人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

山田和樹 ✕ 小菅優 ✕ 読売日響でスクリャービン:交響曲第4番「法悦の詩」、藤倉大:ピアノ協奏曲第3番「インパルス」他を聴く ~ 読売日響第584回定期演奏会

2019年01月19日 07時20分50秒 | 日記

19日(土)。わが家に来てから今日で1569日目を迎え、大相撲の東横綱鶴竜(モンゴル出身)が初場所6日目の18日、右足首の痛みのため休場した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                横綱稀勢の里は引退しちゃうし また白鵬の一人横綱になっちまった 魅力がないな

 

         

 

昨日の夕食は「豚バラ野菜のとんこつ鍋」にしました 寒い冬は鍋ですね

 

     

 

         

 

昨夕、サントリーホールで読売日響の第584回定期演奏会を聴きました プログラムは①諸井三郎「交響的断章」、②藤倉大:ピアノ協奏曲第3番「インパルス」、③ワーグナー:舞台神聖祭典劇「パルジファル」から第1幕への前奏曲、④スクリャービン:交響曲第4番「法悦の詩」作品54です 演奏は、②のピアノ独奏=小菅優、指揮=2018年4月から読響首席客演指揮者の山田和樹です

 

     

 

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの読響の並びです コンマス・長原幸太の対面にヴィオラ首席の柳瀬省太と鈴木康浩が並んでいるのを見ると、なぜか嬉しくなります この3人が揃うと この日のコンサートは絶対 成功裏に終わると確信が持てます

1曲目は諸井三郎の「交響的断章」です   この曲は諸井三郎(1903-1977)が東大を卒業時の1928年に独学により作曲した作品です。名前の通り単一楽章の曲です

山田和樹が指揮台に上がり演奏が開始されます。全体を聴いた印象は、次から次へと思いつくままのメロディーを繋げたような、昭和の香りがする作品でした

ピアノがステージ中央に移動し、すぐそばに、ピアニストの運指を映像で捉えるビデオカメラが設置されます ステージ上には何本かの収音マイクが林立しています。いずれ日本テレビの「読響シンフォニックライブ」で放映するのでしょう

2曲目は藤倉大のピアノ協奏曲第3番「インパルス」です この作品は今や世界的な名声を博している藤倉大(1977~)が、モンテカルロ・フィルとスイス・ロマンド管との共同委嘱作品として2017年から18年にかけて作曲し、18年10月に小菅優のピアノ独奏、山田和樹指揮モンテカルロ・フィルにより世界初演されました 作曲者本人の「プログラム・ノート」によると、「インパルスは、体内の細胞レベルで繰り返される電気信号で、音楽は常にインパルシヴ(衝動的)に動き始め、ピアノがインパルス(信号)としてオーケストラに信号を送り、インパルシヴ(衝動的)にオーケストラが即座に反応する。その後はそのオーケストラのインパルス(信号)としての反応に、ピアノがまた新たなインパルス(信号)をインパルシヴ(衝動的)に発し・・・というのを繰り返す作品」とのことです

ブラウン系の衣装に身を包まれた小菅優が登場、ピアノに向かい、山田の指揮で演奏に入ります 全体を聴いた印象は「煌めく星座」です それにつけても、小菅優というピアニストはモーツアルトを弾き振りしても、ベートーヴェンのソナタを弾いても、時代の最先端を行く藤倉大の作品を演奏しても、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれます

演奏後、指揮者に促されて、客席から藤倉大がステージに上がり、大きな拍手を受けました

鳴り止まない拍手に小菅優は藤倉大の「ウェイヴス」という曲を、まるでジャズのインプロヴィゼーション(即興演奏)のように演奏、拍手喝さいを浴びました


     


プログラム後半の1曲目はワーグナー:舞台神聖祭典劇「パルジファル」から第1幕への前奏曲です 「パルジファル」はリヒャルト・ワーグナー(1813-1883)が1877年から82年にかけて作曲した神秘主義的宗教劇です この曲は「歌劇」でも「楽劇」でもなく、「舞台神聖祭典劇」とワーグナーは名付けましたが、これは「カトリックやプロテスタントだけでなく、東洋思想や仏教までも取り込んだ作品」として位置づけられています

山田和樹の指揮で演奏に入ります。最初は弦楽器で演奏され、管楽器が加わって展開される静かでゆったりした音楽は、ワーグナーの毒を孕んでいます 一度この魅力にはまったら逃れる術がありません ワーグナーは危険です。ワーグナーの音楽は、旋律がどこまでも音の流れとして発展していき、オペラが終わるまで続く「無限旋律」が大きな特徴です したがって、ワーグナーの歌劇や楽劇などを聴く時はコンサートに遅刻してはなりません 第1幕が終わるまで会場に入れてもらえないので1時間以上ロビーで待たされることを覚悟しなければなりません それにしても、この前奏曲は何回聴いても素晴らしいと思います。私はどっぷりワーグナーの毒に浸かっているようです

最後の曲はスクリャービンの交響曲第4番「法悦の詩」作品54です この曲はアレクサンドル・スクリャービン(1872-1915)が1905年から1907年にかけて作曲した作品です 音楽評論家・西耕一氏による「プログラム・ノート」によると、「スクリャービンは全宇宙の根底にある絶対的な神性と人間は本質的に同一であるという考え方に共感を持つようになり、自分と神との同一性を信じて、芸術によって世界を変革させることさえできると考えて作曲を行った」「『法悦の詩』は単一楽章、序奏付きの自由なソナタ形式。この曲における『法悦』とは、音楽による大きな精神の高揚によって、シャーマンのトランス状態のような感覚、つまり神と一体化して絶対的な境地に至るイメージと解釈できる」とのことです

山田和樹の指揮で演奏に入りますが、全体的な印象は、ワーグナーの無限旋律の影響を大きく受けているような息の長い旋律が色彩感溢れる管弦楽によって演奏されます フィナーレにおけるトランペット、ホルンの咆哮を中心とする管弦楽による音の大伽藍は大地を揺るがすほどです これほど高いテンションの続くフィナーレも珍しいかも知れません。読響は持てる力を出し切ったという感じでした

 

     

 

  

2011年2月15日にtoraブログを開設してから あと1か月弱で満8年となりますが、本日アップしたこのブログが ちょうど 3000本目となりました   これまで懲りずにご愛読いただいた読者の皆さまに感謝いたします。ありがとうございました 取りあえず4000本を目指して毎日休まず書き続けて参りますので、今後ともモコタロともども よろしくお願いいたします

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