12日(木)。東京交響楽団は公式サイトで、「2025年9月1日付で第1コンサートマスターとして景山昌太郎を迎えることになった」と発表しました 景山氏は東京藝大を首席で卒業。2011年に渡独。マクデブルク歌劇場オーケストラの副首席奏者を経て、2013年から2025年までハーゲン歌劇場オーケストラ第1コンサートマスターを務めました
これにより、9月からは小林壱成、グレブ・ニキティンとの3名体制でコンサート活動を展開するとしています
なお、景山昌太郎氏は 東響から読響に移籍した景山梨乃さん(ハープ)の兄上とのことです
ということで、わが家に来てから今日で3803日目を迎え、米連邦議会で調整中の大型減税・歳出法案に盛り込まれた新生児向けの投資口座の創設案が金融界の注目を集めているが、これは米政府が口座に1000ドル(約14.5万円)を出し、保護者らの上乗せ拠出も認めて米株指数連動ファンドで運用するもので「トランプ口座」と名付けられている というニュースを見て感想を述べるモコタロです
税金のバラマキで トランプの名前をレガシーとして後世に残したいのがミエミエ
諸般の事情により、昨日の夕食作りはお休みしました
昨夕、サントリーホール「ブルーローズ」でシューマン・クァルテットによるベートーヴェン「弦楽四重奏曲第1番、第7番、第16番」を聴きました これはサントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン(室内楽の庭)の目玉公演「ベートーヴェン・サイクル(ベートーヴェン弦楽四重奏曲全曲)Ⅰ ~ Ⅵ」の第1日目公演として開催されたものです
この日の3曲は出版番号順で最初と最後の曲と真ん中の曲、時代区分でいえば初期、中期、後期から1曲ずつ選ばれています
「ベートーヴェン・サイクル」は2011年のパシフィカ・クァルテット(アメリカ)から始まり、コロナ禍で中止となった2020年以外は、毎年異なる弦楽四重奏団により演奏されてきました 個人的には第1回目のパシフィカ・クァルテットの演奏が最も強く印象に残っています
今回の「シューマン・クァルテット」は2007年にドイツのケルンで結成され、ボルドー国際弦楽四重奏コンクール他で優勝しています ヴァイオリン=エリック・シューマン、ケン・シューマン、ヴィオラ=ファイト・ヘルテンシュタイン、チェロ=マーク・シューマンの4人で構成されています
このうち3人はヴァイオリニストの父と日本人の母から生まれた3兄弟です
1曲目はベートーヴェン「弦楽四重奏曲第1番 へ長調 作品18-1」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770ー1827)が1798年から1800年にかけてウィーンで作曲した6曲の「弦楽四重奏曲作品18」のうち2番目に作曲された作品(出版の関係で第1番となっている)です
「作品18」の作曲順は第3、第1、第2、第5、第6、第4番です
第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アダージョ・アッフェトゥオーソ・エド・アパッショナート」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ・モルト」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります
4人が登場し、配置に着きます 左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラの並びで、シューマン3兄弟が隣り合わせで並ぶ形です
4人ともタブレット(電子楽譜)を見ながら演奏します
第1楽章から軽快な演奏が続きますが、4人による対話を聴いているような感じがしました 第2楽章はシェイクスピア「ロメオとジュリエット」のラスト・墓地のシーンから着想を得たと言われていますが、悲しみを湛えた音楽です
しかし、続く第3楽章、第4楽章は何事もなかったかのように明るい音楽が奏でられます
ハイドン的と言えばよいのだろうか
2曲目は「弦楽四重奏曲第7番 ヘ長調 作品59-1 ”ラスモフスキー第1番”」です この曲はウィーン駐在ロシア大使アンドレイ・ラズモフスキー伯爵の依頼により1805年から06年にかけて作曲された「作品59」の3曲のうちの1曲です
第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アレグレット・ヴィヴァーチェ・エ・センプレ・スケルツァンド」、第3楽章「アダージョ・モルト・エ・メスト」、第4楽章「ロシアの主題:アレグロ」の4楽章から成ります
第1楽章が阿吽の呼吸で開始されますが、かなりテンポが速く軽快に飛ばします これが現代的な演奏スタイルなのでしょう
この曲を聴いていつも素晴らしいと思うのは第3楽章です
神に対する敬虔な祈りを感じさせます
休憩後は最後の弦楽四重奏曲であるとともにベートーヴェンが完成させた最後の作品でもある「弦楽四重奏曲第16番ヘ長調作品135」です この曲は1826年10月にウィーンで完成し、作曲者の死後の1828年3月23日にウィーンでシュパンツィク四重奏団により初演されました
第1楽章「アレグレット」、第2楽章「ヴィヴァーチェ」、第3楽章「レント・アッサイ、カンタンテ・エ・トランクイッロ」、第4楽章「ようやくついた決心:グラーヴェ、マ・ノン・トロッポ・トラット ~ アレグロ」の4楽章から成ります
正直言って、前半はそれほど並外れた演奏だとは思いませんでしたが、後半の16番は素晴らしい演奏でした 第1楽章は親しい友人同士の会話のようだし、何より素晴らしかったのは第3楽章です
ベートーヴェンはやっぱり緩徐楽章が一番素晴らしいということを、あらためて認識しました
ところで、音楽評論家の飯尾洋一氏が「プログラム・ノート」に、「第3楽章の主題は後世にマーラーの交響曲第3番の終楽章として転生している」と書いてます
耳を傾けて良く聴いてみると、確かにこの第3楽章冒頭のテーマを長く伸ばしてゆっくり演奏すると、マーラーの第3交響曲の第6楽章のテーマになります
私はこれまで、この楽章についてこのような解説を読んだことがないので、とても参考になりました
「プログラム・ノート」を執筆する音楽評論家には、こうした”知られざる知識”を提供してほしいと思います
話を戻します 第4楽章は冒頭に「そうあるべきか?」「そうあるべき」という謎の問答が記されています
これについては、深遠な哲理を示すという説と、軽い問答に過ぎないとする2つの説があります
この曲の明るくユーモアを感じる終わり方を聴く限り、どうも日常的な軽い問答に過ぎないのではないかと思いますが、答えはベートーヴェンしか分かりません
満場の拍手のなかカーテンコールが繰り返されました 第1ヴァイオリンのエリック・シューマンが流ちょうな日本語で、「ベートーヴェン・サイクルなのでアンコールもベートーヴェンです
明日演奏する『第2番 作品18-2』から第3楽章『スケルツォ』を演奏します
明日も是非聴きに来てください
」と ちゃっかり宣伝をして、4人で軽快な演奏を披露し、再び満場の拍手を浴びました
私が次にシューマン・クァルテットの「ベートーヴェン・サイクル」を聴くのは15日(日)の「サイクル Ⅳ」の第4番、第11番、第14番です
今日はサントリーホールにNHK交響楽団6月度Bプロ定期公演を聴きに行きます
そうだったんですか! 全然知りませんでした。参考になりました。
これからもいろいろとお教えいただければ嬉しいです