人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

矢部太郎著「大家さんと僕」を読む ~ 「カラテカ」の矢部さんと87歳のおばあさんの笑いとペーソスに満ちたエピソード:手塚治虫文化賞短編賞受賞作

2024年08月17日 00時01分02秒 | 日記

17日(土)。わが家に来てから今日で3504日目を迎え、米共和党のトランプ前大統領が15日、大統領選に向けた記者会見をニュージャージー州で開き、民主党のハリス副大統領への執拗な個人攻撃を続け、「私には彼女を個人攻撃する権利がある」と主張した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     個人攻撃は権利だという言葉は トランプの強権性と卑しい人間性をよく表している

         

昨日、夕食に隔週金曜日のローテにより「鶏の唐揚げ」を作り、いただきものの牛肉をしゃぶしゃぶにして、枝豆を茹でて一緒に食べました 唐揚げは息子にも好評でした 整骨院の院長からは「お酒はダメですよ」と言われていますが、3人揃ったし唐揚げにはビールなので例外扱いで飲みました

     

         

矢部太郎著「大家さんと僕」(新潮文庫)を読み終わりました 矢部太郎は1977年東京生まれ。芸人・漫画家。97年に「カラテカ」を結成。2018年、初めて描いた漫画「大家さんと僕」で手塚治虫文化賞短編賞を受賞 舞台やドラマ、映画で俳優としても活躍中

     

本書は2017年10月に新潮社から刊行され、2024年7月に文庫化されたものです

お笑い番組、というかテレビはニュース以外はほとんど観ないので、「カラテカ」の矢部さんを見ることはほとんどありません テレビで1,2回見たような気がしますが、何となくおとなしそうで 気が弱そうで お笑いには向いていないのではないか・・・と思ったような気がします ところが、この漫画を読んで初めて面白い人なんだなと思いました

本書の扉に「大家さん」と「矢部太郎」のプロフィールが出ています それによると、「大家さん」は東京生まれ東京育ち。矢部太郎の大家さん。とても上品な物腰で、挨拶は「ごきげんよう」。矢部との「二人暮らし」が楽しくて寿命が延びたそう。好きなものは伊勢丹とNHKと羽生結弦くん 一方「矢部太郎」は東京生まれ東京育ち。お笑い芸人。8年前から大家さんの家の2階に間借りしている。テレビのバラエティでうまく喋れないのが悩み。同世代の女性より、大家さんの方が話が合うーとのことです その上で、「この物語はフィクションです。起きた出来事をもとにしているものの、ノンフィクションではないので、当然、僕の視点で創作・脚色を加えています。漫画のなかで表現した大家さんは、『僕自身が接し、話し、見ていた大家さんからイメージして作り上げたキャラクター』で、モデルとなった大家さんと『漫画の大家さん』とは違います」と断りを入れています

「大家さん」は87歳のおばあさんなのですが、とてもチャーミングです 矢部さんが、いつもお世話になっているお礼に薔薇模様のパジャマをプレゼントすると、「次のお出かけに着ていくわ」と言うので、「どこか行く予定はあるんですか?」と聞くと「三途の川よ~」と言って矢部さんを焦らせます また、後輩と話している最中に大家さんから電話がかかってきて、お茶の約束をすると後輩から「彼女?」と訊かれ、「いや、相手はおばあちゃんだから」と話すと、それを電話で聞いていた大家さんが後で、「私のこと『おばあさん』って言ってましたね。忘れませんから・・・」と恨んだりします 極めつけは大家さんからのバースデ・ケーキです 大家さんが「はぴいばすでい とぅ やあべさあん」と言ってケーキでお祝いしてくれたのですが、大家さんのケーキはおはぎで、刺さっているロウソクは仏壇用でしたーこれには声を出して笑ってしまいました

どこか頼りなげだが心優しい矢部さんと、ユーモア時々シニカルな大家さんのコンビだからこそ、笑いとペーソスに満ちたエピソードが絶えないのだと思います 気軽に読める漫画の文庫本です。お薦めします


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