人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

モーツアルト「第38番」「第39番」「ファゴット協奏曲」を聴く~トゥルコビッチ指揮都響コンサート

2011年09月05日 06時24分56秒 | 日記
5日(月).昨日,東京オペラシティ・コンサートホールで東京都交響楽団「作曲家シリーズ第83回モーツアルト」公演を聴いてきました 指揮はウィーン・コンツェントゥス・ムジクスのメンバーで,指揮者でもあるミラン・トゥルコビッチです.

オペラシティのホールで都響を聴くのは今回が初めてです.会場はほぼ満員.都響の定期会員もいるでしょうが,多くの人はモーツアルトがフィーチャーされているということでチケットを買ったのだと思います.ちなみに自席は1階24列24番.残念ながら通路から1つ入った席です

このオーケストラも女性比率が高いようですが,弦楽器を見ると,音が低くなるに連れて男性比率が高くなるようです.弦楽器は,向かって左から第1バイオリン,第2バイオリン,ビオラ,チェロ,その後ろにコントラバスという配置を取っています.指揮者の指示によるものでしょう 通常はビオラとチェロの位置が逆のはずです.この日のコンマスは四方恭子さん.第2バイオリンの首席エンカナさん(遠藤香奈子)もスタンバイOKです

プログラムはオール・モーツアルトで①「交響曲第38番ニ長調”プラハ”K.504」②「ファゴット協奏曲変ロ長調K.191」③「交響曲第39番変ホ長調K.543」の3曲です.

「第38交響曲」がウィーンで完成したのは1786年12月と言われています.この時期は彼のオペラ「フィガロの結婚」がプラハでも上演されて大好評を博し,モーツアルト夫妻はプラハに招待され,歓待を受けました.この曲はプラハへの返礼の意味があるのかも知れません.そういう意味を込めて”プラハ交響曲”と呼ばれるようになったのでしょう.交響曲は通常4つの楽章から成りますが,この曲は「メヌエット」を欠いた3楽章から成っています

指揮者が登場して「プラハ」の第1楽章冒頭を振り下ろします.テンポが自然で心地よい響きが会場を満たします このオーケストラは滅多に聴く機会がないのですが,弦楽器の響きがすごく美しいことをあらためて発見しました.第2楽章,第3楽章と最初のテンポが保たれて気持ちよく曲を閉じました

都響の主席ファゴット奏者・岡本正之を迎えて2曲目の「オーボエ協奏曲」が始まります.指揮者トゥルコビッチは自らがファゴット奏者でもあることから,あくまでもソリストを引き立てる役割に徹します.ファゴットの独奏箇所ではオーケストラの音を最小限に抑え,そうでない時はオーケストラを鳴らします

そうそう,第1楽章のソリストのカデンツァは見事でした アイ ハブ ファゴットン

休憩後の「第39交響曲」は大好きな曲です.とくに第3楽章「メヌエット」は天国で天使が踊っているような素晴らしい曲です モーツアルトは晩年に性格の異なる3つの交響曲を作曲しました.第39番,第40番,第41番です.これらの曲は何のために誰のために作曲されたのか明らかでなく,純粋に芸術的な目的で作曲されたのではないかと言われています.いずれもモーツアルトを代表する傑作です

第39番は古典派の作品では珍しくオーボエを欠き,代わりにクラリネットが加えられています.当時クラリネットは”新しい”楽器だったのです.

”オーボエなしで,どうやってチューニングをするのか”興味津々で舞台上を注目していたのですが,コンマスの四方さんがクラリネット奏者に合図を送りました.”なるほど,それもそうだな”と納得しました.

トゥルコビッチの指揮で第1楽章が始まります.テンポは「プラハ」よりやや速めの感じです.そして”ここぞ”という箇所ではアクセントを付けてオケを鳴らします.”「プラハまで」のモーツアルトと「第39番以降」のモーツアルトと,演奏スタイルが違うのだ”と言わんばかりの指揮ぶりですが,説得力があります.

それは大好きな第3楽章でも変わりません.”いつまでもこのメロディーを聴いていたい,もっとゆっくり演奏してくれないかな”と思ったのですが,こちらの都合のいいようにはいきません.決して早すぎるテンポではないので,文句はありません.最終楽章の「アレグロ」はさすがに「プレスト」に近いスピードで疾走していました

1回のコンサートで大好きなモーツアルトが3曲も聴ける.こんな幸せは滅多にありません.生きていて本当に良かった,とつくづく思います

      
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今年初めて第9を聴く~東響... | トップ | 吉祥寺クラシック音楽喫茶「... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事