人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

トゥガン・ソヒエフ✕N響でリムスキー・コルサコフ「シェエラザード」、フォーレ:組曲「ペレアスとメリザンド」、ブリテン「シンプル・シンフォニー」を聴く~N響第1904回定期演奏会

2019年01月18日 07時20分06秒 | 日記

18日(金)。わが家に来てから1568日目を迎え、集団で鳴く二ホンアマガエルは、互いの声が重ならないように「輪唱」したり、疲れると一斉に休んだりと一定の法則性があることを、筑波大と大阪大の研究グループが解明した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     カエルの歌が 聞こえてくるよ クワッ クワッ ていう輪唱ホントにやってたんだね       

 

         

 

昨日、夕食に「鶏肉と野菜の簡単蒸し」と「豆腐とシメジとモヤシのプチ鍋」を作りました 「鶏肉~」は河野雅子先生のレシピですが、初めてにしては美味しくできました

 

     

 

         

 

昨夕、サントリーホールでNHK交響楽団の第1904回定期演奏会(Bプロ)を聴きました プログラムは①フォーレ:組曲「ペレアスとメリザンド」作品80、②ブリテン「シンプル・シンフォニー」作品4、③リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」作品35です 指揮はトゥガン・ソヒエフです

ソヒエフは1977年北オセチア生まれ、ロシアのサンクトペテルブルク音楽院でイリヤ・ムーシンに、その後ユーリ・テミルカーノフに指揮を学んでいます

楽員が入場し配置に着きますが、どういうわけか N響だけはコンマスが入場しても拍手が起きません   この日は第1コンマスの篠崎史紀氏でしたが、マロであろうがマロンであろうが拍手はありません   N響の、というよりもN響の聴衆のしきたりになっているみたいです  日本のクラシック・コンサート七不思議の一つに挙げたいと思います 残り六つの不思議は何だ?という質問にはお答えできません。国際オリンピック委員会がうるさいので

オケは、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成です ヴィオラの首席に見慣れない女性がスタンバイしています。首席客演の川本嘉子さんではないし、時々N響に客演する新日本フィルの篠崎友美さんでもありません。いったい何者でしょうか

さて1曲目はフォーレの組曲「ペレアスとメリザンド」作品80です この曲は、ベルギーの詩人・劇作家のモーリス・メーテルリンクが1892年に発表した戯曲「ペレアスとメリザンド」を元にガブリエル・フォーレ(1845‐1924)が1898年に作曲した作品です 物語は、ある国の王子ゴローは泉のほとりで出会ったメリザンドを見初めて妻にしたが、彼女はゴローの異父弟ペレアスと親密な関係になり、嫉妬に狂ったゴローがペレアスを殺し、メリザンドも死ぬという悲劇です

この曲は第1曲「前奏曲」、第2曲「糸を紡ぐ女」、第3曲「シチリア舞曲」、第4曲「メリザンドの死」の4曲から成ります

ソヒエフの指揮で演奏に入りますが、彼はタクトを持ちません 彼の指揮ぶりを見ていると、大きな動作で、まるで楽員たちから音を手繰り寄せるようにしている様子が窺えます ハープに乗せてフルートが美しくも哀しい旋律を奏でる第3曲「シチリア舞曲」はこの曲の白眉です とても素晴らしい演奏でした。全体を通して木管楽器群が冴えた演奏を展開していました

ここで管楽器群が退場し、弦楽器だけが残ります 2曲目はイギリスの作曲家、ベンジャミン・ブリテン(1913-1976)の「シンプル・シンフォニー」作品4です この曲は彼がロンドン王立音楽大学を卒業する目前の1934年に作曲されました。第1楽章「騒々しいブーレ」、第2楽章「たのしいピチカート」、第3楽章「感傷的なサラバンド」、第4楽章「浮かれたフィナーレ」の4楽章から成ります

ソヒエフの指揮で第1楽章の演奏に入った瞬間、私は愕然としました 私の頭の中にあった音楽とまったく違ったからです。冷静に考えてみたら、私はプロコフィエフの「古典交響曲」と、あるいはビゼーの「交響曲第1番ハ長調」と勘違いしていたのです そして、全曲を聴き終わって自覚したのは、「シンプル・シンフォニー」を聴くのはライブでもCDでもこれが初めてかも知れない、という衝撃の事実でした いったい何十年クラシックを聴いてきたのだろうか ブリテンの超有名な曲を聴いたことがないなんて「グレイト・ブリテンよ どこへ行く~」って英国の合意なきEU離脱に便乗して胡麻化している場合ではない

それはともかく、曲を聴く限り、題名の通り 弦楽器だけによる分かりやすいシンプルな音楽で、何よりも良かったのは、楽員が実に楽しそうに演奏していたことです 特に第2楽章「たのしいピチカート」は弦楽器同士の丁々発止のやり取りが楽しく、「シンプル  イズ  ベスト」の演奏でした

 

     


休憩後はリムスキー・コルサコフの交響組曲「シェエラザード」作品35です この曲はリムスキー・コルサコフ(1844‐1908)が「千一夜物語(アラビアン・ナイト)」を題材にして1888年に作曲した作品です この物語は「女性に不信感を持つシャフリアール王は、毎夜、女性と一夜を共にしては翌朝 殺害してきた。新しく王妃になるシェエラザードは、千一夜の間、王に不思議な物語を聞かせ続け、残忍な考えを捨てさせた」という内容です

この曲は第1楽章「ラルゴ・エ・マエストーソ」、第2楽章「レント」、第3楽章「アンダンティーノ・クワジ・アレグレット」、第4楽章「アレグロ・モルト」の4楽章から成ります

ソヒエフの指揮で第1楽章が、シャフリアール王の荒々しいテーマで開始され、独奏ヴァイオリンが優美なシェエラザードの主題を奏でます これを聴くと、「ああ、これから音楽物語の航海に出るんだな」と思います。この主題はこの後 何度も出てきますが、篠崎コンマスのヴァイオリン独奏は何とも美しく高貴さを感じさせます ソヒエフはこの曲でも両手で楽員から音を紡ぎ出すような仕草を見せ、スケールの大きな音楽を展開します オーボエ、フルート、クラリネット、ファゴットといった木管楽器群に加えて、ホルン、トランペット、トロンボーン、チューバといった金管楽器群、そしてティンパニを中心とする打楽器群も渾身の演奏を展開し、ソヒエフのタクトに応えていました 第4楽章のフィナーレで篠崎コンマスの独奏ヴァイオリンによってシェエラザードのテーマが優しく演奏された時、「ああ、音楽物語の航海から帰ってきたんだな」と思いました

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、何度もカーテンコールが繰り返され、ソヒエフはステージに呼び戻されましたが、よほどN響とは相性が良いのでしょう 今回を含め4シーズン連続の客演です

何よりも、楽員との信頼関係がしっかりと築き上げられているように見えるのが とても良いことだと思います

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2 コメント

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ヴィオラ (とも)
2019-01-18 09:04:16
BPO首席の清水直子さんだったらしいですよ。
他の団員と一緒にコンマス入場(マロ方式)は、都響の矢部さんなどもそうだったかと思います。
団員と一緒にいつの間にか入場してくるので、拍手の出るタイミングはありませんよね。
コンマスそれぞれの見識によるものですから、どちらでも良いと思います。
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清水直子さん (tora)
2019-01-18 12:37:57
ともさん、コメントありがとうございました。
ベルリン・フィルの清水直子さんでしたか!
自席は会場右端で、ヴィオラの背中を見る位置なのでお顔が良く見えませんでした。
都響は次年度から会員になるので矢部さんの動きを注視したいと思います。
いつもご指摘やご意見をいただき感謝しております。
これからもいろいろと教えてください

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