人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

第3回音楽大学フェスティバル・オケを聴く~エリシュカ指揮でスメタナ&ドヴォルザーク

2014年03月29日 10時21分11秒 | 日記

29日(土)。昨夕、池袋の東京芸術劇場で第3回音楽大学フェスティバル・オーケストラの演奏会を聴きました オケは国立、昭和音楽、洗足学園、東京音楽、東京藝術、東邦音楽、桐朋学園、武蔵野音楽の各大学の選抜メンバーから成ります。指揮はラドミル・エリシュカです。エリシュカは2001年から2013年までチェコ・ドヴォルザーク協会会長も務めたことのある、チェコ音楽の権威です。

プログラムは①スメタナ「連作交響詩『わが祖国』から”高い城”、”モルダウ”、”シャルカ”」、②ドヴォルザーク「交響曲第9番”新世界より”」です

 

          

 

出場学生の家族・友人・知人を中心に(?)会場はほぼ満席です。自席は1階O列13番、センターブロック左通路側です 学生合同オケのメンバー約100名が登場します。やはり女子学生が圧倒的に多い傾向は昨年と変わりません しかし、昨年よりも男子学生の比率が若干高まったような気がします。男子学生、頑張れ プログラムの巻頭に音楽大学オケの実行委員長があいさつ文を書いていますが、それによると、日本には音楽系大学と短大が121校もあるそうです。これには驚きました この日のメンバーは、全国121校のうち在京の学生オケから選抜されたメンバーということになります 相当一人一人の実力が高いと言えるのではないかと思います。オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという態勢です。前半のコンマスは桐朋学園の内野佑佳子さん(やっぱり女子学生!)です

1931年チェコ生まれのラドミル・エリシュカがタクトを抱えて登場します。今年83歳を迎えるとはとても思えない、かくしゃくとした足取りです エリシュカの合図で「高い城」冒頭のメロディーがハープ2台によって奏でられます。この部分はとても美しいですね

次に有名な「モルダウ」が演奏されます。オケは源流の小さな流れから、しだいに川幅を拡大してプラハの街を流れていくモルダウの様子を描写します ここでは、源流を奏でるフルートが非常に美しく響きます。この演奏が終了すると、予想どおり会場のあちこちでパラパラと拍手が

そして「シャルカ」に入ります。オケは厚みのある音で指揮者エリシュカの要望に応えます。演奏中に、この指揮者から睨まれたら本当に怖いのではないか、と思ってしまう、そんなオーラを感じます エリシュカと学生たちは「おじいさんと孫たち」のように見えますが、出てくる音楽は若々しく活気に溢れています

休憩後は管楽器・打楽器のメンバーが前半と入れ替わります。コンマスも東京藝大の石田紗樹さん(やっぱり女子!)に代わります。出演メンバーリストの中で唯一顔と名前の一致するのはこの人だけです

エリシュカの合図で”新世界”交響曲が始まります。演奏者が100名もいることもあるでしょうが、厚みのあるサウンドで圧倒します 第2楽章では、有名な”遠き山に陽は落ちて”のメロディーが、コーラングレの独奏でしみじみと演奏されます 何度聴いても良いですね。そして力強い第3楽章に移り、最後はオケ総動員で第4楽章アレグロを熱演して全曲を閉じます エリシュカは、よく動けるなあと思えるほど、年齢を感じさせない、かくしゃくとした指揮振りでした

エリシュカは弦の首席と握手するだけでは物足りないのか、コンサート・ミストレスを務めた女子学生2人をハグして(役得!)演奏を讃えました

何度もステージに呼び戻されたエリシュカは、「もう勘弁してくれ」と言いたげな顔をしながらも、アンコールにドヴォルザークの「スラブ舞曲第15番」を鮮やかに演奏しました

この日出演した約120名の学生たちは、いつの日か、自分は名匠エリシュカの指揮で本場の音楽を演奏したのだ、ということを誇りとともに思い出すことでしょう 熱演を聴かせてくれた選抜学生たちに、あらためて大きな拍手を贈ります

 

          

 

  閑話休題  

 

当日配布されたプログラムの「今後の公演予定」に第5回音楽大学オーケストラ・フェスティヴァル2014の日程が公開されていました

2014年11月16日(日)午後3時開演。ミューザ川崎。①昭和音楽大学(ブラームス「交響曲第2番」ほか)、②東京藝術大学(チャイコフスキー「交響曲第5番」)

2014年11月24日(月・祝)午後3時開演。ミューザ川崎。①上野学園大学(モーツアルト「交響曲第35番」ほか)。②武蔵野音楽大学(バルトーク「管弦楽のための協奏曲」)、③洗足学園音大(レスピーギ「交響詩”ローマの噴水”、”ローマの松”」)

2014年12月6日(土)午後3時開演。東京芸術劇場。①国立音楽大学(ブルックナー「交響曲第7番」)、②桐朋学園大学=未定。

2014年12月7日(日)午後3時開演。東京芸術劇場。①東邦音楽大学(ブラームス「交響曲第4番」)、②東京音楽大学(R.シュトラウス「交響詩:英雄の生涯」)

※以上全席指定、各回1,000円。

1年後の第4回音楽大学フェスティバル・オーケストラ演奏会(選抜オケ)は次の通りになっています

2015日3月28日(土)ミューザ川崎。ユベール・スダーン指揮大学選抜オケ。ムソルグスキー「組曲”展覧会の絵”」ほか。

2015年3月29日(日)東京藝術劇場。ユベール・スダーン指揮大学選抜オケ。ムソルグスキー「組曲”展覧会の絵”ほか。

※以上全席指定、各回S席=2,000円、A席=1,500円。

私の場合は、すでにコンサートの予定が入っている日がほとんどなので、残念ながら1つか2つの公演しか聴けません とくにスダーンが指揮をする選抜オケのコンサートは両日とも埋まっていて、とても残念です。超お薦め公演です。どなたか代わりに聴きに行ってください

 

 

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