人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

METライブビューイングでモーツアルト「フィガロの結婚」を観る

2014年11月19日 07時01分33秒 | 日記

19日(水)。わが家に来てから53日目を迎えたモコタロです 

 

          

           HTBって何だよ? まさか「水曜どうでしょう」の・・・・

 

  閑話休題  

 

昨夕、東銀座の東劇でMETライブビューイング、モーツアルト「フィガロの結婚」を観ました キャストはフィガロにイルダール・アブドラザコフ(バス・バリトン)、スザンナにマルリース・ペーターセン(ソプラノ)、伯爵夫人にアマンダ・マジェスキー(ソプラノ)、伯爵にペーター・マッティ(バリトン)、ケルビーノにイザベル・レナード(メゾソプラノ)、指揮はジェイムズ・レヴァイン、演出はリチャード・エアです

 

          

 

平日の夜ということもあってか、会場の入りはまばらです。せいぜい60人くらいでしょうか。私は東劇でオペラ映画を観る時には必ず左ブロック後方の右通路側席を取ります。今回はSー10番を取りました

ジェイムズ・レヴァインの指揮で序曲が軽快に始まります 英国の演劇・映画演出家リチャード・エアは、舞台を原作の18世紀から1920年代に移し、現代に近い感覚でオペラの世界を表出しようとします。したがって男性陣はスーツ姿です

序曲から第1幕に移りますが、音楽の流れが絶えることがありません リチャード・エアの演出はモーツアルトの音楽の流れを絶やさないように、回り舞台を有効に使ってテンポよく場面転換を図ります 幕間のインタビューでアルマヴィーヴァ伯爵役のペーター・マッティが語っていましたが、歌手としては全体の流れに乗って自然に歌うことが大事、ということのようです

このオペラはアリアに次ぐアリア、そして合唱と、音楽が止まることなく続きます。第1幕だけでも、フィガロのカヴァティーナ「殿様、もし踊りたければ」、ケルビーノのアリア「自分で自分が分からない」、フィガロのアリア「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」・・・・と次から次へと有名なアリアが繰り出します。「音楽が止まらない」という状況が一番端的に現われているのが第2楽章のフィナーレです ソロが二重唱に、二重唱が四重唱に、四重唱が八重唱(フィガロ、スザンナ、伯爵、伯爵夫人、バルトロ、マルチェリーナ、バジリオ、アント二オ)へと歌い手がだんだん増えていき、最後に「こらからどうなってしまうんだろう?」という大団円を迎えます この魅力はモーツアルトならではでしょう

バリトンのペーター・マッティはMETの「セヴィリアの理髪師」でヒロインのフィガロを歌って満場の喝さいを浴びていました スウェーデン生まれの彼は、姉妹作品とも言えるこの「フィガロの結婚」では、まったく役どころが違う伯爵を歌っていますが、背丈もあり堂々たる体格の持ち主で、歌も魅力的なバリトンなので、こちらもはまり役です

伯爵夫人を歌ったペーターセンはアメリカ生まれで、今回がMETデビューとのことです。第2幕で歌うカヴァティーナ「愛の神よ、安らぎを与えたまえ」、第3幕で歌うレチタティーボとアリア「スザンナは遅いのね~楽しい思い出はどこへ」では、伯爵夫人に成りきってビロードのような声で歌っていました。声も美しいし美貌の持ち主なので人気が出るでしょう

フィガロを歌ったアブドラザコフはロシア生まれですが、METでは「ドン・ジョバン二」でデビューしていることもあって、モーツアルトは得意のレパートリーです。第1幕のアリア「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」をはじめ、聴かせどころをビシッと決めました。演技も素晴らしいと思います

ケルビーノを歌ったイザベル・レナードは先日観たMETライブの「コジ・ファン・トゥッテ」でドラベッラを歌ったメゾソプラノです 今回はズボン役に挑戦しましたが、何ともチャーミングな小姓でした。第1幕で歌うアリア「自分で自分が分からない」、第2幕で歌うカンツォーナ「恋とはどんなものかしら」を少年の心で歌っていたのが印象に残ります

さて、このオペラ「フィガロの結婚」の主人公はもちろんフィガロですが、実はもっと重要な人物がいるのです。それはスザンナです スザンナがいなければこの物語はとんでもない結末に至っているはず。あらゆる局面で機転を働かせて難局を乗り切る能力をもっているスザンナこそ本当の主役なのです その意味で、このオペラは「スザンナの結婚」と言っても良いかも知れません

誰にもそう思わせる力を発揮したのがドイツ生まれのソプラノ歌手マルリース・ペーターセンです 彼女は歌が上手いのはもちろんのこと、身体能力が高いのか演技も素晴らしく、完全にモーツアルトの音楽に乗り切っていました

午後6時45分に始まったライブビューイングは、途中で休憩や歌手へのインタビュー等があり、カーテンコールの中、10時20分頃終演となりました したがって、わたしは例によって睡眠不足です

もし、これから初めてオペラを観たいと思う人がいたら、このMETライブの「フィガロの結婚」をお薦めします 一度で絶対好きになります。賭けてもいいです

 

          

 

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