人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

第70回藝大オペラ定期公演:モーツアルト「フィガロの結婚」を聴く~ 極めてハイレヴェルなオペラ公演 / 「エリーナ・ガランチャ メゾソプラノ リサイタル2025」のチケットを取る

2024年10月07日 00時05分45秒 | 日記

7日(月)。来年6月17日(火)18時半から東京オペラシティコンサートホールで開かれる「エリーナ・ガランチャ メゾソプラノ リサイタル2025」のチケットを取りました WEB受付が本日からなので、一昨日の午前10時からテイト・チケットセンターに電話をかけまくっていたのですが、全然つながらず、昨日午前11時20分頃やっとつながりました 幸いにも1階8列目が取れました

彼女の歌を初めて聴いたのはMETライブビューイングの「カルメン」でした それ以来、彼女に夢中になり、彼女の出演するMETライブの他の演目はもちろんのこと、2022年6月28日には初めて彼女のリサイタル聴きに行きました 当日は すみだトリフォニーホールが満席でした なお、来年のリサイタルのプログラム内容は未定とのことですが、テイトでは決まり次第ホームページで告知するとしています 前回の時は当日プログラム冊子を見て初めて知ったので、今度は事前に知らせてほしいと思います

     

     

ということで、わが家に来てから今日で3555日目を迎え、ウクライナの英字紙キーウ・ポストによると、ロシアが実効支配しているウクライナ東部ドネツク州のドネツク近郊で3日、ウクライナ軍のミサイル攻撃で北朝鮮軍の士官6人を含む20人以上が死亡した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     北朝鮮はやっぱり 粗悪な弾薬だけでなく 栄養不足の兵士をロシアに輸出してたな

         

昨日、東京藝大奏楽堂で第70回藝大オペラ定期公演:モーツアルト「フィガロの結婚」を聴きました 出演はアルマヴィーヴァ伯爵=須田瀧乃、伯爵夫人=北見エリナ、スザンナ=梅澤奈穂、フィガロ=石本高雅、ケルビーノ=水野菜津子、マルチェリーナ=富岡明子、バルトロ&アントニオ=清水宏樹、バジリオ&ドン・クルツィオ=新海康仁、バルバリーナ=白川憂里亜、花嫁1=伊藤心菜、花嫁2=前田梨緒。管弦楽=藝大フィルハーモニア管弦楽団、合唱=東京藝大音楽学部声楽科オペラ実習1履修生、指揮=現田茂夫、演出=久恒秀典です

     

「フィガロの結婚」はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)がボーマルシェの劇に基づくダ・ポンテの台本により1785年から翌86年にかけて作曲、86年にウィーンのブルク劇場で初演されました

フィガロとスザンナは結婚の準備をしているが、アルマヴィーヴァ伯爵がスザンナに目を付けていて、初夜権を復活させようと企んでいる。2人はこれを阻止しようとする(第1幕)

伯爵夫人ロジーナは、夫の愛が冷めてきたことを悲しんでいる フィガロ、スザンナ、伯爵夫人の3人は伯爵を懲らしめる計画を立てる(第2幕)

2人の結婚式が近づく中、伯爵はスザンナをモノにしようとするが、フィガロたちの計略により失敗する フィガロがマルチェリーナの息子であるという出生の秘密が明らかになる(第3幕)

伯爵邸の庭で、スザンナと伯爵夫人が衣装を交換し、伯爵を騙す計画を実行する 最後に伯爵は自分の過ちを認め、伯爵夫人に謝罪する フィガロとスザンナは無事に結ばれ、ハッピーエンドで幕を閉じる(第4幕)

     

最初に結論を書きます。出演した学生(大学院生)は誰もが素晴らしい歌唱力と演技力で、プロの歌手に引けを取らない高レヴェルの実力の持ち主だと思いました 誰もがそれぞれの役柄にピッタリで、”適材適所”を思わせる布陣でした

アルマヴィーヴァ伯爵役の須田瀧乃は堂々たるバリトンで、伯爵らしい威厳と女たらしの狡猾さを併せて示しました

伯爵夫人役の北見エリナは、第2幕冒頭のカヴァティーナ「愛の神よ」、第3幕のレチタティーヴォとアリア「スザンナはまだ来ないわ。あの美しい日々はどこへ」をはじめ、リリカルな美しいソプラノで歌い上げ、聴衆を魅了しました

スザンナ役の梅澤奈穂は、一番出番の多い難役を 美しくも力のあるソプラノと抜群の演技力でこなし、このオペラが本質的に「スザンナの結婚」であることを示しました

フィガロ役の石本高雅(いしもと こうが)は第1幕のアリア「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」をはじめ魅力のあるバスで歌い上げ、演技力も十分でした

ケルビーノ役の水野菜津子は第1幕のアリア「自分で自分がわからない」、第2幕のアリア「恋とはどんなものかしら」をはじめ、美しいメゾソプラノで歌い上げ、存在感を示しました

マルチェリーナ役の富岡明子はコミカルな演技力に優れ、歌唱力も申し分ありませんでした

バルトロ&アントニオ役の清水宏樹は第1幕のアリア「復讐とは」において力強いバスで聴衆を魅了しました

バジリオ&ドン・クルツィオ役の新海康仁は良く通るテノールで、演技力もありました

バルバリーナ役の白川憂里亜は第4幕冒頭のカヴァティーナ「無くしてしまった」で美しいソプラノを披露しました

花嫁役の伊藤心菜と前田梨緒は透明感のあるソプラノで二重唱を歌い上げました

現在、東京藝大音楽学部オペラ研究部長・大学院音楽研究科専攻主任はバッハ・コレギウム・ジャパンのテノール歌手としてお馴染みの櫻田亮が務めているので、彼の統率のもと、藝大の充実したスタッフ陣により厳しい指導が行われているのでしょう 本公演はその成果が現れたと言えると思います

東京藝大音楽学部声楽科オペラ実習1履修生は、第1幕終盤の農民たちの合唱「喜びの娘たちよ」をはじめ、力強く美しいコーラスを聴かせてくれました

東京藝大指揮科客員教授を務める現田茂夫指揮藝大フィルハーモニア管弦楽団は、小気味の良いテンポ設定により、歌手に寄り添いながら登場人物の心情を歌い上げました

ところで、全幕の中で特に楽しく聴けたのは第1幕におけるスザンナとマルチェリーナの小二重唱「さあ、お通りを」です これは、若いスザンナに対抗心を燃やすマルチェリーナがスザンナを挑発して女同士の火花を散らすデュオです スザンナ役の梅澤奈穂とマルチェリーナ役の富岡明子のやり取りに思わず笑ってしまいました

このオペラで「モーツアルトは天才だ」と思うのは第2幕と第4幕のフィナーレです

第2幕フィナーレは、「衣裳室にケルビーノが入っていると思ったらスザンナが入っていて、伯爵も伯爵夫人も唖然とし、伯爵が夫人に謝罪する フィガロがやってきて結婚式の挙行を申し出るが、そこに庭師アントニオが『窓から飛び降りて逃げた男が花壇を壊した』と訴えてくる フィガロは『それは自分だ』と言い張る(本当はケルビーノだった)。すると今度は、マルチェリーナ、バルトロ、バジリオの3人がやってきて、マルチェリーナが『借金帳消しの代わりにフィガロとの結婚を認めるように』と要求して騒動は最高潮に達し、7人によるアンサンブル・フィナーレとなる」という流れですが、なんとこの間、音楽が途切れることなくアリアに次ぐアリア、重唱に次ぐ重唱が続き、最後には7重唱まで拡大して終結するのです ワーグナーの無限旋律ではありませんが、「ノンストップ・モーツアルト」の魅力ここにあり、です

第4幕フィナーレは、フィガロ、スザンナ、伯爵夫人が中心となって伯爵の悪だくみを暴き、最後には伯爵が夫人に許しを請うことで終結しますが、このシーンも音楽は止まらず、だんだん登場人物が増えていき、最後は9重唱に拡大してアンサンブル・フィナーレを迎えます これも「ノンストップ・モーツアルト」の魅力ここにあり、です

久恒秀典の演出・舞台作りはシンプルで、好感が持てました 「モーツアルトのオペラは、余計な演出は必要ない、あくまでも音楽に奉仕するものであるべきだ」というコンセプトに基づく舞台作りだったと思います

この日の公演は、モーツアルトのオペラを聴く喜びをあらためて教えてくれる楽しくレヴェルの高い公演でした 学生・大学院生の皆さんの近い将来が楽しみです ご出演の皆さん、頑張ってください 応援しています

 

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