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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ヘルベルト・ブロムシュテット ✕ NHK交響楽団でオネゲル「交響曲第3番”典礼風”」、ブラームス「交響曲第4番」を聴く ~ 97歳の躍動感あふれる指揮ぶりに感銘を受ける

2024年10月21日 00時02分02秒 | 日記

21日(月)。わが家に来てから今日で3569日目を迎え、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアと北朝鮮が関係を深めていることに危機感を表明してきたが、ウラジオストックの訓練施設で北朝鮮兵が軍服や装備品を受け取る場面の動画が公開された  というニュースを見てシャレをかますモコタロです

     

     スメタナは歌劇「売られた花嫁」、北朝鮮は悲劇「売られた兵士」(変曲 金正恩)

         

昨日、NHKホールで「NHK交響楽団10月度Aプログラム(2日目)」公演を聴きました プログラムは①オネゲル「交響曲第3番 ”典礼風”」、②ブラームス「交響曲第4番 ホ短調 作品98」です   指揮は現在97歳の世界最高齢現役指揮者ヘルベルト・ブロムシュテットです

     

オケは14型で、左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置 ステージ上手にはピアノがスタンバイします コンマスは川崎洋介です   

1曲目はオネゲル「交響曲第3番 ”典礼風”」です   この曲はアルチュール・オネゲル(1892-1955)が1945年から46年にかけて作曲、1946年に8月17日にチューリヒで初演されました  神保夏子さんは「プログラム・ノート」に「オネゲルはこの作品の中で『近年我々を囲み続ける蛮行、愚行、苦難、機械化、官僚制の風潮への近代人の反応』を描こうとしたと述べているが、そうした『蛮行』には当然、ナチスによる占領という壮絶なトラウマをフランスの人々に経験させた直近の戦争も含まれているだろう」と書いています 第1楽章「怒りの日」、第2楽章「深き淵よりわれ汝を呼ぶ」、第3楽章「われらに安らぎを与えたまえ」の3楽章から成ります

ブロムシュテットが川崎に腕を支えられて楽団員とともに入場します 姿を現した途端、会場割れんばかりの拍手とブラボーがブロムシュテットを包み込みました

指揮台上に設置された椅子に座って第1楽章が開始されます 金管が神の怒りのように咆哮し、弦楽器の切れ味鋭い演奏が迫ってきます 第2楽章はホルン ⇒ フルート ⇒ オーボエ ⇒ トランペット ⇒ 弦楽器へと受け継がれる”祈り”のような美しく穏やか音楽が印象的です 特に神田寛明のフルートがよく歌います 第3楽章はピアノとティンパニによるリズミカルな音楽から入りますが、やがてオケ総奏による不協和音のクライマックスが築き上げられ、その後、弦楽器を中心とする穏やかな音楽が展開、終盤ではフルートに次いでピッコロによる”鳥の歌”が現れ、静かに曲を閉じました

素晴らしい指揮、素晴らしい演奏でした 私はこれまで この曲を2,3回ライブで聴きましたが、「なるほどこの曲はこういう曲だったのか」と納得できたのは今回が初めてでした やはり あまり馴染みのない曲は良い演奏で聴かないとその良さが分からない、と実感しました

ブロムシュテットは、入退場時は足元がおぼつかない危うさがありますが、一旦演奏が始まると、指揮をとる両手の動きはスムーズで、とても97歳とは思えない躍動感さえ感じさせる指揮ぶりでした

   

プログラム後半はブラームス「交響曲第4番 ホ短調 作品98」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833-1897)が1884年から85年にかけて作曲、1885年10月25日にブラームス自身の指揮によりマイニンゲンで初演されました 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンテ・モデラート」、第3楽章「アレグロ・ジョコーソ」、第4楽章「アレグロ・エネルジーコ・エ・パッショナート」の4楽章からなります

ブロムシュテットの指揮で第1楽章に入ります ブロムシュテットはやや速めのテンポで演奏を進めます 1曲目にも増して彼の指揮はしなやかで、N響からエモーショナルな演奏を引き出します 第2楽章における寂寥感漂う演奏が素晴らしい 第3楽章は弦楽セクションを中心にエネルギーに満ちた演奏が展開しますが、川崎コンマスに至っては椅子から立ち上がらんばかりの中腰で、「オレについてこい」と言うかのようにオケをグイグイ引っ張っていきます 第4楽章は躍動感あふれるブロムシュテットの指揮に呼応して、オケの面々が全力を傾注して渾身の演奏を展開し、重量感溢れるフィナーレを飾りました

満場の拍手とブラボーが飛び交うなか、ブロムシュテットは歓声に応え、川崎に支えられてステージ袖に引き上げていきました

一時期、日本のクラシック音楽界に「日本の聴衆は、年寄りの指揮者に寛大だからなあ」と揶揄する声が聞かれたことがありました あるいは、今でもあるか しかし、ブロムシュテットに関する限り ただ年齢が97歳の高齢だからというのではなく、その明晰な作品解釈と明快な指揮ぶりにより 楽団員を納得させ、聴衆に感動を与えることが出来るからこそ、日本を含め世界中の人々から支持されているのだと思います

来年10月には再来日し、Aプロ(ストラヴィンスキー & メンデルスゾーン)、Bプロ(グリーグ & ニルセン & シベリウス)、Cプロ(ブラームス2曲)を指揮してくれることを、今から楽しみにしています

     

     

     


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