人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

準・メルクル+新日本フィルでベートーヴェン「交響曲第7番」を聴く~第522回定期演奏会

2014年03月16日 07時18分27秒 | 日記

16日(日)。理化学研究所のSTAP細胞論文不正疑惑問題はどうなるのでしょうね 文部科学省のガイドラインによると、存在しないデータをでっちあげる「捏造」、データを都合のいいように書き換える「改ざん」、他人から文章などを無断で引き写す「盗用」の3つを研究の不正行為と定義しているそうです 今回のケースはどれに当たるのか・・・・われわれ素人には手も足も出ません。STAP細胞の研究がSTOPしてしまい残念です。是非スキルをSTEPアップして論文を出し直してほしいと思います

 

  閑話休題  

 

昨日、すみだトりフォニーホールで新日本フィルの第522回定期演奏会を聴きました プログラムは①シューマン「ゲーテの”ファウスト”のための情景:序曲」、②シェーンベルク「清められた夜」(弦楽合奏版)、③ベートーヴェン「交響曲第7番イ長調」。指揮は準・メルクルです

 

          

 

オケはいつもと違い、向かって左から第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、第2ヴァイオリン、後ろにコントラバスという対向配置を採ります そのため、いつもは左サイドにいる第2ヴァイオリン奏者・篠原英和さんは右サイドの観客席に近い位置でスタンバイします コンマスの西江辰郎の合図でチューニングが始まり、指揮者の登場を待ちます。そう言えば、コントラバスに村松裕子さんの姿が見えませんが、いよいよ産休に入ったのでしょうか

指揮者の準・メルクルはドイツ人の父、日本人の母のもと1959年にミュンヘンで生まれました 2005年から11年までフランス国立リヨン管弦楽団の音楽監督を務めたほか、世界のオケで振っています ベルリン・ドイツ・オペラと新国立劇場の『ニーベルングの指環』ツィクルスで指揮をした時、日本での公演は『トウキョウ・リング』と呼ばれ話題を呼びました 最近では水戸室内管弦楽団とのシューベルト「ザ・グレイト」とパシフィック・ミュージック・フェスティバル・オーケストラとのベルリオーズ「幻想交響曲」の名演が忘れられません 2つとも当ブログで書きました。新日本フィルとは今回が初共演とのことです

1曲目のシューマン「ゲーテの『ファウスト』からの情景」序曲は、例によってプログラムのA氏の解説が何を言っているのかさっぱり分からないので紹介のしようがないのですが、一言で言えば、シューマンらしいメロディーに溢れた劇的な曲でした

楽員が一旦舞台袖に引き上げ、舞台の再セッティングが行われます。右手奥にいたコントラバスが中央後ろに5人横並びでスタンバイします 

2曲目は、大っ嫌いなシェーンベルクの割にはメロディーがあるので何とか聴ける「清められた夜」です 1899年に弦楽六重奏曲として作曲され、その後、弦楽合奏版に改版されました

「男と女が月とともに歩んでいる。女は見知らぬ人の子供を身ごもって、絶望感にさいなまれている。男は女に『その子を、私の子どもと思って生んでほしい』と伝える」というデーメルの詩にインスピレーションを受けて作曲されたものです この曲では、新日本フィルの弦楽セクションの素晴らしさが再確認されました

 

          

 

休憩後はベートーヴェン「交響曲第7番イ長調」です。ワーグナーが「舞踏の聖化」と称えたリズムを主体とした名曲です だいぶ前のことですが、カサドシュ(有名なピアニストとは関係ないらしい)という指揮者が確か読響を振ってこの曲を演奏した時、何とバランス感覚のない指揮者だろうとガッカリしたことを覚えています 私が言っているのは、第1楽章と第4楽章における低弦(特にコントラバス)の扱いです。ここがしっかりしないと薄っぺらな演奏になってしまいます

準・メルクルは身のこなしが軽く、身体全体を使ってテキパキとオケに指示を出します その指揮ぶりから、引き締まった小気味の良いベートーヴェンが現出します

昨年聴いた水戸室内管弦楽団とのシューベルトの「ザ・グレイト」と、パシフィック・ミュージック・フェスティバル・オーケストラとの「幻想交響曲」を聴いた時にも感じたことですが、準・メルクルの指揮はメリハリがはっきりしていて、出てくる音楽が明確です その意味で、この第7番も例外ではありません。オケがうまく”乗せられて”演奏している印象を受けます 私がこだわっている第1楽章と第4楽章の低弦の扱いは、もう理想と言っても過言ではありません。素晴らしいバランス感覚です

曲が終わるや否や会場一杯の拍手とブラボーの嵐が準・メルクルとオケに押し寄せました 「これこそ現代のベートーヴェンだ」と叫びたくなりました。オケのメンバーも指揮者に惜しみない拍手を送っていました。これが初共演とはとても思えないほど両者のコラボは相性が良いと思いました

いま、新日本フィルはダニエル・ハーディングとインゴ・メッツマッハ―の2大巨頭態勢をとっていますが、契約が終了したら常任指揮者=準・メルクルでいいんじゃないでしょうか。本気でそう思います

 

          

 

   も一度、閑話休題  

 

トりフォニーホールに行ったついでに、ホール脇にある「新日本フィル・チケットボックス」に寄り、新日本フィル室内楽シリーズ「音楽家たちの饗宴2013→2014」後半のチケットを購入しました 本来は4回通し券を買うところですが、4回のうち2回が他のコンサートとダブっているため、6月11日(水)と7月30日(水)の2つのコンサートだけ単券(@3,000円)を買うことにしました 6月の方はモーツアルト「弦楽四重奏曲第14番」ほか、7月の方はベートーヴェン「弦楽四重奏曲第8番」、ドヴォルザーク「弦楽五重奏曲第2番」のほかに、何と言っても我らが新日本フィルの第2ヴァイオリン奏者・篠原英和さんがテレマン「4本のヴァイオリンのための協奏曲」に出演します これを聴かずして何を聴くか

 

          

 

たまたまトりフォニーホールの掲示版を見たら、もう終わった公演のポスターが飾られていました 今年2月23日(日)に国技館で開かれた「5000人の第9コンサート」のポスターです。掲示板は錦糸町駅方面の反対方向(タリーズ側)にあり、目立たないので気が付く人がいないのかもしれませんが、こういうのってみっともないですよね。外した方が良いと思います

 

          

 

  またまた、閑話休題  

 

今日午前11時からNHKの情報番組「とっておきサンデー」で、ゴーストライターによる楽曲の代作が問題になった佐村河内守氏を取り上げた「NHKスペシャル」の検証結果を放送するとのこと。是非見なくては

今日は6日連続コンサートの最終日。上野の国立科学博物館「日本館講堂」で会田莉凡ヴァイオリン・リサイタルを聴きます。この1週間、睡眠不足と闘いながらブログを書いてきました。最後の体力勝負です

 

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2 コメント

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ご来場ありがとうございます!! (篠原英和)
2014-03-21 12:59:39
toraさん、お久しぶりです!!
メルクルは、清々しくて、素晴らしい指揮者でした!
しかし、「浄夜」は緊張しました…
ゴールドベルク先生で演奏したのを思い出しました♪

ところで、26日は、久々に産休の村松さんの代わりに、室内楽シリーズでプレトークと、サロンマスターです!
来月も代役出演です("⌒∇⌒")
お目にかかれるのを楽しみにしています!!
返信する
プレトーク&サロンマスターに期待! (tora)
2014-03-22 00:07:38
篠原様、コメントありがとうございました
久々の真打復活に期待しています
返信する

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