人生の目的は音楽だ!toraのブログ

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藤野英人著「投資家が『お金』よりも大切にしていること」を読む~「ひふみ投信」のファンドマネージャーが語る「お金」の話

2017年07月03日 08時01分05秒 | 日記

3日(月).昨日はいつも通りダイソンで掃除して,新聞を読んでから近所の小学校に東京都議選の投票に行ってきました   それにしても昨日は真夏のような暑さでしたね   1日8000歩のノルマの私も さすがに5500歩止まりでした   ということで,わが家に来てから今日で1006日目を迎え,「自民惨敗  過去最低」「小池系が過半数  自民惨敗」の大見出しの新聞各紙を見て,「平家物語」に乗せて感想を述べるモコタロです

 

     

                    都議会選挙の街の声 諸行無常の響き有り

               都民ファーストの圧勝に 奢れる自民久しからず

 

                                           

 

藤野英人著「投資家が『お金』よりも大切にしていること」(星海社新書)を読み終わりました   藤野英人氏は1966年富山県生まれ.早稲田大学を卒業後,野村證券,JPモルガン,ゴールドマン・サックス系の資産運用会社を経て,2003年にレオス・キャピタルワークスを創業.取締役・最高運用責任者(CIO)として「ひふみ投信」を運用し,高いパフォーマンスを上げ続けています

 

     

 

この本は,世界各国のお札の図柄を背景にした次のような言葉で始まります

「私は,お金が大好きです」

「いまの私のセリフを聞いて 顔をしかめたあなたは,」

「お金のことを 何も知らないのでしょう」

「お金を知り,お金を好きになれば,人生も世の中も,最高にカラフルに輝き出すのです」

この本を読み終わって,再びこのページに戻ると,著者の言いたいことが改めて認識できます

この本は,次の5つの章から構成されています

第1章「日本人は,お金が大好きで,ハゲタカで,不真面目」

第2章「日本をダメにする『清貧の思想』」

第3章「人は,ただ生きているだけで価値がある」

第4章「世の中に『虚業』なんてひとつもない」

第5章「あなたは,自分の人生をかけて社会に投資している,ひとりの『投資家』だ」

第1章「日本人は,お金が大好きで,ハゲタカで,不真面目」で著者が指摘しているのは,個人金融資産に占める現金・預金の比率を比較すると,アメリカ15.3%,イギリス32.2%,ドイツ39.4%,フランス31.3%なのに対し,日本は55.5%と圧倒的に高くなっていること(2008年のデータ).このことから分かるのは日本人はお金(現金・預金)が大好きだということ   その意味は,お金を使うのが好きというわけではなく,何かを消費するわけでも,株式などに投資するわけでもなく,現金や預金として自分の懐に貯め込むのが好きだという意味だ,と指摘しています   一方,アメリカでは年間,成人一人当たり約13万円を寄付しているが,日本ではたったの2500円であるとして「日本人はケチだ」と結論付けています

第2章「日本をダメにする『清貧の思想』」では,「理念に生きるために,あえて豊かな生活を拒否する」という思想が,「豊かになるためには,理念を捨てて汚れなければいけない」という考え方に変わってしまった   それが「豊かになることは汚れることだ」となり,「お金持ちは何か悪いことをしてお金持ちになったに違いない」といった考え方になったと思われる.この「清貧の思想」の間違った解釈が日本をダメにしている   貧しいことそのものは,正義でもなんでもない.清らかで豊かになることを目指す「清豊の思想」こそ,われわれは考えなくてはならない   資本主義社会においては,ITに限らず,新しい商品やサービスを提供し,ビジネスを成功させることは,大前提として”善”である   アメリカのお金持ちで社会的地位の高い人たちは,多額の寄付活動によって,儲けたお金や余ったお金を社会に還元するのが当たり前になっている   また,公のことは国や公務員に任せておけばいい,と思っている人が日本には多い   一人の民間人である自分が,自らのお金を投じて進んで社会貢献しようとは誰も思っていない   「世直し」はどこかの将軍や代官様がやってくれると信じている,と指摘しています

第3章「人は,ただ生きているだけで価値がある」では,1円も稼げない赤ちゃんも,経済主体であることを説いています   赤ちゃんがいることによって成り立っている会社や産業がたくさんある.ベビー服メーカー・販売店,おむつ,ミルク,哺乳瓶,ベビーフード,ベビーベッド,おもちゃ,絵本・・・赤ちゃんに関連する商品やサービスは無数にあるが,赤ちゃんが存在しなければ,成り立たない会社だ   そして,社会貢献は,新しい何かを作り出すことだけでなく,消費することによっても成し遂げられるのだ,と説いています

第4章「世の中に『虚業』なんてひとつもない」では,IT業界や金融業界,コンサルティング業界のことを『虚業』と言って批判・揶揄する人がいるが,彼らは差別主義者に見える   仕事や会社に貴賤はない.実業と虚業に分けて考える人は,おそらく実業の中にも差別があるのだと思う.そういう意識に究極の不真面目さを感じる   あらゆる業種の社長,約5700人と直接会って話をしてきた経験から,世の中のすべての仕事や会社は理由があって存在している.虚業なんてどこにも存在しない,と力説します   さらに,会社には 自分のことではなく,お客さんのことを考えて欲しい.「真面目な努力」が美徳になるような社会にしていって欲しいと希望を述べています

第5章「あなたは,自分の人生をかけて社会に貢献している,ひとりの『投資家』だ」では,「投資家とは,お金や,仕事や,会社や,社会のことを,奥行きのあるものとして見ることが出来る人のことを言う」と結論付けています   そのうえで,投資家として最終的に大事なのは「人を信じること」だと断言しています.そして「やはり最後は,論理ではなく,気持ちだ.絶対に埋められない穴は,信じて跳ぶしかない」と主張しています  さらに「投資が嫌いな人は,人を信じられない人なのでしょう」と指摘,最後に「日本の未来が暗いと言う人は,あなた自身が日本の未来を暗くしているのです   自分の将来を悲観的に感じている人は,貴方自身が自分のことを信じていないのです.あなたは,自分の人生をかけて社会に投資している,ひとりの投資家なのです」と締めくくっています

この本では,藤野氏が最高運用責任者として関わっている「ひふみ投信」についてはほとんど触れていません   見識だと思います.したがって,「資産を増やしたいんだけど,この本を読めば何か役に立つことがあるんだろうか」と期待している人には直接 役には立ちません   それ以前の「お金に対する考え方」について語った本だからです

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