人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

テッド・ブラウン監督「ビバ・マエストロ ~ 指揮者ドゥダメルの挑戦」を観る ~ 祖国ベネズエラで「シモン・ボリバル・ユースオーケストラ」を指揮し、祖国を追われロサンゼルス・フィルで指揮をとる

2024年10月08日 00時09分36秒 | 日記

8日(火)。東京ではここしばらく涼しい日が続いていたのでエアコンは止めていたのですが、昨日は室内でも30度を超えていたので、これではモコタロも救急車 だなと思い、久しぶりにクーラーを点けました 10月7日にクーラーなんて頭がクーラークーラーします(凍る!)

ということで、わが家に来てから今日で3556日目を迎え、ロシアはアフガニスタンで権力を掌握するイスラム主義組織タリバンを「テロ組織」の指定から解除する方針を固めた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     「テロ国家」ロシアが「テロ組織」タリバンの指定を解除する意味はどこにある?

         

昨日、夕食に「豚バラ肉の麻婆茄子」「生野菜とアボカドのサラダ」「山芋の味噌汁」を作りました 麻婆茄子は豆板醤の加減が難しく、私にはちょうど良い辛さなのですが、娘には辛すぎたようです   次回の反省材料にします

     

         

昨日、角川シネマ有楽町でテッド・ブラウン監督による2022年製作アメリカ映画「ビバ・マエストロ ~ 指揮者ドゥダメルの挑戦」(99分)を観ました

     

グスターボ・ドゥダメルは1981年1月26日ベネズエラに生まれ、10代の頃から天才指揮者として名だたる巨匠たちの薫陶を受けてきました 2004年には「第1回 グルタフ・マーラー国際指揮者コンクール」で優勝を飾り、2009年には弱冠28歳で名門ロサンゼルス・フィルの音楽監督に就任しました ベネズエラの若手音楽家から成るシモン・ボリバル・ユースオーケストラを率いた演奏動画でブレイクし、ジャンルを超えた活躍を続けてきました しかし、本作撮影中の2017年、政治的混迷を極めるベネズエラの反政府デモに参加した若き音楽家が殺害された事態を受け、ドゥダメルは現マドゥロ政権への訴えをニューヨーク・タイムズ紙に掲載します 大統領府と対立したことでシモン・ボリバル・ユースオーケストラとの一連のツアーは中止に追い込まれ、祖国に帰ることさえ禁じられてしまいます ドゥダメルは、ベネズエラに残って演奏活動を続ける若者たちと交わした「いつか必ず指揮をしに行く」という約束を胸に、アメリカ各地やドイツなどで新たな挑戦を続けます 本作ではそうしたドゥダメルの姿を、コンサートでの演奏やリハーサル風景を通じて映し出していきます

     

ドゥダメル自身、1975年にホセ・アントニオ・アブレウ博士がベネズエラで創始した音楽教育システム「エル・システマ」でヴァイオリンを習って音楽家としてスタートを切ったことから、映画の中では博士の功績を湛える言葉が語られています

作品の中でリハーサルや本番で演奏されるのは、ベートーヴェン「交響曲第5番」、同「第9番」、プロコフィエフ「ロメオとジュリエット」、ドヴォルザーク「交響曲第9番」、アルトゥール・マルケス「ダンソン第2番」「第9番」、チャイコフスキー「交響曲第4番」などです

「エル・システマ・ユースオーケストラ」は確かライブで一度聴いたことがあるぞ・・・ということで、いろいろと調べてみたら、下のCDに辿り着きました

     

このCDは2013年11月6日の萩原麻未と成田達樹の「デュオ・リサイタル」の際に、すでに購入済のCDに萩原麻未のサインをもらったものです この時のブログを見たら、彼女がその1か月前の10月11日に東京芸術劇場で開かれた「エル・システマ・ユースオーケストラ・オブ・カラカス」来日公演でグリーグ「ピアノ協奏曲 イ短調」を演奏していることが分かりました その日のブログを見ると、プログラムは①ヴェルディ「運命の力」序曲、②グリーグ「ピアノ協奏曲イ短調」、③チャイコフスキー「交響曲第5番」で、指揮はCDと同じ 音楽監督のディートリヒ・パレ―デスでした    今でも思い出すのはアンコールです   オケのメンバーはカラフルなパーカーを羽織り、サン=サーンス「サムソンとデリラ」の「バッカナール」とバーンスタインの「シンフォニック・ダンス」から「マンボ」を、時に楽器を持ち上げて踊りながら、時に楽器をクルクルと回しながら楽しそうに演奏し、聴衆は大きな手拍子で応えました すべてが終わると、彼らはパーカーを脱いで 会場に向けて放り始めました   こんな賑やかなフィナーレを見たのは生まれて初めてでした    詳細については2013年10月12日付toraブログに書きましたので、興味のある方はご覧ください

また、私はドゥダメル指揮による「ロサンゼルスフィル創立100周年記念ツアー」公演を2回聴いています 2019年3月20日(木)と同22日(金)で、20日はユジャ・ワンがソリストを務めたジョン・アダムズの曲とマーラー「交響曲第1番」、22日はマーラー「交響曲第9番」でした

     

     

その年の3月21日付のブログをあらためて読んでみると、「この日のドゥダメルの指揮は、当初私が抱いていたイメージとは異なり、総じて理知的な印象を受けました」と書かれています 私が知っているドゥダメルは、動画で観たアルトゥール・マルケス「ダンソン第2番」や「第9番」を指揮するアグレッシブな指揮者でした   しかし、実際に接したドゥダメルの指揮は大人しく 整然としていて、「あの激しさはどこへ行った」というものでした    後から振り返ってみると、2019年当時は、2017年のベネズエラの政情不安に伴う「シモン・ボリバル・ユースオーケストラ」との一連のコンサートツアー中止、2018年3月の恩師ホセ・アントニオ・アブレウ博士の死、祖国への入国禁止措置などの辛い経験がまだ癒えない時期だったのではないか、と思います

ドゥダメルは2026年からニューヨーク・フィルの音楽監督に就任することが決まっていますが、彼が心の底から安心して指揮活動に専念できるのは、祖国ベネズエラの政情が安定して入国が許され、再び「シモン・ボリバル・ユースオーケストラ」を指揮することが出来るようになった時ではないか、と思います

「すべての花が刈られようとも、春は必ずやってくる」

ドゥダメルが ベネズエラに残った「シモン・ボリバル・ユースオーケストラ」の若者たちに語った言葉が印象的です

     

コメント
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