人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ジョナサン・ノット ✕ 新日本フィルでマーラー「交響曲第7番 ホ短調”夜の歌”」を聴く ~ フェスタサマーミューザ / 「井上道義:第54回サントリー音楽賞受賞記念コンサート」のチケットを取る

2024年08月03日 00時08分57秒 | 日記

3日(土)。12月30日(月)15時からサントリーホールで開かれる「井上道義  第54回サントリー音楽賞受賞記念コンサート」のチケットを取りました プログラムは①メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」、②ベートーヴェン「交響曲第6番 ヘ長調 作品6 ”田園”」、③シベリウス「交響曲第7番 ハ長調 作品105」、④ショスタコーヴィチ「祝典序曲 作品96」です   演奏は井上道義指揮読売日本交響楽団です    この公演をもって井上氏は引退するので文字通り「井上道義  ラストコンサート」です   井上氏の左急性腎盂腎炎が再発しないことを祈るばかりです

     

ということで、わが家に来てから今日で3490日目を迎え、米国のトランプ前大統領は31日、全米黒人ジャーナリスト協会の集会で、11月の大統領選で当選した際には、2021年1月に起きた連邦議会議事堂襲撃で警官を襲って有罪になった受刑者らに「絶対」恩赦を与えると述べた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     無法者が無法者に恩赦を与えたら トランプを教祖に祭り上げ やりたい放題になる

 

  諸般の事情により昨日の夕食作りはお休みしました  

         

昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールで「フェスタサマーミューザ 新日本フィル」のコンサートを聴きました プログラムはマーラー「交響曲第7番 ホ短調 ”夜の歌”」です 指揮は当初、今年末で引退する井上道義の予定でしたが、左急性腎盂腎炎により約1か月間治療に専念すべきとの医師の診断を受けたため降板、代わりに東京交響楽団 音楽監督のジョナサン・ノットが指揮することになりました

     

開演前の14時20分からプレコンサートがありました 演奏曲目はモーツアルト「弦楽四重奏曲第15番 ニ短調 K.421」から第1楽章「アレグロ・モデラート」、第3楽章「アレグレット」、第4楽章「アレグレット・マ・ノン・トロッポ」です   この曲はモーツアルト(1756-1791)が6曲から成るいわゆる「ハイドン四重奏曲」の1曲として1783年に作曲した作品です 演奏は第1ヴァイオリン=崔文洙(ソロ・コンマス)、第2ヴァイオリン=丹羽紗絵(首席)、ヴィオラ=安藤裕子(藝大フィルハーモニア管首席)、チェロ=佐山裕樹です

崔のリードで第1楽章が開始されますが、ゆったりしたテンポが印象的です 一番良かったのは第4楽章の変奏曲です この楽章を聴いただけでもモーツアルトの天才を感じます 落ち着いた素晴らしい演奏でした

     

さて、本番です 会場は予想通り満席です

オケは16型で、左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置。ステージ上手にはハープが2台スタンバイします コンマスは崔文洙、隣はアシスタント・コンマスの立上舞です よく見るとプレコンサートで演奏した丹羽紗絵、安藤裕子、佐山裕樹の3人が各セクションのトップとしてスタンバイしています

マーラー「交響曲第7番 ホ短調 ”夜の歌”」はグスタフ・マーラー(1860ー1911)が1904年から06年にかけて作曲、1908年9月19日にプラハで初演されました 第1楽章「ゆっくりと:アダージョ」、第2楽章「夜曲1:アレグロ・モデラート」、第3楽章「スケルツォ:影のように」、第4楽章「夜曲2:アンダンテ・アモローソ」、第5楽章「ロンド・フィナーレ:アレグロ・オルディナリオ」の5楽章から成ります 「夜の歌」という副題はマーラー自身が総譜の第2楽章と第4楽章に記している「夜曲」に因んで言われるようになったものです

満場の拍手の中、ジョナサン・ノットが指揮台に上がり第1楽章に入ります ミステリアスなリズムに乗ってテナーホルンが序奏主題を演奏しますが、この演奏が素晴らしかった ホルンはこの後も首席の日高を中心に抜群の安定感で素晴らしい演奏を展開しました ノットはエネルギッシュな指揮で新日本フィルから渾身の演奏を引き出しますが、管楽器が咆哮する場面ではクラリネットとオーボエにベルアップ奏法を求めました バストロンボーン、テューバといった低音金管楽器の演奏が冴えています 第2楽章でも冒頭の日高のホルンが絶好調で「夜曲」の世界へ誘います フルート、クラリネット、オーボエ、ファゴットといった木管楽器がよく歌います 第3楽章はちょうど真ん中に位置する楽章ですが、これほど怪奇的な音楽も珍しいでしょう 東条碩夫氏が「プログラム・ノート」の中で、「マイケル・ケネディが著書の中で紹介している『暗闇に対する子供の恐怖心』という表現は言い得て妙である」と書いていますが、まさに暗闇から幽霊が出てきそうな薄気味悪さを感じます 安藤裕子のヴィオラ・ソロが素晴らしかった 第4楽章ではハープ2台と、その手前に控えるギターとマンドリンが活躍しますが、ギターとマンドリンは通常のコンサートだとオケの音に埋もれてほとんど聴こえません しかし、この公演では しかと聴こえました これはノットの素晴らしいバランス感覚によるものだと思います    崔コンマスのヴァイオリンソロ、佐山裕樹のチェロソロも冴えていました   第4楽章は威勢の良いティンパニに導かれて快速テンポで陽気な音楽で開始されますが、今までの「夜の静謐な世界」はいったい何だったのかというほど、あっけらかんとした「真昼の喧騒の世界」が描かれます    これは勝利の音楽なのか?  躁の世界の音楽なのか? トランペット、ホルン、トロンボーン、テューバといった金管楽器が咆哮し、クラリネット、オーボエはベルアップ奏法を見せ、打楽器が炸裂し、弦楽器は渾身の演奏を展開します  チューブラーベル、カウベルが加わってオケ総力を挙げての演奏により大音量で展開したフィナーレは圧巻でした

80分超の大曲を聴き終わって思うのは、演奏が素晴らしいほど この曲のグロテスクでエキセントリックな面が立ち上がってくるということです

急きょ代役を務め、アグレッシブな指揮ぶりで新日本フィルから最大限の力を引き出したジョナサン・ノットに、満場の拍手とブラボーの嵐が押し寄せました オーケストラの面々からも大きな拍手が送られました

ミューザ川崎シンフォニーホールの音響特性を、よく理解しているジョナサン・ノットが代役を務めてくれたことが奇跡のようです

     

     

     

     

     


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