出火したという想定で実施するため、お店の協力を求める必要があるのです あれも仕事、これも仕事、み~んな仕事 お酒飲むのもつらいのよね~

その後、当社S氏の企画によりT君,K君を交えて地下W薬局のHさん、Kさんと会食する予定だったのですが,T君が青森出張疲れのせいか体調を崩したため,雨の降る中,S氏,K君,Hさん,Kさんと私の5人で,Hさんご推奨の虎ノ門実業会館地下のインド料理店「ニルワナム」に向かいました この企画になぜ私が加わっているのかイマイチよく分からないのですが,楽しそうなので参加しました

Hさんはこの店の常連らしく,注文する料理はほとんど彼女に一任しました カレー大好きなHさんが選んだのは,記憶違いでなければ「チキン・ケバブ・フライ(ショウガ,ニンニクいり)」,「ビンディ・マサラ(オクラ・カレー)」,「ダル・パラク(ほうれん草カレー)」,「アップム(円形状のクレープ)」,「レモン・ライス」等で,飲み物は各自好みのドリンクを頼みました.私は無難なところでインド・ビールにしました

われわれ男性陣は,焼鳥Oで散々飲みかつ食べてきたので,ほとんどお腹一杯状態だったのですが,カレーと言うのは不思議なもので,辛いスパイスのせいか,何とか美味しく食べられました 満腹なのに食べられるようになることを”カレーなる転身”といいます.もちろんウソですけど というわけで,ビールの後はラム酒を飲みました.こんなラッキーな機会は二度とないかもしれないので,美女二人を写メしました.左がKさん,右がHさんです


                          

    

話題は,Hさんがハマっているアイス・スケートの話を中心に,S氏の季節外れのダジャレ(サムー)を交えながら,和気あいあいと歓談しました.Hさんはアイス・スケートで使われるBGMに興味があるようで,とくに2014年のロシアのソチで開かれる冬季五輪を見据えて,ロシアの作曲家の音楽を知りたいと言っていました えっ,ソチを知らない人がいるって? ソチは誰じゃ? いかが措置しようか・・・・・面白くも何ともない.座布団取っちまえ・・・・・・・・・・・

ロシアの作曲家の音楽でアイス・スケートでよく使われる曲と言えば,ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番と第3番,チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番がほぼ定番でしょう ほかにもロシアにはムソルグスキー(禿山の一夜),ストラヴィンスキー(火の鳥),ハチャトリアン(剣の舞),プロコフィエフ(ピアノ協奏曲第3番)など,錚々たるメンバーがそろっています ところでロシアでは,どの曲にするかは選手とコーチがロシアン・ルーレットで決めているといわれています.ウソですけど

何はともあれ,焼鳥屋とカレーショップをハシゴした(本当はその間にコーヒーショップが入っていた)のは生まれて初めて のことでしたが,楽しいひと時を過ごすことができました Hさん,Kさん,ありがとうございました 漫画市,もとい”万が一”次回があるとすれば,今回参加できなかったT君も加えてやりましょう

 

  閑話休題  

 

昨日,昼休み,内幸町の飯野ビル1階エントランス・ロビーでランチタイム・コンサートが開かれました出演は国立音大大学院在学中の河野俊也さんです

プログラムは、前半がショパンとリストで後半がドビュッシーです N氏も聴いてみたいと言うので、いっしょに蕎麦屋で昼食を取ってエスカレーターでロビーに向かうと、ドビュッシーの「ベルガマスク組曲」第3曲「月の光」が流れてきました 大勢に人がイスに座り、あるいは立ったままピアノの音色に耳を傾けていました。たまたまほぼ中央の席が空いていたので、席を確保し第4曲「パスピエ」を聴きましたが、歯切れの良さを感じました

河野さんはいったん立ちあがって一礼し、前奏曲第2巻の演奏に移りました。第2曲「枯葉」、第3曲「ヴィーノの門」、第5曲「ヒースの茂る荒地」、第6曲「風変わりなラヴィーヌ将軍」、第8曲「水の精」、第12曲「花火」を連続して演奏しました 隣のN氏はピアノを子守唄代わりに気持ちよさそうに舟を漕いでいました 週末で疲れがたまっている中、贅沢で充実した昼休みを過ごしたようです。次回は一人で聴きに来てください

河野さんは、全体の印象として男性らしい力強さを感じました 何よりも、出てくる音がしっかりと「ドビュッシー」の音になっていました このコンサートに出演する演奏家のレベルの高さを感じます。次回のコンサートは11月15日(木)です。変更がなければ森島嘉奈子さんです。次回も楽しみです

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

東川篤也著「謎解きはディナーのあとで」(小学館文庫)を一気に読み終わりました 東川篤也(ひがしがわとくや)の本はこのブログで何冊か紹介したので皆さんよくご存知だと思います 1968年,広島県生まれ,岡山大学法学部卒業.「密室の鍵貸します」「完全犯罪に猫は何匹必要か?」など,ユーモア小説で名を轟かせているミステリー作家です

国立署に勤務する新米刑事,宝生麗子は世界的に有名な「宝生グループ」のお嬢様です.一方,上司の風祭警部は「風祭モータース」の御曹司です.この二人のコンビにより数々の難事件を解決していきます.と言いたいところですが,実際に事件を解決するのは,麗子の”執事兼運転手”の影山なのです

第1話「殺人現場では靴をお脱ぎください」,第2話「殺しのワインはいかがでしょう」,第3話「綺麗な薔薇には殺意がございます」,第4話「花嫁は密室の中でございます」,第5話「二股にはお気をつけください」,第6話「死者からの伝言をどうぞ」,番外「宝生家の異常な愛情」から成ります

難事件に遭遇すると,麗子はその一部始終を影山に相談します.それを聞いた影山はそのたびに「お嬢様の目は節穴でございますか?」「失礼ながらお嬢様・・・・・・この程度の真相がお判りにならないとは,お嬢様はアホでいらっしゃいますか?」「わたくし密かに心配しておりました.わたくしがお嬢様の事件に首を突っ込むようになって以降,せっかくの難事件をわたくしひとりの力で解決に導くこと度々,結果,お嬢様はいらない存在になりつつありました・・・・」と暴言をはいて麗子を怒らせます とはいうものの影山の推理がなければ事件は解決しません

この小説を読んだ時に思ったのは,ロシア出身のアメリカ人作家アイザック・アシモフの「黒後家蜘蛛の会シリーズ」です このミステリーは,月1回ニューヨークのレストランで開かれる「黒後家蜘蛛の会」で,ゲストが語る話の中に出てくる謎をメンバーが推理しますが,なかなか結論にたどり着きません.そんな中,店の給仕ヘンリーが謎解きをするというシリーズです 「謎解きは~」の影山は「黒後家~」のヘンリーというわけです ともに短編小説の形をとっているところも似ています

東山篤也のミステリーは何冊も読みましたが,おそらくこの本はダントツに面白い作品です 昨年,影山=櫻井翔,麗子=北川景子,風祭=椎名桔平という配役でTVドラマ化されたそうですが,さぞ面白かったでしょう.是非観たかったです 来年には映画化されるそうです.是非観たいです

 

          

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

おぬし,出来るな!~辻村深月著「ツナグ」を読む 

2012年10月18日 07時00分57秒 | 日記

18日(木).昨日,出張から帰り朝日朝刊を見て唖然としました 「ああ真紀子節 田中文科相,山中教授へ洗濯機の寄付提案」という記事です.山中教授はノーベル医学生理学賞の受賞の一報を受けたとき,自宅で洗濯機の修理をしていたことが知られています それを知った田中大臣が16日の閣僚懇談会で「さぞ生活者としてお困りと思うので,閣僚が,一人当たり5千~1万円を出せば買える」と提案,全員が賛成したが,政治家の寄付行為は法律違反になる場合もあることが分かり,他の方法を検討することになった,とのこと

この発想のレベルの低さはどうでしょうか 文部科学大臣が考えなければならないことは他にいくらでもあるはずです ノーベル賞の副賞賞金を受ける山中教授にとっては「有難迷惑だから,ほっといてくれ」てなもんでしょう.こういうのを「小さな親切,大きなお世話」と言います.まさに田中真紀子大臣は洗濯を誤った,もとい,選択を誤ったのだと思います.名誉挽回して人気を真紀返してほしいものです

 

  閑話休題  

 

青森出張の飛行機の中で,辻村深月著「ツナグ」(新潮文庫)を読み終わりました 辻村深月(つじむらみずき)は1980年生まれ,千葉大学教育学部卒業.2004年に「冷たい校舎の時は止まる」でメフィスト賞を受賞してデビュー.「ツナグ」で吉川英治文学賞新人賞を,「鍵のない夢を見る」で直木賞を受賞しました 私はこの人の本を読むのはこれが初めてです

生涯に一度だけ,死んでしまった誰かに会える.それを叶えてくれる者は「使者(ツナグ)」と呼ばれる.男子高校生・渋谷歩美(アユミ)は祖母からその役割を受け継ぐ.ツナグが媒介してくれるのは,依頼者が生きている間か,死んでからか,どちらか1度しかない

この物語に登場するのは,突然死したアイドルが心の支えだった孤独なOL,年老いた母に癌告知できなかった頑固な息子,親友に抱いた嫉妬心に悩む女子高生,失踪した婚約者を待ち続ける会社員たちです ツナグは一度死んだ人と依頼人を結びつけます.アユミの両親は死んで今はいません.父親の浮気が母親に発覚し,それが元で父親が母親を絞殺し,父親は舌を噛み切って自殺した,と噂されていましたが,最後に,それが「ツナグ」の掟が原因で起きた”事件”だったことが明らかになります

朝日の読書欄の「売れている本」でライターの瀧井朝世さんがこの本の裏話を書いています それによると,編集者の木村由花さんが辻村さんに「カタルシスを得られる物語を,と依頼したところツナグの設定と第1話の構想を提案され,これはぜひに,とお願いしました」と語ったとのことです 営業部の担当者によると「書店さんからの反応がよく,配本前に増刷が決定.以降毎週増刷がかかっている状態.読者は女性が多く,年齢層は偏りなく広がっています」とのこと

この本を読み終わって思うことは,自分だったら誰と会いたいと思うか,ということです 自分が生きている間に死者に会うか,それとも自分が死んだあとに,誰かが会いたいと依頼してきたときに生者と会うか,とにかく1度しかチャンスはないのです そういうことを考えさせえる潜在力を,この本は持っています.「おぬし,出来るな!」.編集者によると,作者の辻村さんは,この作品の続編を書きたいと語っているそうです.是非,実現してほしいと思います

 

          

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ねぶた」も「津軽三味線」も,「斜陽館」も,らばなー青森~第65回新聞大会終わる

2012年10月17日 23時20分13秒 | 日記

17日(水).今夜,青森出張から帰ってきました.昨日は市内のホールで開かれた第65回新聞大会に参加しました 会場に着くと,前の道路に〇〇労連の宣伝カーが止められていて,幹部がアジ演説をする中,ビラが配られていました.その動向を警戒してか制服警官がそこかしこに配置されていました.労連のビラ配りごときで制服警官が出てくるとは思えません.何かあったに違いありません.何かの予告電話とか

大会の記念公演として地元・青森出身の宇宙航空研究開発機構シニアフェローの川口淳一郎さんから「はやぶさが見せた日本の技術力と新聞に期待するもの」というテーマの話がありました

「約20億キロ離れた小惑星から土壌サンプルを採取し,地球へ持ち帰る」という,NASAさえ躊躇する大計画を成し遂げたハヤブサですが,途中で通信が途絶えたり,エンジンが故障したり,トラブル続きだったにもかかわらず,奇跡的に地球に”成果”を持ち帰りました そのプロジェクトマネージャーを務めた川口さんは,その間のご苦労や裏話を話してくれましたが,一番困るのは「ハヤブサを巡って3つの映画が作られたが,どれが一番真実に近いか」という質問で,「映画はあくまでもフィクションであって,真実ではない」と答えたとのことです これからの日本について提言するならば「製造の国」から「創造の国」に変わらなければならない,と話されました       

その後,「消費税と新聞」というテーマによる研究座談会が開かれ,朝日,読売,東奥,新潟,中日各社の社長と日経常務が各社の立場で発言しました(下は16日付の東奥日報朝刊).

 

          

          

 

夕方,別の会場でレセプションが開かれたので参加しました.さすがは海に囲まれた県に相応しく,刺身をはじめ魚が抜群に美味しかったです 地酒があったので4~5種類飲み比べしました.当社からの参加者4名は大満足です

一旦ホテルに荷物を置いて,再度ロビーに集合,二次会に繰り出しました ホテルのフロントで,近くの安心安全の店をアドバイスしてもらい出陣しました.全体がスナックやバーで占められているビルにいた客引きのお兄さんに訊いて,4階にあるMというカラオケ・スナックに入りました 最初,女性が2人でお酒をサービスしてくれたのですが,後から1人加わりました.聞くところによると,われわれのレセプションでコンパニオンとして働いてきたばかりで,私がその会場にいたのを覚えていたので,このお店に来ていたのでびっくりしたとのこと.その話にこちらがびっくりしました

びっくりと言えば,U専務とH君の歌は初めて聴きましたが,びっくりしました.とくにU専務は,いきなり”銀恋”を選んでデュエットで歌い始めたので,その意外性にびっくりしました

一夜明けて今日は近郊見学ということでバスで青森名所を巡りました.朝8時40分に貸切バスが私が宿泊しているWホテルに迎えにきました。このバスは5つのホテルを回って参加者を拾っていきます。観光Aコース「2大ねぶたと斜陽館見学」は参加者10名 大型バスを貸切です.地元紙・東奥日報社観光部のSさんが終始ついて下さいました

最初に「ねぶたの家ワ・ラッセ」で青森ねぶたを見学しました.今年の夏に活躍した大型のねぶた3体を中心に飾られています.”ねぶた”は”眠たい”というのが起源と言われているようですが,弘前では”ねぷた”と呼んでいます.その明確な理由は判らないようです

 

          

          

    

次いで「棟方志功記念館」に移動,彼の名作を観ました.棟方志功は途中から”版画”を”板画”と呼ぶようになります

 

          

          

 

バスで移動して,五所川原の「立倭武多(たちねぶた)の館」を見学しました.現在の立倭武多は1996年に市民有志が高さ22メートルの巨大ねぶたを復元し「立倭武多」と名付け,98年から祭りの名前を「五所川原立倭武多」として復活させたとのことです 巨大な「立倭武多」3体が「立倭武多の館」に収容されているのですが,何しろ高さ22メートルですから,建物の4階くらいの高さがあります.祭りの時は,建物の側面が左右に開いて,そこから平行移動して外に出すとのことです 個人的には五所川原の立倭武多の方がそのスケールの大きさに驚きました

 

          

          

          

 

ちなみに,”ねぶた祭り”というのは神仏には何の関係もないとのことです.これは意外でした ところで,祭りの時の掛け声は,青森ねぶたが「ラセラー,ラセラー,ラセラセラセラー」ですが,五所川原の立倭武多は「ヤッテマレ,ヤッテマレ」です.ついでに弘前ねぷたの場合は「ヤー,ヤー,トー」です

「立倭武多の館」近くにある「一休寿司」で昼食を取りました.寿司も,刺身も,海老のすまし汁も最高に美味しかったです.ビールもしっかり飲みました

 

          

 

再びバスで金木町に移動して,まず「津軽三味線会館」に行きました.ちょうど,まんじ愛華(あいか)さんという若手女性の師範による「津軽三味線」の独演会が始まるというので聴きました 津軽じょんがら節の新と旧の両方の曲をはじめ,津軽にかかわる曲を6~7曲弾いてくれました.曲の合間に愛華さんから「津軽三味線の胴の部分は何の動物の皮を張るでしょうか?」というクイズが出され,あちこちで「猫」という声が聞こえましたが,正解は「犬」でした.これは私も初めて知りました 愛華さんは乳がんを患い,摘出して,今は薬を飲みながら頑張っているとのことです.身体を大切にして伝統を守って素晴らしい演奏を聴かせ続けてほしいと思います

 

          

          

 

次いで,「津軽三味線会館」の道路を挟んで反対側にある「斜陽館」の見学をしました.何の予備知識もないまま,見学したのですが,案内係りの女性の話を聴いてびっくりしました.この建物は明治40年に太宰の父である対馬源右衛門が建築したもので,階下11室,2階8室もあり,ほかに米蔵も有ると言う超豪邸なのです.その広さと和洋混合のつくりにびっくりです

           

          

 

太宰治の生家「斜陽館」をもってこの日の見学会は終了しましたが,東奥日報社のSさんには大変お世話になりました バスガイドさんによると「さよなら,またね」を津軽弁で「らばなー」と言うそうです.帰京の飛行機が青森空港を飛び立つとき,心の中で叫びました「らばなー,あおもり」と

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クァルテット・エクセルシオのモーツアルト,ブラームス,ベートーヴェンの公演チケットを入手!

2012年10月16日 05時58分00秒 | 日記

16日(火).今日から青森市で開かれる第65回新聞大会に参加するため,今朝8時15分羽田発=青森行きのJALに搭乗します そのため,いつもは午前6時に起きているのですが,今朝は5時に起きました 今日は午後に青森市内のホテルで開かれる新聞大会式典・記念講演・研究座談会に参加して,夕方から別のホテルで開かれる懇親会に参加します

明日は近郊見学ということで,ねぶたの展示施設や,棟方志巧記念館、太宰治の生家「斜陽館」などを見学して,羽田に午後6時半頃到着するJALで帰京します したがって,明日のブログの立ち上げは朝でなく夜になります.1泊でも家を空けるのは2年ぶりぐらいかもしれません

 

  閑話休題  

 

東京文化会館チケットサービスで「クァルテット・エクセルシオ第24回東京定期演奏会」のチケットを買いました 11月23日(金・祝)午後2時から東京文化会館小ホールで,プログラムは,①モーツアルト「弦楽四重奏曲第11番K.171」,ブラームス「弦楽四重奏曲第3番」,ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第10番”ハープ”」です

そもそも,なぜクァルテット・エクセルシオを聴きたいと思ったかというと,今年6月17日に開かれた「サントリーホール・チェンバーミュージック・ガーデン」フィナーレ・コンサートにこのカルテットも出演していたのですが,ブラームスの「弦楽六重奏曲第1番」とメンデルスゾーンの「弦楽八重奏曲」にヴィオラ奏者として参加した吉田有紀子さんの演奏が素晴らしかったからです.この時はヘンシェル・カルテットとの混合編成だったので,機会があればエクセルシオSQだけで聴いてみたかったのです

 

          

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ピアノ=河野俊也~飯野ビル・10月度ランチタイムコンサート決まる

2012年10月15日 06時55分32秒 | 日記

15日(月).昨日の朝日朝刊「読書欄」を見ていて”おやっ?”と思いました 漢字に振られた”ルビ”です.今まで意識していなかったのですが,新聞ってこんなにルビを振っていたかな?と思ったのです.朝日の場合「読書欄」に4ページを割いていますが,この中に「思い出す本 忘れられない本」というコーナーがあり,この日はマンガ家のヤマザキマリさんが安倍公房著「方舟さくら丸」について書いています.ルビが振ってある漢字が出てくる主な箇所を抜き出してみると,次のような文章があります (  )内が漢字の右側に振ってあるルビです.

「日本ではまだ殆ど(ほとんど)の作家達(たち)が手書きで原稿を手がけるのが当たり前の時代に,安倍公房は当時市場に出たばかりのワードプロセッサーを導入して作品を執筆する様(よう)になった・・・・先のワープロで初めて書き下ろしたという長編『方舟(はこぶね』だ」

一方,同じ文章の中に「貧窮状態に陥っていた頃」という表現が出てくるのですが,これにはルビが振られていません.どういう基準でルビを振るのか振らないのかを判断しているのか不明です 考えられるのは筆者のオリジナル原稿を生かした上で,『新聞用字用語集』に基づいて,ひらがなで書くべきところを漢字で書いている場合はルビを振る,ということです 同じ朝日でも第1面をはじめ別の記事でルビが振ってあるのは,読みにくい人名,土地名,言い回しなどです

目を日経朝刊に転じてみると,読書欄には3ページを割いていますが,こちらも読みにくい漢字にはルビを振っています 他の面の記事にはほとんどルビが見られません.『新聞用字用語集』を基本にしつつ,朝日は読者のターゲットを老若男女を問わず広く設定しているのに対して,日経は就活中の学生やビジネスマンを中心とする層をターゲットにしているところに,ルビを振るか振らないかの判断の分かれ目があるのかも知れません

両紙に共通しているのは,「読書欄」に関しては読みにくい漢字には出来るだけルビを振るようにしていることです これは新聞を含めた活字文化を将来的に守っていこうとする活動・NIE(Newspaper in Education=教育に新聞を)の一環として捉えることができるでしょう

さて,今日10月15日から「新聞週間」です.その第1日目が新聞休刊日というのはいったいどうしたことでしょう もちろん,年間で数日しか休みが取れない過酷な労働条件下にある新聞配達の皆さんのご苦労を考えれば,たまにはゆっくり休んでいただきたいと思いますが,業界の姿勢としてどんなものでしょうか.別の日に設定するとか,再考できないでしょうか

 

  閑話休題  

 

飯野ビルが毎月1回開催しているランチタイムコンサートの10月度の内容が明らかになりました 10月18日(木)午後12時5分から同50分まで、内幸町・飯野ビル1階エントランスロビーで開かれます

出演はピアノの河野俊也です。東京都出身、国立音楽大学大学院修士課程2年在学中とのこと。最近では今年1月15日、北原幸男指揮東京フィルとチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」を共演したとのことです

プログラムは①ショパン「練習曲作品10より第5番”黒鍵”」、②リスト「メフィスト・ワルツ第1番」、③ドビュッシー「ベルガマスク組曲」より「月の光」、「パスピエ」、④ドビュッシー「前奏曲集第2巻」より「枯葉」「ヴィーノの門」「ヒ―スの茂る荒地」「風変わりなラヴィーヌ将軍」「水の精」「花火」です 

誰もが無料で聴けます.昼食後のひとときピアノの音に耳を傾けてはいかがでしょうか

 

          

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東京交響楽団2013年度定期演奏会会員継続へ~案内届く

2012年10月14日 07時08分21秒 | 日記

14日(日).昨夕は私の誕生祝いということで,娘がハッシュド・ビーフを作ってくれました.ワイン(息子はお酒を飲まないのでウーロン茶)で乾杯して,野菜サラダとともに美味しくいただきました.レストランで出される料理のように美味しかったです やっぱり人が作ってくれる料理が一番ですね 

 

          

 

食後,一休みしてからガトーショコラのバースデー・ケーキに入刀して,いただきました いつまでも景気が思わしくない今はケーキを食べて英気を養うに限ります.それをケーキに景気が上向きになればいいですね

 

          

 

娘がツイッタ―で私の誕生日のことをつぶやくと,次々と”お父さんおめでとう”ツイッターが寄せられました どこのどなたか知りませんが,ツィートしてくださった皆さんありがとうございました

 

          

 

  閑話休題  

 

東京交響楽団から2013年度定期演奏会の継続案内が届きました 会員の先行予約は10月26日までです.私は現在,東京交響楽団ではサントリーホール・シリーズと東京オペラシティ・シリーズの2つの定期会員ですが,ほかに東京フィル文京シビック・シリーズ,新日本フィルすみだトりフォニー・シリーズ,同室内楽シリーズ,新国立オペラ,バッハ・コレギウム・ジャパンの定期会員でもあるので,年間日程等を勘案しながら慎重に継続の有無を判断したいと思います

案内書によると,現在音楽監督のユベール・スダーン氏は2013年度を持って退任するとのことですスダーン+東響の演奏で忘れられないのはシューベルトの交響曲連続演奏会です.とくに第3番など若い番号のシンフォニーの名演が忘れがたいです 2014年度(9月~)からは1962年イギリス生まれのジョナサン・ノットが音楽監督を務めるとのことです

 

          

 

2013年度のサントリーホール・シリーズの日程・プログラムは以下の通りとなっています

第609回定期=4月20日(土)午後6時~①モーツアルト「ミサ曲ハ長調K.317”戴冠ミサ”」,②同「レクイエムニ短調K.626」.指揮:ユベール・スダーン.テノール:福井敬ほか.

第610回定期=6月2日(日)午後2時~①R.シュトラウス「ドン・ファン」,②バルトーク「ヴァイオリン協奏曲第1番」,③R.シュトラウス「英雄の生涯」.指揮:秋山和慶,ヴァイオリン:イェウン・チェ.

第611回定期=6月30日(日)午後2時~①プロコフィエフ「交響的協奏曲(チェロ協奏曲第2番)ホ短調」,②ラフマニノフ「交響曲第2番ホ短調」.指揮:ドミトリー・キタエンコ,チェロ:マインツ.

第612回定期=7月20日(土)午後6時~①ルーセル「交響曲第3番ト短調」,ショパン「ピアノ協奏曲第2番へ短調」,ベルリオーズ「劇的交響曲”ロミオとジュリエット”」.指揮=ロベール・スダーン,ピアノ:中村紘子.

 

          

 

第613回定期=9月28日(土)午後6時~①マクミラン「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」,②ホルスト「惑星」.指揮:大友直人.

第614回定期=10月13日(日)午後2時~①R.シュトラウス「4つの最後の歌」,②同「アルプス交響曲」.指揮:ジョナサン・ノット,ソプラノ:ブリューワー.

第615回定期=11月4日(月・祝)午後2時~①シベリウス「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」,②ブルックナー「交響曲第4番”ロマンティック”」.指揮:ユベール・スダーン,ヴァイオリン:レイ・チェン.

 

          

 

第616回定期=12月14日(土)午後6時~①チャイコフスキー「幻想序曲”ロミオとジュリエット”」,②同「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」,ストラヴィンスキー「春の祭典」.指揮:ウルバンスキ,ヴァイオリン:神尾真由子.

第617回定期=2014年2月9日(日)午後2時~①モーツアルト「”フィガロの結婚”序曲」,②同「交響曲第38番ニ長調K.504”プラハ”」,③オルフ「カルミナ・ブラーナ」.指揮:飯森範親,ソプラノ:半田美和子ほか.

第618回定期=3月29日(土)午後6時~.①ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番”皇帝”」,②シューベルト「交響曲第2番」.指揮:ユベール・スダーン,ピアノ:オピッツ.

以上善10回のプログラムの中では,スダーンのモーツアルトの「宗教曲」とシューベルトの「第2交響曲」,チェのバルトーク「ヴァイオリン協奏曲第1番」,レイ・チェンのシベリウス「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」,神尾真由子のチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」などが期待できそうです

年間会費はS席:49,000円,A席42,000円,B席35,000円,C席:28,000円です

 

          

          

一方,東京オペラシティ・シリーズの日程・プログラム(全6回)は次の通りです

第73回定期=5月19日(日)午後2時~.①ドビュッシー「小組曲」,②ラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」,③同「左手のためのピアノ協奏曲」,④同「ラ・ヴァルス」.指揮:秋山和慶,ピアノ:ミシェル・ベロフ.

第74回定期=7月15日(月・祝)午後2時~①ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」,②同「交響詩”海”」,③ショーソン「詩曲」,④ラヴェル「ツィガーヌ」,⑤同「ボレロ」.指揮:ミシェル・プラッソン,ヴァイオリン:成田達輝.

第75回定期=9月22日(日)午後2時~①ラロ「イスの王様・序曲」,②ヴァイオリン協奏曲第2番”スペイン交響曲”」,③サン=サーンス「交響曲第3番”オルガン付き”」.指揮:飯森範親,ヴァイオリン:川久保賜紀.

第76回定期=11月15日(金)午後7時~①ブラームス「運命の歌」,②同「悲歌」,③同「ピアノ協奏曲第2番」.指揮:大友直人,ピアノ:アンドレ・ワッツ.

第77回定期=12月1日(日)午後2時~①ペンデレツキ「広島の犠牲者に捧げる哀歌」,②モーツアルト「ピアノ協奏曲第18番K.456」,③ブラームス「交響曲第2番ニ長調」.指揮:ウルバンスキ,ピアノ:フセイン・セルメット.

第78回定期=2014年3月22日(土)午後2時~①ハイドン「交響曲第1番ニ長調」,②同「ピアノ協奏曲ハ長調」,③同「ピアノ協奏曲ニ長調」,同「交響曲第104番ニ長調”ロンドン”」.指揮:ユベール・スダーン,ピアノ:ゲルハルト・オピッツ.

このシリーズでは,べロフのラヴェル,ミシェル・プラッソンのフランス音楽,川久保賜紀のラロ「ヴァイオリン協奏曲第2番」,ワッツのブラームス「ピアノ協奏曲第2番」,スダーンとオピッツのハイドンなどが面白そうです

年間会費は,S席26,000円,A席21,500円,B席17,000円,C席12,500円と相当格安ですこのシリーズはいつも満席です  躊躇なく継続したいと思っています

 

          

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

姫川シリーズの原点~誉田哲也著「主よ,永遠の休息を」を読む

2012年10月13日 06時57分01秒 | 日記

13日(土)。昨夕、仕事の打ち合わせで、X部長、K君,S建設の巨人F氏と地下の炭火焼鳥Oで飲みました そのあと,遅くなると電車がなくなるK君を除いて,例によってタクシーで上野のカラオケ・スナックFに行きました。実は13日が私の誕生日なので、その前祝いということで、この日休暇を取っていたS氏も現地に駆けつけ(根っからカラオケが好きなんですねぇ)飲んで歌いました 私は前回来た時に94点をマークしていますが,今回は1曲目に歌った「旅人よ」が95点をマーク,その後も「勝手にしやがれ」「旅の宿」「熱き心に」「五番街のマリーへ」で90点台を連発,絶好調でした お店のママがケーキ を用意してくれたので,”ハッピー・バースデー・ツー・ユー”の合唱のもと,ローソクの火を一息で消しました.ケーキおいしかったです.ありがとう いやいや,実に有意義なプレ・バースデー・パーティーでした

明けて誕生日の13日,たまたまですが,このブログが666本目の記念すべき回数を記録しました

 

  閑話休題   

 

昨日の日経朝刊に「中国、日本人団員へのビザ拒否」という小さな記事が載りました 記事によると、

「台湾の代表的オーケストラ”フィルハ―モニア台湾”が11月初めに予定している中国公演で、96人の楽団員のうち日本人3人が、中国当局から必要な査証の発給を拒否されていることが11日、分かった.同オーケストラ責任者が明らかにした。沖縄県・尖閣列島をめぐる争いが理由とみられるという」

私は11月9日に東京オペラシティコンサートホールで開かれる”フィルハ―モニア台湾”の公演を聴きに行くので、無関心ではいられません さきの中国人ピアニスト、ユンディ・リの来日中止といい、今回の件といい、いま中国では政治が文化に優先する”政高文低”の状況が続いています

かつて日本は中国から文化を取り入れて発展を遂げました。その意味で、日本は中国を尊敬し、大切なパートナーとして付き合ってきました それが今はどうでしょう。かつての大陸的な鷹揚な精神はどこかに吹っ飛び、”大きな国、小さな心”になってしまいました かつて毛沢東は”文化大革命”を起こしましたが、今の中国は、グローバルな文化を大切にするという意味での”文化大革命”が必要なのではないか、と思います

 

  閑話休題  

 

誉田哲也著「主よ,永遠の休息を」(実業之日本文庫)を読み終わりました 誉田哲也はこのブログでも何冊か紹介していますが、「ストロベリーナイト」「ジウ」などが良く知られています

通信社社会部の記者・鶴田吉郎は,偶然コンビニ強盗に出くわし犯人逮捕をスクープします.現場で遭遇した男から,暴力団事務所の襲撃事件について訊ねられます.その調査をしているうちに,14年前に起きた女児誘拐殺人事件の実像映像がネット上に配信されていることを知ります.その犯人は精神鑑定で無罪を宣告されていました 14年前に死んだはずの女児は,実は生きていたことが分かります.それでは,その時に死んだのは誰だったのか・・・・・・謎が深まります 無罪となった男はある病院に入院していましたが,病が治ったとして退院します.そして,14年前と同じ行為をしようと大人に成長したその女性に近づきます.果たして彼女は救われるのか

書評家・大矢博子さんによると,この「主よ,永遠の休息を」は,もしかしたら姫川玲子シリーズの第1作になっていたかもしれない作品とのことです 作家デビューから7年経って原作を大幅に書き直して,あらためて世に問うた作品ということです.いわば”姫川シリーズ”の原点とも言うべき作品です

もう,読み始めたら止められず、一気に読みました。お薦めします

 

          

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

長いセンテンスの原点は?~川上未映子著「六つの星星」(対話集)を読む

2012年10月12日 06時57分25秒 | 日記

12日(金)。昨日、西新橋一丁目町会のお世話でANA(全日空)メンテナンスセンターの見学に行きました まず、新橋第一ホテルでバイキングの昼食を取って、貸切バスで羽田に向かいました。参加者は西新橋、内幸町地区のビル管理関係者など総勢45人で,当社からは6人が参加しました メンテナンスセンターに着いて,最初に日付・日時入りの入館パス(下の写真)を受け取り,見学に当たっての注意とANAの航空機の概要について説明を聞いて,3つのグループに分かれて見学に移りました なお,この入館パスは持ち帰ってもよいとのことだったので,見学の記念に持ち帰りました

          

          

 

格納庫に入るとさすがに航空機を何機も収納してメンテ作業をするスペースだけあって,広々としていました.驚いたのは柱が1本もないことです 昨年の3.11の大地震にも十分耐えたとのことです

 

          

 

前輪のタイヤが並んでいます.タイヤの溝は縦に入っています.基本的に航空機は直線で進むからとのことでした

 

          

 

ボーイングのエンジンが台車に乗せられていました.この台車が勝手に動くことを”ボーイング・マイ・ウェイ”と,言いません

 

          

 

格納庫から滑走路を見るとジャンボ機が停止していました.ここで,次々に着陸してくる航空機を見ながら,案内係の女性が「飛行機は風に向かって飛び立ち,風に向かって着陸します」と説明してくれました 離陸時は風による浮力を利用して飛び立ち,着陸時は風をブレーキ代わりにしてスピードを落とす訳ですね それと,私は滑走路は離陸用と着陸用が別々になっていると思っていましたが,風の向きによって離陸用にしたり着陸用にしたり切り替えているとのことで,私にとっては”目から鱗”でした

 

          

 

私は終始,当社のZ氏と行動を共にしていたのですが,彼は中学時代には飛行機が大好きで”非行少年”,もとい,”飛行少年”と呼ばれていたほどだったようで,その名残か,小型カメラで片っ端からバチバチ写真を撮っていました 気のせいか案内係のお姉さんにカメラを向けている場面が多かったように思います 本人は完全黙示,もとい,完全否定すると思いますが・・・・・・まあ,後でデジカメを見せてもらえば一目瞭然ですからね

ところで,最初の「見学の注意」で,写真は自由に撮影しても差し支えないが,ホームページやブログにアップする時は,撮った写真をANAあてにメール送信して許可を取るようにとの注意がありました 上にアップした写真はすべてANAの了解をとったものです.いちいち面倒くさいなぁとは思うものの,企業のコンプライアンス上の措置として仕方ないですね

参加者の日頃の行いが良かったせいか良い天気に恵まれ,普段見られないスポットを見学できました.お世話をして下さった町会のOさんはじめ関係者の皆さまありがとうございました.参加された皆さまお疲れ様でした いま,”工場見学”が流行っていますが,全日空はANA場です

 

          

 

  閑話休題  

 

川上未映子著「六つの星星(対話集)」(文春文庫)を読み終わりました 川上未映子は1976年,大阪府生まれ.2007年「わたくし率 イン 歯ー,または世界」が第137回芥川賞候補となり,2008年「乳と卵」で芥川賞を受賞しました 2010年には”いじめ”をテーマにした「ヘヴン」が芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞しました.「ヘヴン」はこのブログでも取り上げました

「六つの星星」は,精神科医・斎藤環,生物学者・福岡伸一,作家・松浦理英子,歌人・穂村弘,作家・多和田葉子,哲学者・永井均との対話を収録しています

この対話集を読んでみようと思ったのは,彼女の文章の魅力の秘密はどこにあるのか,また,読点でセンテンスを続けていき,いつ終わるか分からない長い文章を大阪弁で書いていく彼女の原点はどこにあるのかを知りたかったからです

彼女の文章の魅力をひと言で言い表しているのは作家の多和田葉子さんです 会話の冒頭で彼女は語っています.

「私が川上さんの本で一番はじめに読んだのは『先端で,さすわ さされるわ そらええわ』なんですが,これが非常に面白かった 内容もだけど,なんといっても言葉のリズムが面白いんです.このふたつは切っても切り離せないものなので,分けて考える方がおかしいんだけど.読んでいるとリズムを感じて,音楽的にも素晴らしいと思いました

その通り,彼女の文章の魅力は”リズム”です.では,長い文章の原点はどこに・・・・・それは作家・松浦理英子さんとの対話の中で,川上さんが自ら発言しています

「処女作を発表したとき大阪弁を使っていたり,ミュージシャン出身であったりということで町田康さんと比較されることがあって,もしかしたら体言止めを多用するあたりがそう見られるかもしれませんが,自分自身は似ているとはあまり思わなかったんです むしろ句点が極端に少なかったりするのは,樋口一葉の影響なのではないかと感じました

「評論家の石川忠司さんに,川上未映子の文章にマルが極端に少ないのは,完結して終わらせたくない絶対保留への意思である,といったことを書かれたのですが,あ,そういう側面もあるかもしれない,と率直に納得してしまいました.ひたすら読点でつないでいって,句点が全然ないから,どこで終わらせたらいいのかわからない.でも,私たちの会話に『.』って,実際にあまりないんですよねえ

これで川上未映子の文章の原点は樋口一葉にあったことが分かりました

6人の中で,とくに内容が面白いと思ったのは生物学者・福岡伸一さんとの対話です

福岡:「生きているとは”動的な平衡状態”を保っていること.人間を含めすべての動物は,臓器→細胞→タンパク質→アミノ酸という風に分解していくと,最終的にはみな分子の連なりということになります しかも分子は自ら分解され,再構築されるというサイクルを繰り返すことで,どんどん入れ替わっている.川上さんだって,半年や一年経てば,体の中身はすっかり入れ替わって別人になっている

川上:「じゃあ半年前に約束した締め切りは,別の分子構造が約束したことなのでなかったことにできますかね」(笑)

福岡:「分子が入れ替わっているのに見かけ上同じに見えるのは,生命体に秩序=平衡状態を回復しようとするメカニズムがあるからです.そこが石や金属といった無生物との違いですね

それぞれ専門分野が異なる6人と対等に対話できる川上未映子さんは凄いと思います 彼女は歌手だったことから,歌のリズムが体に染みついていて,それが右脳を刺激して文章に反映するのかもしれないな,とも思いました.それにしても,この本の対話を読んだ後でも「わたくし率 IN 歯ー,または世界」の”率”と”歯ー”の意味が未だによく分かりません.文学的センスがないからでしょうね

 

          

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする