4日(金)。わが家に来てから今日で3552日目を迎え、ロシア外務省のザハロワ情報局長は2日の記者会見で、ロシア軍の哨戒機が9月23日に北海道の北方に領空侵犯したとの日本側の発表について、「日本が主張する情報の根拠を確認できない」と述べ、領空侵犯を否定した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
唯我独尊・傍若無人のプーチン・ロシアにどう対応する 石破さん! 日本は大丈夫?
昨日、夕食に「鶏の山賊焼き」と「シメジの味噌汁」を作りました 野菜類はお皿に乗せて洗い物を少なくしました
昨夜、東京オペラシティコンサートホールで東京シティ・フィル「第373回定期演奏会」を聴きました プログラムはスメタナ:連作交響詩「わが祖国」全曲です 指揮は常任指揮者・高関健です
連作交響詩「わが祖国」はスメタナ(1824-1884)が1874年から1879年にかけて作曲した交響詩で、第1曲「ヴィシェフラド(高い城)」、第2曲「ヴルタヴァ(モルダウ)」、第3曲「シャールカ」、第4曲「ボヘミアの森と草原から」、第5曲「ターボル」、第6曲「ブラニーク」の6曲から成ります 第1曲「ヴィシェフラド(高い城)」は1874年に作曲、第2曲「モルダウ」も74年、第3曲「シャールカ」は75年、第4曲「ボヘミアの森と草原から」も75年、第5曲「ターボル」は78年、第6曲「ブラニーク」は79年にそれぞれ作曲、全曲の一括初演は1882年11月5日にプラハで行われました
オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、第2ヴァイオリン、その後ろにコントラバスという対抗配置 ステージ下手にはハープが2台スタンバイします コンマスは特別客演コンマス・荒井英治です
第1曲の「ヴィシェフラド」とはプラハの南、ヴルタヴァ河畔にある城の名前です
冒頭、2台のハープが6曲全体の基本動機を奏でますが、高関はゆったりしたテンポ設定で吟遊詩人の語りを導きます ハープの抒情的な演奏が素晴らしい 高関は間を置かずアタッカで第2曲「モルダウ」に入ります。モルダウはボヘミア地方の中心を流れる川の名前です 冒頭からフルートが素晴らしい演奏を展開します 第1ヴァイオリンが主題を演奏する傍らで、対向に位置する第2ヴァイオリンとチェロが深いウネリを作り、絶妙のアンサンブルを築き上げます ヴァイオリンが左右に分かれる対抗配置の効果が存分に発揮されました 全体を通して、小さな川の流れが徐々に大きくなっていき、村の婚礼の踊りを垣間見ながら流れ、ロマンティックな月の光を映し、突然急流になって流れていき、最後は大河となって雄大に流れていく・・・そういうシーンが目に浮かぶような表情豊かな演奏でした
「モルダウ」が終わると、1階席後方席から「ブラボー」の声がかかりました ごく自然な賞賛の掛け声だったと思います。これはフライング・ブラボーとは違うでしょう
第3曲の「シャールカ」とは、古代チェコの伝説の勇女の名前です 物語は「シャールカは恋人に裏切られて男への復讐を誓う わざと木に縛り付けられているシャールカに、ツィラート率いる兵士たちが近づくが、彼女に魅せられたツィラートはその縛りを解いてやる シャールカは兵士たちを酒で酔わせて眠らせる やがて角笛を合図に隠れていたアマゾネスが襲い掛かり、兵士たちを皆殺しにする」というものです
冒頭の切れ味鋭い弦楽セクションの演奏が冴えています 中盤でシャールカを表すクラリネットとツィラートを表すチェロが対話をしますが、この演奏が素晴らしい そして、兵士たちの宴会が静まった後、ファゴットが兵士のイビキを「ブォー」「ブォー」と奏でますが、「随分大きなイビキだなぁ これならシャールカも安心して兵士たちを皆殺しに出来るな」とほくそ笑んでしまいました この曲の演奏もストーリー性に満ちていて楽しく聴けました
ここで15分の休憩に入りました
第4曲「ボヘミアの森と草原から」の演奏に入ります この曲では、序盤において弱音で速く演奏される第1ヴァイオリン(左)⇒ 第2ヴァイオリン(右) ⇒ ヴィオラ(左) ⇒ チェロ(右)とつながるフーガの演奏が効果的で、これも対抗配置が生かされていると思いました
第5曲の「ターボル」とはボヘミア南部の町の名で、1415年に処刑された宗教改革者フスの意思を継ぐ人々の拠点を表しています 谷あかね率いるホルン・セクションの演奏が素晴らしい ティンパニの打ち込みが音楽に力強さを与えます 弦楽セクションの重心の低い演奏が不屈の精神を表しているかのように響きました
高関は間を置かずアタッカで第6曲「ブラニーク」に入ります ブラニークとはボヘミア中南部の山の名です。愛国の戦士たちが眠り、祖国の危機の際には目を覚まして国を救うという言い伝えがあります オーボエの本多啓佑を中心とする木管楽器群が素晴らしいアンサンブルを繰り広げます オーケストラの総力を挙げての躍動感溢れるスケールの大きな演奏でフィナーレを飾りました
満場の拍手とブラボーの嵐のなか、カーテンコールが繰り返されました 聴きごたえのある素晴らしい演奏でした
全曲を聴き終えて考えたのは、スメタナは1866年初演の「売られた花嫁」で大成功を収めたものの、1874年に聴覚を失ってしまったという事実です 『わが祖国』はその数年前に構想し、1874年から79年にかけて作曲したので、彼は耳が聴こえない状態で全曲を作曲したことになります 聴覚を失ってから作曲ということでは、ベートーヴェンに前例がありますが、常識では考えられません やはり一流の芸術家には独特の能力があると考えざるを得ません
スメタナはブルックナーと同様、今年 生誕200年を迎えました ブルックナーの交響曲が世界中で演奏されているのに比べ、スメタナは地味です その意味でも、前回のブルックナーの「第8番」に次いで、今回スメタナの「わが祖国」を取り上げた高関氏の貢献度は高いと思います