人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ピエール・ルメートル原作 アルベール・デュポンテル監督「天国でまた会おう」を観る ~ 観てから読むか、読んでから観るか? / 新日本フィル2019-2020シーズン会員継続案内届く

2019年03月18日 07時18分34秒 | 日記

18日(月)。新聞報道によると、福岡県警は 人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のキャラクターをイメージしたコスプレをして空き巣に入ったとして、福岡県飯塚市の無職F容疑者を窃盗などの疑いで現行犯逮捕し送検したが、本人は容疑を認め「コスプレすると泥棒したくなる」と話しているとのこと   一昔前はコソ泥と呼ばれましたが、今回のケースはコス泥と呼びたいと思います   皆さん、よろしかったでしょうか

 

         

 

新日本フィルから「2019‐2020シーズン定期演奏会」継続案内が届きました 現在 私はサントリーホールを会場とする「ジェイド」の会員ですが、トパーズ(トリフォニー・シリーズ)とルビー(アフタヌーン・シリーズ)を含めた3コースのラインアップを比較してコースを選択しようと思います その際、新年度のシーズンが同じ9月から始まるN響の日程・コースと照らし合わせて選択しなければなりません N響からは まだ新シーズンの継続案内が届いていませんが、日程とプログラム一覧は公開されているので、それを参考にしながら慎重に検討したいと思います

 

     

 

私が新日本フィルの新シーズンで注目しているのは、シューベルトの交響曲(全7曲)を3つのコースで分担して演奏することです 「ルビー」では第1番、第2番、第3番、第5番、第8番(グレイト)を、トパーズでは第6番、第7番(未完成)を、「ジェイド」では第4番をそれぞれ取り上げます 私にとっては東京交響楽団(2008-2009年シーズン)でユベール・スダーンが振ったシューベルトの交響曲全集が忘れられない名演奏だったので、新日本フィルにも大きな期待を寄せています したがって、最有力候補はトリフォニーホールで演奏される「ルビー(アフタヌーン・シリーズ)」です このコースは金曜と土曜が選択できるのもメリットです さらに、このコースでは大好きなアンヌ・ケフェレックが上岡敏之の指揮でベートーヴェン「ピアノ協奏曲第1番」を演奏するので、もう決まったようなものです

 

     

 

         

 

昨日、TOHOシネマズ  シャンテで「天国でまた会おう」を観ました これはアルベール・デュポンテルがピエール・ルメートル原作の同名小説を2017年に映画化した作品(フランス・117分)です 原作はハヤカワ文庫から上・下巻として出ています。ピエール・ルメートルは1951年パリ生まれ。2006年に「悲しみのイレーヌ」でデビュー、2011年に発表した「その女アレックス」はリーヴル・ド・ポッシュ読者大賞、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガ-賞を受賞、さらに2013年に発表した本書はフランスで最も権威ある文学賞ゴンクール賞を受賞しています

時は1918年11月、第一次世界大戦の休戦が近いと噂されていた対ドイツ戦線。上官ブラデルは最後の手柄を立てようと部下を犠牲にして自分だけ生き残ろうと画策、味方の背中を撃って兵士たちの闘争心を煽り立てようとするが、その現場を部下のアルベールに見られてしまう そこでブラデルはアルベールを生き埋めにしてしまう しかし、年下の青年エドゥアールに救い出され かろうじて命拾いする しかし、助けた側のエドゥアールは爆撃の余波で顔の半分を失い、モルヒネがなければ生きていけない身体になってしまう アルベールは命の恩人エドゥアールのためにモルヒネを求めて東奔西走する。父親に反感を持つエドゥアールが家に帰りたくないと言うので、アルベールは彼が戦死したものとして家族に手紙を書く 一方、抜け目のないブラデルはエドゥアールの姉マドレーヌに接近し結婚に漕ぎつけるが、そんなことを弟のエドゥアールが知る由もない エドゥアールは美術の才能を生かし、復員兵に冷たい戦後のフランス社会に復讐するため、あるアイディアをアルベールに打ち明ける。それは、戦没者追悼記念碑詐欺作戦だった 戦争で亡くなった兵士たちを追悼するための記念碑を製作・販売すると宣伝して、実際には記念碑は製作せず カタログのみを作成し申し込みを受け付け、銀行に振り込まれたお金を持って海外に逃亡するという大胆なものだった 一方、抜け目のない悪漢ブラデルは、前線に埋葬されている兵士の遺体を掘り起こし、戦没者追悼墓地に収容するという国の仕事を落札する しかし、経費節減のためサイズを縮小した棺桶、無能で貪欲な作業員、フランス語を理解できない外国人労働者たちなどが原因で、埋葬者リスト通りに遺体が指定の棺桶に納められない事態となり、ブラデルは責任を追及され追い詰められる

 

     

 

私は最初に原作を読んでから映画を観ましたが、原作と違い、映画の冒頭はアルベールがどこかの国の警察署のような一室で尋問されているシーンから始まります つまり この映画は、アルベールがこれまでに起こった一連の出来事を回想する形で進められていくのです  原作と違うと思われるところが何カ所かありましたが、大きな相違点は次の2点です

1点目はブラデルの死に方です。原作では、ブラデルはエドゥアールの姉マドレーヌから離婚された後、刑務所暮らしをし、出所後に独り寂しく死んでいくように書かれています 一方 映画では、アルベールにピストルを突き付けられて後ずさりしたブラデルが、誤って大量の大豆の中に蟻地獄のように吸い込まれて埋没していく姿が描かれます つまり、戦場でブラデルに生き埋めにされたアルベールが同じような方法で復讐を遂げたように描いています

大きな相違点の2点目は、ラスト・シーンです 冒頭のシーンで尋問していた警察官はアルベールの語る一連の顛末を聞いた後、アルベールを拘束していた手錠の鍵と部屋の鍵を卓上に置き、「私はうっかり鍵を置き忘れて席を外したことにする」と言ってアルベールが自由に逃亡できるようにします。「なぜ?」と訊くアルベールに 警察官は写真立てを裏返します。そこには、対ドイツ戦線でブラデルから背中を撃たれて死亡した青年が その警察官と一緒に写っていました。「私の息子です」と言い残して彼は外に出ていきます   このシーンは原作にない映画オリジナルの魅せる場面です

さて、映画を観て最初に思ったのは、アルベールは原作のイメージから離れていて 歳を取り過ぎではないか、ということでした 後で調べたら、演じているのはアルベール・デュポンテル監督自身であることが分かりました 同じアルベールなので親近感を感じたのでしょうか ちょっと残念だったのは、音楽です 原作者のピエール・ルメートルは相当のクラシック好きで、原作にもヴェルディ「アイーダ」の凱旋行進曲やモーツアルト「クラリネット協奏曲」などが出てきます 個人的にはこうした音楽をどこかで使って欲しかったと思います

さて、あなたは観てから読みますか? それとも読んでから観ますか

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「東京・春・音楽祭2019」始... | トップ | 新日本フィル「NJP特典コンサ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事