29日(月).昨日、注文しておいた冷蔵庫が届きました 今まで使っていた冷蔵庫は20年以上もわが家に仕えてくれました.昔の機械は長く持つように作られていますね
朝,配送の担当者から電話があり,午前10時から正午の間で,正午に近い時間帯に伺うことになると思う,という話でした.早くから中の物を外に出すと温まってしまうので,11時頃から取り出し作業を始めました.入口からキッチンまでの搬入ルートを確保するのも大変です
幸いちょうど作業が終わる11時半頃に玄関のピンポーンが鳴り,古い冷蔵庫を搬出し,新しい冷蔵庫を搬入する作業が行われました
今までと中の造りが違うので,どこに何を入れたらよいか戸惑いながら,取りあえず冷蔵庫と冷凍庫に分けてそれぞれ飲食料と調味料を入れました.やっぱり新しいのは良いものですね
ということで,わが家に来てから263日目を迎え,缶コーヒー相手に遊ぶモコタロです
ご主人はいつも 缶コーヒーほどマズイものはないと言っているよ
閑話休題
吉田修一著「路(ルウ)」(新潮文庫)を読み終わりました 吉田修一は1968年生まれ.高校まで長崎で過ごし上京,法政大学を卒業しています.2002年に「パレード」で第15回山本周五郎賞を,「パーク・ライフ」で第127回芥川賞を,2007年に「悪人」で第61回毎日出版文化賞と第34回大仏次郎賞を受賞しています
台湾に日本の新幹線が走ることになった.この作品は2000年の「逆転」,2001年の「着工」,2002年の「700系T],2003年の「レール」,2004年の「陸揚げ」,2005年の「試運転」,2006年の「開通式典」,2007年の「春節」というように,日本が台湾の新幹線の製造・工事を受注するところから,試運転を経て開通するまでの時代背景の中で,商社の台湾支局に勤める春香と,日本で建築家として働くことになる人豪との巡り合い,台湾で生まれ戦後引き揚げた老人の若かりし日の過ちの悔悟,経済的には恵まれない中でも懸命に生きる若者たちの姿を同時並行的に描いた渾身の作品です
最初にこの本のタイトル(路)と見出しを見た時は,台湾新幹線の建造・開通までの技術者たちの苦労話だと思っていたのですが,見事に(良い方に)外れました 作品を通して,日本人と台湾人との間の「予定」とか「締め切り」とかの考え方の違い,つまり「予定」とは「締め切り」までにその仕事を終えることだという日本の考え方に対し,「予定」とはあくまで「未定」で,締め切りに遅れるのは普通のことだという台湾の考え方の違いが描かれています
もっとも,これは台湾だけでなくアジア諸国全般について言えることかもしれません
いくつかの物語が交錯して進められますが,登場人物が複雑に絡み合って一つの流れを形成していき,最後に静かな感動を呼びます 巻末の「解説」はありません.475ページの読み応えのある力作です.お薦めします