人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

マリインスキーオペラ「トゥーランドット」を聴いてきました。

2011年02月20日 21時30分40秒 | 日記
20日(日)NHKホールでワレリー・ゲルギエフ指揮マリインスキー・オペラによるプッチーニの「トゥーランドット」を観てきた。1階C18列24番。ヒロインのトゥーランドット姫をマリア・グレギーナ、カラフをガルージン、リューをゲルズマーワが歌った。これを観たいと思ったきっかけは、去年、東劇でメト・オペラビューイング(ニューヨークのメトロポリタンオペラが上演したオペラを映画化して全世界で公開した映像)を何本か観たが、グレギーナがトゥーランドットを歌っているのを観て、あまりの素晴らしさに感動して再び観に行ったのだ。彼女の歌うトゥーランドットをナマで観ないうちは死んでも死に切れない、と思っていたところ、思ったよりも早くそのチャンスが訪れたという訳だ。しかも指揮は今や飛ぶ鳥を落とす勢いのゲルギエフ、聴きに行かねば一生後悔する!!
第1幕はトゥーランドットの歌う場面がないのだが、彼女が舞台下手から出てきて中央で「首を切れ」というジェスチャーをして上手に去っていっただけなのに、その存在感といったらすごかった。一言も言葉を発していないのに冷徹な姫君の性格を表現していた。第2幕第2場に彼女のアリア「この宮殿に」が歌われ3つの謎かけが始まるが、最初はちょっぴり音楽の流れに乗り切れていないかな?と感じたが徐々に調子を上げてきた感じだった。とは言うもののグレギーナはグレギーナだ。圧倒的なドラマチック・ソプラノの歌唱力は衰えることを知らない。リュー役のゲルズマーワは1994年のチャイコフスキーコンクールの声楽部門でグランプリ(一位の上)を受賞したという実力者で、世界中のオペラ劇場で引っ張りだこの人気者だ。心やさしいリューの役柄をリリック・ソプラノで可憐に歌い上げ、拍手を浴びていた。
全体を通して声も役作りも優れていたのはカラフ役のテノール:ガルージンだった。とくに第3幕冒頭のアリア「だれも寝てはならぬ」は歌い終わった後オーケストラ演奏が続いている中、拍手が始まり、しばし鳴り止まなかった。
ところで、圧倒的な迫力の音楽の中で幕が下り、出演者全員が舞台に揃って観客の拍手に応えていたとき、舞台上のコーラスの中からカメラのフラッシュが焚かれた。その後、観客席からも2ヶ所でフラッシュが焚かれた。オーケストラやオペラの公演では、必ず直前に「ケータイの電源を切ること」「録音や撮影をしないこと」をアナウンスする。こんな事は今では世界の常識だ。今回の件は「日本の恥」だ。それにしても、ロシアから連れてきたコーラスの中にも1人とはいえ非常識な輩がいたのは「ロシアの恥」だろう。「2対1で日本の負け」という問題ではない。平気でフラッシュを焚くような無法者は、わざわざ高いお金を払ってオペラを観に来ることはない。自宅のテレビで「タレントのタレントによるタレントのための番組」でも見ていればよいのだ。その方が世のためひとのためになる。
コメント
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