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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「伊福部昭 総進撃 キング伊福部まつりの夕べ」を聴く ~ ピアノ小品、パイプオルガンによる「SFファンタジー第1番」、オーケストラによる「交響譚詩」「シンフォニア・タプカーラ」ほか

2025年05月27日 01時03分34秒 | 日記

27日(火)。豊島区から例年の「がん検診」と「特定健診」の案内が来ていたので、とりあえずWEBサイトから6月下旬の「肺がん検診」と「胃がん検診」を申し込んでおきました 「胃がん検診」は昨年内視鏡検査をやったので、今年はバリウムによるX線検査です 「大腸がん検診」は行きつけのクリニックで検査ユニットをもらって任意にやればよいし、「特定健診(一般の健康診断)」は同じクリニックでいつでもできるので、いずれ受診しようと思います このほか、今回初めて「帯状疱疹ワクチン定期予防接種」の案内が届きました これについてはこれまで罹患したことがないし、有料(生ワクチン3000円または不活化ワクチン11,000円)なのでパスすることにしました

ということで、わが家に来てから今日で3787日目を迎え、ウクライナのイワシチェンコ対外情報局長官は、中国がロシアの軍需企業に対し、火薬や部品のほか 武器製造に必要な薬品、工作機械を供給しているのを確認したと述べた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

トランプ独裁政権の横暴ぶりを批判する陰で プーチン強盗殺人政権を支えている中国は ワルよのう

         

昨日、夕食に「ビーフカレー」と「生野菜とモッツアレラチーズのサラダ」を作りました 今回ビーフは切り落としを使いましたが、美味しく出来ました

         

昨夜、東京オペラシティコンサートホールで「伊福部昭 総進撃 キング伊福部まつりの夕べ」を聴きました これは「伊福部昭生誕110年・ゴジラ生誕70年」を記念して開かれたコンサートです 3部構成となっており、第1部は①子どものためのリズム遊び(抜粋)、②ピアノ組曲(以上ピアノ=松田華音)、③SFファンタジー第1番(和田薫編曲パイプオルガン版):オルガン=石丸由佳。第2部は①SFファンタジー第1番、②SFファンタジー第2番、③SFファンタジー第3番(以上和田薫指揮東京フィル)。第3部は①交響譚詩、②シンフォニア・タプカーラ(以上本名徹次指揮東京フィル)となっています

伊福部昭(いふくべ あきら)は1914年5月31日、北海道釧路町で生まれる。北海道大学農学部在学中から演奏活動を行う   1935年に初の管弦楽曲「日本狂詩曲」がパリで開催された「チェレプニン賞」第1席を受賞し国際的な注目を集める    1946年に東京音楽学校(現・東京藝大音楽学部)に講師として就任。1974年に東京音楽大学に教授として招かれ、1976年から87年まで同大学学長を務めた 門下生に芥川也寸志、黛敏郎、松村禎三、矢代秋雄、石井眞木らがいる オーケストラ作品のほか、「ゴジラ」をはじめ映画音楽を数多く作曲、その数は300本とも言われている

開演30分前にロビーに入ると、記念グッズ売り場に長蛇の列ができていました CDやらLPやらTシャツやらトートバックやらが売られています 「これはイカン。見たら買ってしまう」と自分に言い聞かせ、売り場を素通りして会場に入りました

自席は1階13列9番、左ブロック右から2つ目です 会場内を見渡すと圧倒的に男性客が多く、女性は1割くらいしかいないのではないかと思いました いかに男性に「ゴジラ」の伊福部ファンが多いかということです

田添菜穂子さんの司会で公演が開始されました   ステージ上にはグランドピアノが中央に置かれています

ピアノ独奏の松田華音は6歳でロシアに留学、グネーシン中等(高等)学校で研鑽を積み、モスクワ音楽院を首席で卒業、同大学院を修了 内外のオーケストラと共演を重ねています 私が松田のピアノを聴くのは今年4回目です

赤の勝負衣装で登場した松田がピアノに対峙します

最初に「子どものためのリズム遊び」(1949年)から①運動行進曲、②楽しい学校、③場所とり鬼を演奏、次いでピアノ組曲(1933年)=①盆踊、②七夕、③演伶(ながし)、④佞武多(ねぶた)をリズミカルに演奏、満場の拍手を浴びました

次にパイプオルガンによる「SFファンタジー第1番」の演奏に入ります

パイプオルガンの石丸由佳は東京藝大大学院、デンマーク王立音楽院、ドイツ国立シュトゥットガルト音楽大学修了 2024年4月より所沢市民文化センターミューズ第5代ホールオルガニストを務める

黒を基調とする金の模様入り衣装を身に着けた石丸が2階正面のパイプオルガンの椅子に座り 演奏に入ります    足の操作による重低音が巨大なゴジラの登場を宣言します    中盤では、まるでゴジラが口から火を吐いているような迫力のある重低音が演奏され、圧倒されました    石丸は様々な音色とダイナミックレンジの広い大迫力の演奏によってゴジラの快進撃を表現しました

ここで休憩時間に入りますが、田添さんによる2人へのインタビューが行われました    松田へのインタビューで初めて知ったのは、彼女がモスクワ大学大学院の修了論文のテーマが伊福部昭の音楽だったということです    これを聞いて私は彼女に親近感を覚えると同時にピアニストとして見直しました    一方、石丸へのインタビューでは、「ゴジラとパイプオルガンとの共通点は、巨大であることくらいしか思いい浮かびません」と語って笑いを取り、「曲を聴いて土の香りを感じました パイプオルガンは風によって音を出すので、土と風との相性の良さを感じました」と語りました

続いて第2部に入ります 和田薫の指揮により①SFファンタジー第1番、②SFファンタジー第2番、③SFファンタジー第3番が演奏されます

オケは12型で 左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置をとります コンマスは客演奏者と思われます

指揮を執る和田薫は東京音楽大学で作曲を伊福部昭に師事、オーケストラを中心とした作品を発表するとともに、アニメ音楽など幅広い分野で活躍しています

和田の指揮で演奏に入りますが、第1番~第3番の内容は上のチラシに記載の通りで、伊福部作品のエッセンスをメドレーにように繋いで演奏していきます 伊福部特有のリズム重視の土俗的エネルギーと抒情性に満ちた音楽が次から次へと繰り広げられます 伊福部昭のDNAが詰まった音楽のオンパレードといったところです ただ、金管楽器の咆哮が木管や弦楽器の音を消し去ってしまうキライがあって、バランスが難しいと思いました    ただ、この手の音楽はそれでよいのかもしれません

東京フィルのゴージャスなサウンドが堪能できました

ここで、2人の指揮者に対するインタビューがありました 本名氏は、「伊福部先生が亡くなった翌日にお宅を訪問した際に、奥様から先生が生前吸っていたダンヒル(タバコ)がたくさん余っているから、好きなだけ持って行ってよいと言われたので、持ち帰り ベトナムのオケの人たちに分けた    一つだけ封を切らないままのダンヒルがあったので、今日は持参した    胸のポケットに入れてお守りとして指揮をしたい」と語りました

休憩時間に昨年末に指揮者を引退した井上道義氏を廊下で発見しました 彼の伊福部昭も良かったな、と過去の演奏を思い出しました

次いで第3部(①交響譚詩、②シンフォニア・タプカーラ)の演奏に入ります

指揮を執る本名徹次は東京国際音楽コンクール最高位、トスカニーニ国際指揮者コンクール第2位、ブダベスト国際指揮者コンクール第1位などの受賞歴を誇る 2009年よりベトナム国立交響楽団音楽監督兼首席指揮者を務める

最初の「交響譚詩」は1943年に作曲された曲で、第1楽章「アレグロ・カプリチオーソ」、第2楽章「アンダンテ・ラプソディコ」の2楽章から成ります

何十年ぶりかで聴きましたが、オスティナート全開の曲でワクワクしながら聴きました。第2楽章ではオーボエやイングリッシュホルンの演奏が冴えていました

最後の曲は「シンフォニア・タプカーラ」です この曲は1954年に作曲(1979年改訂)された作品で、第1楽章「レント・モルト ~ アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります 

冒頭のチェロの豊かな響きが印象的です 後半のアレグロではオスティナート全開です 第2楽章ではハープに乗せて奏でられるフルートのソロが抒情的で素晴らしかった 第3楽章は再び独特のリズムによるオスティナート全開です 東京フィルはアグレッシブな演奏を展開し、圧倒的なフィナーレを飾りました

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されました    本名は胸ポケットからダンヒルを取り出して、「伊福部先生、聴いてくれましたか?」と無言で語っているように見えました 鳴りやまない熱狂的な拍手に、本名 ✕ 東京フィルは伊福部昭「ロンド・イン・ブーレスク」(1972年)をノリノリで演奏、再び満場の拍手とブラボーの嵐に包まれました

伊福部昭の作品だけの3部構成に加え、アンコールまで伊福部昭という まさに「伊福部まつり」でした   18時開演で 終演は21時15分だったので、正味3時間近くかかったことになります 忘れがたいコンサートになりそうです

         

今夜はサントリーホールで読売日響「第648回定期演奏会」を聴きます


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