17日(月)。昨日朝11時から、NHK「とっておきサンデー」で佐村河内守を取り上げた「NHKスペシャル」の調査報告を放送するというので観ました 番組枠のどのあたりで放送するのかさっぱり分からなかったので最初から観ましたが、前半は朝の連続テレビ小説『ごちそうさん』のダイジェストをやったり、春の新番組のPRをやったりと、なかなか肝心のテーマが取り上げられません 終盤にやっと始まったと思ったら、ほんの5~6分で終わってしまいました 編成局の担当者が出てきて、薄っぺらな”報告書”を掲げ、女性アナウンサーの問いに答える形で、番組制作の過程で佐村河内氏のウソを見抜けなかったと”報告”していました。1回取材しただけだったらまだしも、数年にわたってドキュメンタリーを撮っている訳ですから、その過程で全聾でないことくらい気づくはず 「作曲しているシーンを撮らせてほしいと何度も頼んだが、神聖な行為だとして断られた」というのも、もっと取材にこだわるべきだったと思います。まじめに受信料を払っている身からはどうも納得できないですね。視聴者を馬鹿にしているのかNHKは NHKは日常秘匿協会か1時間枠でたったの5~6分ですよ、奥さん
閑話休題
昨日、「東京・春・音楽祭」のコンサートを聴くため上野に出ました。JR上野公園口の正面に位置する東京文化会館は「東京・春・音楽祭」一色です
東京文化会館を通り越して交番を右折、国立科学博物館に向かいました。博物館の「日本館講堂」で開かれる会田莉凡ヴァイオリン・リサイタルを聴くためです。博物館「常設展」入口から地下に入り「日本館講堂」を探したのですが、分からないので係員に訊くと、チケット・ゲートの奥の2階にあることが分かりました ということは「博物館の入場券を買わないと入れないのか?」と疑問に思って訊くと、コンサートのチケットを見せれば入れることが分かりました それはそうですよね 午後2時開演なのに12時半に着いてしまったので、本を読みながら並んで待つことにしました。すでに男性ばかり3人が並んでいました
ところで会田莉凡の”莉凡”てどう読むんだ?と疑問に思う人もいるでしょう。上野、もとい、上の写真に答が出ていますよ その昔、バヤリースのテレビコマーシャルに「りぼんちゃん、りぼんジュースよ!」というのがありましたが、そうです、莉凡は「りぼん」と読みます おとーさん、おかーさんは良く付けましたよね、こういう思い切った名前を
さて、リサイタルのプログラムは①J.S.バッハ「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調BWV.1004」、②ベートーヴェン「ヴァイオリン・ソナタ第3番変ホ長調」、③ショーソン「詩曲」、④エネスク「ヴァイオリン・ソナタ第2番ヘ短調」、⑤サン=サーンス「序奏とロンド・カプりチオーソ」という相当”重い”プログラムです。ピアノ伴奏は林絵里です
全自由席なので、右ブロックの前から2列目の左通路側を押さえました 会場には約150席分のパイプ椅子が並べられていますが、満席です 名前の「日本館講堂」に相応しい、古めかしくも威厳のある会場で、2階にあるため外の景色が目に入ります
開演時間になり、舞台袖からソリストが現われるのを待っていると、客席の後方から拍手が聞こえてきました。なんと会場の後方から会田莉凡の登場です ここは演奏会専用の会場ではないことを改めて認識させられました。彼女はピンク地に白の花模様をあしらった春らしいドレスで登場です 先日、新日本フィルの第2ヴァイオリンに客演した時には頭に赤いリボンをつけていたので、莉凡さんのトレードマークかと思っていましたが、この日は何もつけていません。リサイタルなのでアイデンティティはハッキリしているということでしょうか
弓を構え、第1曲目のバッハ「無伴奏ヴァイオりン・パルティータ第2番」の演奏を始めます 「パルティータ」というのは「舞曲」を組み合わせた「組曲」といった意味です。アレマンダ~コレンテ~サラバンダ~ジーガ~シャコンヌという順に演奏されます この曲の大きな特徴は最後の長大な「シャコンヌ」です。これだけ単独で演奏する演奏家もいるほどの名曲です。会田莉凡は並外れた渾身の集中力で全曲を一気に弾き切ります
この曲は午前中、ヒラリー・ハーンのCDで予習して頭に叩き込んでおきました
2曲目はベートーヴェン「ヴァイオリン・ソナタ第3番」です。会田がピアノの林絵里とともに登場します。ピアノは小ぶりなスタインウェイですが、TAKAGI KLAVIERという文字が書かれています 渋谷にタカギクラヴィアという会社があるようですが、そこからの寄贈品でしょうか?不明です
この曲は1797~98年に作曲され、モーツアルトを主人公とした戯曲「アマデウス」でモーツアルトを毒殺したとされるサリエリに献呈された3曲のヴァイオリン・ソナタの3番目の曲です。全体的にベートーヴェンの若さが反映した溌剌とした曲ですが、二人は楽しそうに演奏していました
この曲は午前中、フランチェスカッティのヴァイオリン、カサドシュのピアノによる香り高いCDで予習しておきました
休憩後の第1曲目はショーソンの「詩曲」です。1896年の作曲ですが、ショーソンの代名詞的な曲です ピアノの前奏で始まりますが、会田は抒情豊かにポエムを歌い上げました
次いでエネスクの「ヴァイオリン・ソナタ第2番」が演奏されます。エネスクはメニューインやグリュミオーといった世紀の大ヴァイオリニストを育てた教育者でもある音楽家ですが、この曲は18歳の時に書かれました。初めて聴く曲ですが、色彩感豊かな曲で、とくに第3楽楽章の舞曲のような音楽が楽しめました
最後はサン=サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」です。会田はスペイン情緒豊かなこの曲を情熱的に弾き切りました
拍手を受けて再度登場した会田は次のようにあいさつしました
「皆さん、今日はありがとうございました。こんなに沢山の方々に来ていただき驚いています 今日のプログラムのメインは一応エネスクということになっています。プログラムのどれもがヘビーで、すべてがメインじゃないかと思われるかも知れませんが(会場・笑)。この2番のソナタは、2011年にルーマニアを3回訪ねる機会があったのですが、その時に出会った曲です 日本では演奏する人はほとんどいません。ヴァイオリンはとにかく、伴奏のピアノが大変な曲です。今日ピアノ伴奏をお願いしている林先生は高校生の時からお世話になっている方です。きょうのリサイタルでご一緒できてうれしく思っています それでは、アンコールにマスネの『タイスの冥想曲』を演奏します」
演奏は会田莉凡の優しい性格を反映したかのような温かみのあるものでした 鳴り止まない拍手にもう1曲、サン=サーンスの「序奏とタランテラ」を鮮やかに演奏しました
これをもって私の6日間連続コンサートは終了しました が、7日目の今夕はポーランド映画「ワレサ 連隊の男」の試写会を観に行きます。まだまだゆっくり休んでいる余裕はありません
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