16日(水)。新日本フィルの公式サイトによると、今年10月11日(土)・13日(月・祝)に開催予定の久石譲指揮「第666回定期演奏会」は、楽譜の原出版社の都合によりジョン・アダムズ「シティ・ノワール」の改訂された楽譜の貸与が想定期間内に行われなかったため、ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」(1945年版)に変更するとしています 珍しい理由での変更ですね
なお、プログラムのもう1曲=フィリップ・グラス「ヴァイオリン協奏曲第2番」に変更はないとのことです
ということで、わが家に来てから今日で3837日目を迎え、トランプ米大統領は14日、ウクライナに侵攻するロシアが50日以内に停戦に合意しなければ、ロシアと取引する国に100%の「厳しい関税」を課す考えを示した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
日本が石油・天然ガスの権益を持つ サハリンでの共同事業は 関税の対象外ってことでいいのかな?
昨夜、サントリーホールで読売日響「第684回 名曲シリーズ」を聴きました プログラムは①バーンスタイン「キャンディード」序曲、②ガーシュイン「ピアノ協奏曲 へ調」、③バルトーク「ルーマニア民俗舞曲」、④ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」です
演奏は②のピアノ独奏=リーズ・ドゥ・ラサール、指揮=シルヴァン・カンブルランです
オケは14型で 左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの読響の並び。コンマスは林悠介、隣は戸原直という2トップ態勢を敷きます
1曲目はバーンスタイン「キャンディード」序曲です この曲はレナード・バーンスタイン(1918-1990)がヴォルテールの「カンディード」を原作として1956年に作曲、同年12月1日にニューヨークで舞台上演されたオペレッタ(ミュージカルとも言える)です
大ヒットした「ウエストサイド物語」のようにはいかず、改訂を繰り返し、最終的には1988年に最終稿を書き上げました
カンブルランの指揮で演奏に入りますが、冒頭の金管によるファンファーレから活気に満ちたスピード感あふれる演奏が展開します 木管が歌い、弦楽器が切れ味鋭い演奏を繰り広げます
爽快な演奏に満場の拍手が送られました
2曲目はガーシュイン「ピアノ協奏曲 へ調」です この曲はジョージ・ガーシュイン(1898-1937)がニューヨーク交響楽団の指揮者ダムロッシュの依頼により1925年に作曲、同年12月3日にニューヨークで初演されました
第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ ~ アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「アレグロ・アジタート」の3楽章から成ります
ピアノ独奏のリーズ・デ・ラサールはフランス・シェルブール生まれ。パリ国立高等音楽院で研鑽を積む 欧州各地のコンクールで優秀な成績を収め、世界各国の著名オーケストラと共演を重ねている
彼女の演奏をライブで聴くのは2022年4月24日の東京交響楽団定期演奏会でのラヴェル「ピアノ協奏曲 ト長調」(指揮=リオネル・ブランギエ)以来3年ぶりです
オケは12型に縮小します 上が黒、下が白のシンプルかつエレガントな衣装のリーズ・デ・ラサールが登場し、カンブルランの指揮で第1楽章に入ります
彼女は超絶技巧を駆使してリズミカルにピアノ・ソロを展開、カンブルランは絶妙に間合いを取ります
終結部における熱狂的な演奏は圧巻で、ここで拍手がきてもおかしくない状況でした
第2楽章はトランペットのアンニュイな演奏に導かれてピアノ・ソロがブルース調の音楽を、いくぶんスタッカート気味に演奏します
第3楽章では冒頭からピアノとオケとのエネルギッシュな演奏が展開します
ここでもリーズ・デ・ラサールは超絶技巧を駆使してリズミカルな演奏を繰り広げ、輝かしいフィナーレを飾りました
満場の拍手とブラボーが飛び交うなか、カーテンコールが繰り返されました リーズ・デ・ラサールは英語で、これから演奏する作品について紹介し、メシアン「おお、聖なる饗宴よ」を穏やかに演奏し聴衆のクールダウンを図りました
曲想としてはラヴェル「ピアノ協奏曲 ト長調」の第2楽章「アダージョ・アッサイ」によく似ていると思いました
プログラム後半の1曲目はバルトーク「ルーマニア民俗舞曲」(弦楽合奏版)です この曲はベーラ・バルトーク(1881-1945)が1909年から15年にかけて作曲、1917年に弦楽合奏へ編曲され、1918年2月11日にブタペストで初演されました
第1曲「棒踊り」、第2曲「帯踊り」、第3曲「踏み踊り」、第4曲「角笛の踊り」、第5曲「ルーマニア風ポルカ」、第6曲「速い踊り」の6曲から成ります
12型の弦楽器のみで演奏に入ります バルトークらしい民俗色に満ちた音楽が繰り広げられます
林コンマスのヴァイオリン・ソロが素晴らしかったです
最後の曲はムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」です この曲はモデスト・ムソルグスキー(1839-1881)が1873年に死去した友人の画家ガルトマンの追悼展覧会を観た印象を基にピアノ曲として1874年に作曲しました
後にラヴェルが管弦楽用に編曲し、広く親しまれるようになりました
曲は「プロムナード」、第1曲「グノームス(小人)」、第2曲「古城」、第3曲「テュイルリー」、第4曲「ヴィドロ(牛車)」、第5曲「卵の殻を付けたひな鳥のバレエ」、第6曲「サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」、第7曲「リモージュ(市場)」、第8曲「カタコンブ(古代ローマの地下墓地)」、第9曲「鶏の足の上に建つ小屋(バーバ・ヤガー)」、第10曲「キエフの大門」から成ります
弦楽器は14型に拡大し、管・打楽器が加わり、フルオーケストラ態勢になります
カンブルランの指揮で演奏に入りますが、冒頭のトランペットのソロが爽快で素晴らしかった 第4曲「牛車」ではテューバの演奏が光っていました
第5曲「雛鳥のバレエ」では木管楽器群が大活躍しました
第6曲「サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」は、弦楽器が傲慢な金持ちのサムエルを、弱音器付きトランペットが貧しいシュムイレを表しますが、私には次のように聴こえました
サ ム エ ル :日本は全く妥協しないから、関税は1%上乗せの25%だ
シュムイレ:それだけはご勘弁くだされ
サ ム エ ル :ごちゃごちゃ言ってると26%にするぞ
シュムイレ:なめられてたまるか
サ ム エ ル :ん、何か言った❓
シュムイレ:いえ、猫に足の裏を舐められたら たまらないだろうなって
サ ム エ ル :そんなアホなこと言っていると 異関税
話を戻します 弱音器付きトランペットの演奏が、いかにも貧相なシュムイレの卑屈な態度を表しているように聴こえ、素晴らしかった
第8曲「カタコンブ」では金管楽器の重低音の響きが印象的でした
そして、第10曲「キエフの大門」はオーケストラの総力を挙げての渾身の演奏により、読響らしいゴージャスな響きが会場に響き渡り、圧巻のフィナーレを飾りました
満場の拍手とブラボーが飛び交うなか、カーテンコールが繰り返されました さすがはカンブルラン
読響の常任指揮者を9年間も務めただけあって、読響の楽員の持てる力を全て引き出しました