人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ミハイル・プレトニョフ ✕ 東京フィルでラフマニノフ:幻想曲「岩」、交響詩「死の島」、「交響的舞曲」を聴く ~ 東京フィル5月度定期演奏会より

2023年05月13日 00時16分15秒 | 日記

13日(土)。わが家に来てから今日で3042日目を迎え、英国防省は11日、ロシア国防省が今年に入りウクライナでの戦闘要員として受刑者の活用を強化し、4月だけで最大1万人が入隊契約をしたとみられるとの分析を明らかにした  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ロシアではワグネルと国防省が戦闘要員として受刑者の奪い合いをしているんだね

 

         

 

昨日、夕食に「ピーマンのハムチーズ焼き」「新じゃが タラコバター」「生野菜とアボカドのサラダ」「モヤシの味噌汁」を作りました 「ピーマン~」と「新じゃが~」は初めて作りましたが、「新じゃが~」は朝日朝刊の「料理メモ」に載っていたレシピで作りました。旬の食材は美味しいですね

 

     

 

         

 

昨夜、東京オペラシティコンサートホールで東京フィル「第154回オペラシティ定期シリーズ」を聴きました プログラムは今年生誕150年かつ没後80年のダブル・アニヴァーサリーイヤーとなるセルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)の3作品=①幻想曲「岩」作品7、②交響詩「死の島」作品29、③交響的舞曲 作品45です   指揮は東京フィル特別客演指揮者のミハイル・プレトニョフです

実は10日(水)のサントリー定期シリーズが東京シティ・フィル定期と重なったため、東京フィルをこの日に振り替えました 主催者側が用意した席は1階10列15番、センターブロックのど真ん中です。こういう席は人によっては理想的だと思うでしょうが、私にとっては前過ぎで、通路から一番奥の席なので苦痛です どうも両脇に人がいると落ち着きません しかし、主催者側としては最大限の配慮をしてくれたのでしょうから受け入れるしかありません

 

     

 

オケは12型で、左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置をとります コンマスは依田真宣です

1曲目は「幻想曲『岩』作品7」です この曲はセルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)が21歳だった1893年に作曲、1894年4月1日にモスクワで初演されました 老いた男と若い娘の出会いと別れを描いたレールモントフの短編「断崖」の印象を受けて作曲した作品です なお、一柳冨美子さんのプログラム・ノートによると、「岩」は過訳で、正しくは「断崖」だそうです

プレトニョフの指揮で演奏に入りますが、冒頭の低弦による重心の低い序奏が印象的です 独奏フルートが素晴らしい しかし、席が前過ぎるせいか、管楽器の音が大きく聴こえて耳にビンビンきました。これは如何ともしがたいと思いました

2曲目は「交響詩『死の島』作品29」です この曲はベックリンの代表作「死の島」の白黒複製画と出会い、そこからインスピレーションを得て、36歳だった1909年に作曲、同年4月18日にモスクワでラフマニノフ自身の指揮により初演されました なお、一柳さんによるとこの「死の島」も誤訳で、正しくは「死者たちの島」だそうです 作品は3部形式、ラルゴで切れ目なく演奏されます 白黒の版画に描かれた死の島、冥界の海、渡し舟、それを漕ぐ渡し守の様子が音楽により描写されます 一柳さんによると、「後年、ラフマニノフがフルカラーの原画を見た時、『原画を先に見ていたら曲は生まれなかった』と語ったという」とのことです

プレトニョフの指揮で演奏に入りますが、この曲でも冒頭の低弦による重心の低い演奏が印象的です 全体的に暗いタッチの息の長い旋律が朗々と奏でられます 中盤で須田祥子率いるヴィオラ・セクションが狂気迫るアグレッシブな演奏を展開していたのが印象的でした 全体の演奏を聴く限り、なるほど カラーの世界ではなくほの暗いモノクロの世界が目に浮かびました

 

     

 

プログラム後半は「交響的舞曲 作品45」です この曲は67歳だった1940年に作曲、1941年1月3日にユージン・オーマンディ✕フィラデルフィア管弦楽団により初演されました 第1楽章「ノン・アレグロ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート:テンポ・ディ・ヴァルス」、第3楽章「レント・アッサイ ~ アレグロ・ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります

プレトニョフの指揮で第1楽章の演奏に入りますが、泰然自若たる演奏で、もしオットー・クレンペラーがこの曲を指揮したらこういう風になるのだろうか、と密かに思いました    印象的だったのはフルート、オーボエ、クラリネットなど木管楽器の素晴らしいアンサンブルのあとに演奏されたアルトサックスによる演奏です   その後の第1ヴァイオリンとチェロによるアンサンブルも美しく響きました    第2楽章で印象に残ったのは依田コンマスの独奏と、その後のイングリッシュ・ホルンの抒情的な演奏です    第3楽章では、序盤に鐘が12回連打されるところ、そして終結部で総奏のあと、タムタム(ドラ)だけが会場に響き渡り、静かに消えていくシーンは感動的でした

指揮者ミハイル・プレトニョフは、1990年にロシア史上初めて国家から独立したオーケストラ「ロシア・ナショナル管弦楽団」を設立し、自ら指揮者として活動を開始しました 当ブログで2月度東京フィル定期公演についてブログアップした際に、コメントを寄せてくださった きな子さん(匿名)によると、プレトニョフのジェネラル・マネージャーでもある「ロシア・ナショナル管弦楽団」の理事がロシア当局によって突然解雇され、それに反発したプレトニョフも解任されたという噂があるそうです 昨年2月のロシアによるウクライナ侵攻を受けてでしょうか、プレトニョフは2022年にロシア国外で、新たなオーケストラ「ラフマニノフ国際管弦楽団」を創設しています 「現在のプーチン政権とは一線を画すが、あくまでもロシアにこだわって音楽活動を進めていく」という信念と覚悟の現れだと思います

この日の演奏は、プレトニョフのこうした信念と覚悟の裏付けに基づいたプログラミングであり、確信に満ちたコンサートだったと思います


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