29日(木)。わが家に来てから今日で3789日目を迎え、トランプ米大統領は27日、自身のSNSでロシアのプーチン大統領について「彼は火遊びをしている」と投稿し、米国が仲介する停戦交渉のさなかにウクライナ各地への大規模攻撃を続けるロシアへの批判トーンを強めた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
プーチンは火遊びだけど トランプは関税で世界の自由経済に水を差して水遊びしてね?
昨日の夕食は、私が「イワシの塩焼き」と「舞茸の味噌汁」を作り、娘が「蒸し豚バラ&小松菜」と「日本酒の熱燗・タタミイワシ入り」を作りました 娘から「魚の向きが反対じゃね?」と言われましたが、「そんなに向きにならなくても」と思うんですが どうでしょうか
昨日、早稲田松竹でルキノ・ヴィスコンティ監督・製作・脚本による1971年公開イタリア・フランス合作映画「ベニスに死す」(131分)を観ました 早稲田松竹は久しぶりで、今年初めてかもしれません
これまで長い間 2本立てでシニア900円でしたが、今回は1200円に値上がりしていました
今回は「ブリキの太鼓」と2本立てでしたが、腰痛悪化防止のため「ベニスに死す」1本だけ観ました
この映画はこれまで何度か観ましたが、忘れているシーンも少なくありませんでした
1911年。ドイツの名だたる作曲家グスタフ・アシェンバッハ(ダーク・ボガード)は、休暇で水の都ベニスのリド島を訪れる ホテルのロビーには世界各国からの観光客が集まっていたが、アシェンバッハは 母親の隣に座る金髪碧眼の少年タジオ(ビョルン・アンドレセン)に目を奪われる
透き通るような美貌としなやかな肢体、まるでギリシャの彫像を思わせる少年の姿に心は震え、その時からアシェンバッハはタジオの虜となる
その頃 街中に白い消毒液が撒かれていたが、地元の住人は予防のためだとして疫病の流行を否定する
しかし、実はベニスではコレラが流行っていた
アシェンバッハは手荷物のトラブルで帰国が遅れたため コレラに罹り、海岸でタジオの姿を見ながら絶命する
本作はトーマス・マンの同名小説をもとに、ロマン派の作曲家グスタフ・マーラー(1860ー1911)をモデルに描いた不朽の名作です 全編を通して流れるのはマーラー「交響曲第5番」の第4楽章「アダージェット」です
弦楽合奏とハープだけで演奏されるロマンティシズムの極致を行く音楽です
この映画の中で「アダージェット」が流れるのは次の5つのシーンです
①タイトルバックと、アシェンバッハを乗せた蒸気船がベニスに向かうオープニングシーン。
②心臓発作で倒れたアシェンバッハの傍らで、友人アルフリートが「アダージェット」をピアノで弾く回想シーン。
③ベニスのリド島をいったん離れることを決意し、ベニス駅に向かったアシェンバッハが手荷物のトラブルから再びリドに引き返すシーンと、アシェンバッハが妻と娘の幸福な日々を回想するシーン。
④アシェンバッハと妻が幼い娘の死に打ちひしがれる回想シーンと、理髪店で髪を染めたアシェンバッハが、タジオの姿を求めてベニスを徘徊するシーン。
⑤リドの海岸でタジオの姿を目にしながらアシェンバッハが絶命するエンディングとエンドロール。
上記のシーンで流れる「アダージェット」はアシェンバッハの苦悩と歓喜、恍惚と絶望を見事に謳い上げていると同時に、彼の死と結びついていることが窺えます
本作で使用されているマーラーの曲は「アダージェット」だけではありません 大広間でアシェンバッハがタジオを見るシーンでは「交響曲第3番 ニ短調」の第4楽章「極めてゆるやかに(神秘的に ~ 一貫してピアニッシモで)」が流れていました
アルトによってニーチェの「ツァラトゥストラはこう語った」の「夜の歌」(おお人間よ!注意せよ!~)が歌われます
本作ではマーラー以外の曲も使用されています アシェンバッハが、宿泊するリドのホテルのロビーに入った時に流れていたのはフランツ・レハール(1870-1946)のワルツ「金と銀」です
また、大広間でアシェンバッハが寛いでいるシーンで流れていたのはレハールのオペレッタ「メリー・ウィドウ」の「ワルツ」と「ヴィリアの歌」です
このほか、タジオがベートーヴェン「エリーゼのために」を弾くシーンもありました
以上のことを含めて、これほど映像と音楽が見事に融合した作品は稀でしょう ヴィスコンティ監督の音楽センスの良さを感じます
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