人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

歌野晶午著「ずっとあなたが好きでした」を読む~読後「してやられた!」と嘆息すること必至の傑作短編集

2018年01月25日 07時56分27秒 | 日記

25日(木)。気象情報によると、日本の5500メートルと1500メートル上空に強い寒気が流れ込んでいることから、今日は 全国的に記録的な寒さになるようです こういう日はベートーヴェンの「第九」の第4楽章を歌ってはいけません 「歓喜の歌」でこれ以上 寒気を呼ばないで さむっ

ということで、わが家に来てから今日で1212日目を迎え、ロシア疑惑を捜査するマラー特別検察官がセッションズ司法長官を聴取したことについて、トランプ大統領は「全く懸念もしていない」と記者団に述べた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      「全く懸念もしていない」とか言ってるけど 本音は恐ロシアと思ってんじゃね?

 

                     

 

昨日の夕食はすき焼きにしました わが家は子供たちが肉大好き人間なので、どうしても肉料理が多くなりがちです でも すき焼きなら白菜、エノキダケ、シイタケ、長ネギ、糸こんにゃくを入れ、焼豆腐も入れるので栄養のバランスは十分とれます

 

      

 

                     

 

歌野晶午著「ずっとあなたが好きでした」(文春文庫)を読み終わりました 歌野晶午は1961年千葉県生まれ。1988年に「長い家の殺人」でデビュー。2003年刊行の「葉桜の季節に君を想うということ」で第57回日本推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞を受賞しています

 

     

 

この本は2013年4月~2014年9月の間に別冊文芸春秋ほかに発表された11の短編に 書き下ろし作品2編を加え2014年10月に単行本としてまとめたものを、2017年12月に文庫化したものです

「ずっとあなたが好きでした」「黄泉路より」「遠い初恋」「別れの刃」「ドレスと留袖」「マドンナと王子のキューピッド」「まどろみ」「幻の女」「匿名で恋をして」「舞姫」「女!」「錦の袋はタイムカプセル」「散る花、咲く花」の13編から成ります 共通点は恋愛が描かれているということです

そもそも歌野晶午氏の作品を読もうと思ったのは、前回読んだ「葉桜の季節に君を想うということ」の最後の1行で「してやられた!」と思ったからです

この文庫本の最初に登場する短編「ずっとあなたが好きでした」を読んで、再び「してやられた!」と感嘆しました 主人公は中学3年生の大和ですが、アルバイト先で女子高生に惹かれ、一緒にランチをするのを楽しみにしていたのに、上司が二人を引き離そうとする 上司も彼女のことが好きだからに違いない、と大和は推測する。いじめとしか思えない仕打ちに 我慢できなくなった大和は最後に上司を問い詰め 罵倒する すると上司はハンカチで額の汗をぬぐって ひと言 つぶやく。その ひと言で世界がひっくり返る 音楽で言えばラヴェルの「ボレロ」の最後のどんでん返し

その意味では森鴎外の名作「舞姫」のタイトルをパクった作品も最後の1行が強烈です 主人公がフランス人の女性と結婚して日本に連れ帰り、母親に紹介するのですが、その母親のひと言で世界がひっくり返る 両作品とも、人が常識と考えていることを逆手にとって見事に肩すかしを食らわせます

13作すべてをご紹介する訳にもいかないのでこの辺にしておきます 最後に一つだけ付言しておきます

実はこれらの作品はそれぞれ別々の年齢・生活環境にある主人公の恋愛事情が描かれているのですが、全編を読んだ後、再び「してやられた!」と感嘆することになります その理由と本書の仕掛けの分析は巻末に寄せられた大矢博子さんの「必ず本編を読み終わってから読んでほしい解説」で紐解かれています その解説の1ページ目の最後の行に「次ページから先は完全に仕掛けをばらすので、くれぐれも本文読了後にお読みください。未読の人はここまでですよ!」と書かれています  私はこの忠告を忠実に守って読みましたが、その方がミステリーの醍醐味を味わえます 文庫本で669ページの大作ですが、読み始めたら止まらない面白さです。お薦めします

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