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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

シルヴァン・カンブルラン ✕ リーズ・ドゥ・ラサール ✕ 読売日響でガーシュイン「ピアノ協奏曲へ調」、ムソルグスキー(ラヴェル編)「展覧会の絵」他を聴く

2025年07月16日 00時11分59秒 | 日記

16日(水)。新日本フィルの公式サイトによると、今年10月11日(土)・13日(月・祝)に開催予定の久石譲指揮「第666回定期演奏会」は、楽譜の原出版社の都合によりジョン・アダムズ「シティ・ノワール」の改訂された楽譜の貸与が想定期間内に行われなかったため、ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」(1945年版)に変更するとしています 珍しい理由での変更ですね なお、プログラムのもう1曲=フィリップ・グラス「ヴァイオリン協奏曲第2番」に変更はないとのことです

ということで、わが家に来てから今日で3837日目を迎え、トランプ米大統領は14日、ウクライナに侵攻するロシアが50日以内に停戦に合意しなければ、ロシアと取引する国に100%の「厳しい関税」を課す考えを示した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

日本が石油・天然ガスの権益を持つ サハリンでの共同事業は 関税の対象外ってことでいいのかな?

         

昨夜、サントリーホールで読売日響「第684回 名曲シリーズ」を聴きました プログラムは①バーンスタイン「キャンディード」序曲、②ガーシュイン「ピアノ協奏曲 へ調」、③バルトーク「ルーマニア民俗舞曲」、④ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」です 演奏は②のピアノ独奏=リーズ・ドゥ・ラサール、指揮=シルヴァン・カンブルランです

オケは14型で 左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの読響の並び。コンマスは林悠介、隣は戸原直という2トップ態勢を敷きます

1曲目はバーンスタイン「キャンディード」序曲です この曲はレナード・バーンスタイン(1918-1990)がヴォルテールの「カンディード」を原作として1956年に作曲、同年12月1日にニューヨークで舞台上演されたオペレッタ(ミュージカルとも言える)です 大ヒットした「ウエストサイド物語」のようにはいかず、改訂を繰り返し、最終的には1988年に最終稿を書き上げました

カンブルランの指揮で演奏に入りますが、冒頭の金管によるファンファーレから活気に満ちたスピード感あふれる演奏が展開します 木管が歌い、弦楽器が切れ味鋭い演奏を繰り広げます 爽快な演奏に満場の拍手が送られました

2曲目はガーシュイン「ピアノ協奏曲 へ調」です この曲はジョージ・ガーシュイン(1898-1937)がニューヨーク交響楽団の指揮者ダムロッシュの依頼により1925年に作曲、同年12月3日にニューヨークで初演されました 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ ~ アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「アレグロ・アジタート」の3楽章から成ります

ピアノ独奏のリーズ・デ・ラサールはフランス・シェルブール生まれ。パリ国立高等音楽院で研鑽を積む 欧州各地のコンクールで優秀な成績を収め、世界各国の著名オーケストラと共演を重ねている

彼女の演奏をライブで聴くのは2022年4月24日の東京交響楽団定期演奏会でのラヴェル「ピアノ協奏曲 ト長調」(指揮=リオネル・ブランギエ)以来3年ぶりです

オケは12型に縮小します 上が黒、下が白のシンプルかつエレガントな衣装のリーズ・デ・ラサールが登場し、カンブルランの指揮で第1楽章に入ります 彼女は超絶技巧を駆使してリズミカルにピアノ・ソロを展開、カンブルランは絶妙に間合いを取ります 終結部における熱狂的な演奏は圧巻で、ここで拍手がきてもおかしくない状況でした 第2楽章はトランペットのアンニュイな演奏に導かれてピアノ・ソロがブルース調の音楽を、いくぶんスタッカート気味に演奏します 第3楽章では冒頭からピアノとオケとのエネルギッシュな演奏が展開します ここでもリーズ・デ・ラサールは超絶技巧を駆使してリズミカルな演奏を繰り広げ、輝かしいフィナーレを飾りました

満場の拍手とブラボーが飛び交うなか、カーテンコールが繰り返されました リーズ・デ・ラサールは英語で、これから演奏する作品について紹介し、メシアン「おお、聖なる饗宴よ」を穏やかに演奏し聴衆のクールダウンを図りました 曲想としてはラヴェル「ピアノ協奏曲 ト長調」の第2楽章「アダージョ・アッサイ」によく似ていると思いました

プログラム後半の1曲目はバルトーク「ルーマニア民俗舞曲」(弦楽合奏版)です この曲はベーラ・バルトーク(1881-1945)が1909年から15年にかけて作曲、1917年に弦楽合奏へ編曲され、1918年2月11日にブタペストで初演されました 第1曲「棒踊り」、第2曲「帯踊り」、第3曲「踏み踊り」、第4曲「角笛の踊り」、第5曲「ルーマニア風ポルカ」、第6曲「速い踊り」の6曲から成ります

12型の弦楽器のみで演奏に入ります バルトークらしい民俗色に満ちた音楽が繰り広げられます 林コンマスのヴァイオリン・ソロが素晴らしかったです

最後の曲はムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」です この曲はモデスト・ムソルグスキー(1839-1881)が1873年に死去した友人の画家ガルトマンの追悼展覧会を観た印象を基にピアノ曲として1874年に作曲しました 後にラヴェルが管弦楽用に編曲し、広く親しまれるようになりました 曲は「プロムナード」、第1曲「グノームス(小人)」、第2曲「古城」、第3曲「テュイルリー」、第4曲「ヴィドロ(牛車)」、第5曲「卵の殻を付けたひな鳥のバレエ」、第6曲「サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」、第7曲「リモージュ(市場)」、第8曲「カタコンブ(古代ローマの地下墓地)」、第9曲「鶏の足の上に建つ小屋(バーバ・ヤガー)」、第10曲「キエフの大門」から成ります

弦楽器は14型に拡大し、管・打楽器が加わり、フルオーケストラ態勢になります

カンブルランの指揮で演奏に入りますが、冒頭のトランペットのソロが爽快で素晴らしかった 第4曲「牛車」ではテューバの演奏が光っていました 第5曲「雛鳥のバレエ」では木管楽器群が大活躍しました 第6曲「サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」は、弦楽器が傲慢な金持ちのサムエルを、弱音器付きトランペットが貧しいシュムイレを表しますが、私には次のように聴こえました

サ ム エ ル :日本は全く妥協しないから、関税は1%上乗せの25%だ

シュムイレ:それだけはご勘弁くだされ

サ ム エ ル :ごちゃごちゃ言ってると26%にするぞ

シュムイレ:なめられてたまるか

サ ム エ ル :ん、何か言った❓

シュムイレ:いえ、猫に足の裏を舐められたら たまらないだろうなって

サ ム エ ル :そんなアホなこと言っていると 異関税

話を戻します 弱音器付きトランペットの演奏が、いかにも貧相なシュムイレの卑屈な態度を表しているように聴こえ、素晴らしかった 第8曲「カタコンブ」では金管楽器の重低音の響きが印象的でした そして、第10曲「キエフの大門」はオーケストラの総力を挙げての渾身の演奏により、読響らしいゴージャスな響きが会場に響き渡り、圧巻のフィナーレを飾りました

満場の拍手とブラボーが飛び交うなか、カーテンコールが繰り返されました さすがはカンブルラン 読響の常任指揮者を9年間も務めただけあって、読響の楽員の持てる力を全て引き出しました

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髙橋伴明監督「桐島です」を観る ~ 1974年の連続企業爆破事件の指名手配犯・桐島聡の生涯を描いた作品:足立正生監督「逃走」との比較で考えてみる

2025年07月15日 00時03分26秒 | 日記

15日(火)。わが家に来てから今日で3836日目を迎え、日本の自衛隊機が東シナ海上空で中国の戦闘機に異常接近された問題で、中国国防相の報道官は13日、中国軍機の行為について「法にのっとり、正当かつ合理的だ」とする談話を発表した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

    

    強権主義国家・中国の言う「法」は中国の法律だろう  プーチンロシアと似てる

         

昨日、夕食に「ビーフカレー」と「生野菜とモッツアレラチーズのサラダ」を作りました 今回はブロック肉でなく切り落としを使いましたが、とても美味しかったです

         

昨日、新宿武蔵野館で髙橋伴明監督による2025年製作「桐島です」(105分)を観ました

この映画は、1970年代に起こった連続企業爆破事件の指名手配犯で、約半世紀におよぶ逃亡生活の末に病死した、桐島聡の人生を映画化したものです

2024年1月に末期の胃がんのため神奈川県内の病院に入院していることが判明した桐島聡は、偽名で逃亡生活を送っていたものの「最期は本名で迎えたい」と素性を明かし、全国的に報道されましたが、その3日後に他界しました

1970年代の高度経済成長の裏で社会不安が渦巻く日本 反日武装戦線「狼」の活動に共鳴した大学生の桐島聡(毎熊克哉)は、「さそり」のメンバーとして行動する。しかし、1974年の三菱重工爆破事件に関り、多数の犠牲者を出してしまったことで、深い葛藤に苛まされる 組織が壊滅状態となり、指名手配された桐島は「内田洋」という偽名を使い逃亡生活を続け、神奈川県内の工務店で住み込みの職を得る ようやく静かな生活を手にした桐島は、ライブハウスで知り合った歌手キーナ(北香那)が歌う河島英五の「時代おくれ」に心を動かされ、相思相愛の関係になるが、自己の過去を鑑みて自制する 誰にでもある日常生活を送り 70歳になった桐島は、ある日 職場で倒れ病院に担ぎ込まれる

先に観た足立正生監督の「逃走」と比べてみると、桐島の生き方に対する視点が異なり、興味深いものがあります 足立監督は元日本赤軍のメンバーという経歴の持ち主であることからか、「逮捕され投獄された仲間たちのためにも、警察に捕らえられずに逃げ続け、最後まで生き続けることが闘争を貫徹することだ」という視点で桐島の心情を捉えています 一方、高橋監督も学生時代に政治活動の経験がありますが、工務店の同僚が外国人労働者や在日の人たちを非難した時、怒りを爆発させる桐島を描いています その点では、「逃げることが闘争」ではなく、若い頃から抱いてきた「反権力的思考」「正義感」をもって現代社会の差別・偏見などに対峙しようとする桐島の心情を捉えています 参考までに、足立監督「逃走」を観た感想は3月18日付toraブログに書きましたので、興味のある方はご覧ください

また、この映画は、「時代おくれ」という言葉が一つのキーワードになっています 映画の冒頭、喫茶店で桐島がガールフレンドと会話をするシーンで、桐島は「社会で虐げられている労働者のために活動したい」と主張しますが、彼女は「桐島君は時代おくれね 私は大企業に就職するから、別れた方がいいわね」と一方的に告げて立ち去ってしまいます

時が経って、逃亡生活の中で、桐島が ライブハウスで歌手キーナの歌う「時代おくれ」に心を動かされたのは、歌詞の次の部分に自己の姿を投影したからでしょう

目立たぬように はしゃがぬように

似合わぬことは無理をせず

人の心を見つめつづける

時代おくれの男になりたい

桐島が慣れないギターを弾きながら「時代おくれ」を歌うとき、「『時代おくれ』と言われようが、『不器用な男』と言われようが、自分はどこまでも社会で虐げられた人々に心を寄せながら生きていくんだ」というメッセージを発信しているように思いました

         

今日はサントリーホールに読響「第684回名曲シリーズ」を聴きに行きます

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砂田愛梨ソプラノリサイタルのチケットを取る ~ 上野 de クラシック(11月19日:東京文化会館小ホール)/ 道尾秀介著「いけないⅡ」を読む

2025年07月14日 00時01分31秒 | 日記

14日(月)。11月19日(水)11時から東京文化会館小ホールで開かれる「上野 de クラシック:砂田愛梨ソプラノリサイタル」のチケットを取りました   砂田愛梨は新国立オペラ「ジャン二・スキッキ」ラウレッタを聴いてファンになりました 1時間の公演で全席指定@1100円です。早い者勝ちです

といことで、わが家に来てから今日で3835日目を迎え、ロシア外務省によると、ラブロフ外相は12日、訪問先の北朝鮮南東部・元山で、金正恩朝鮮労働党総書記、崔善姫外相と個別に会談したが、北朝鮮はロシアによるウクライナ侵略を無条件に支持する姿勢を強調し、両国は軍事・経済面でのさらなる関係強化を確認した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

ロシアと北朝鮮は 強権主義同士  ならず者国家同士で気が合うようだ  人権無視の点でも共通してる

         

道尾秀介著「いけないⅡ」(文春文庫)を読み終わりました    道尾秀介は1975年生まれ。2004年「背の眼」でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー    2005年に「向日葵の咲かない夏」が大ヒットする   数々の文学賞を受賞し、2011年には「月と蟹」で直木賞を受賞した

本書は「オール讀物」に連載した短編小説を2022年9月に文藝春秋社から単行本として刊行したものを文庫化したものです

本書は次の各章から構成されています

第1章「明神の滝に祈ってはいけない」

第2章「首なし男を助けてはいけない」

第3章「その映像を調べてはいけない」

第4章「祈りの声を繋いではいけない」

各章に入る前に「ヒントサイトのご案内」というのがあり、次のような「本書のご使用方法」が紹介されています

〇まずは各章の物語をじっくりお楽しみください。

〇各章の最終ページには、ある写真が挿入されています。

〇写真を見ることで、それぞれの”隠された真相”を発見していただければ幸いです。

第1章:殺されたのは誰か?

第2章:死を招いたものは?

第3章:死体のある場所は?

第4章:?????

上記の「使用方法」に従って読み進めました

第1章は行方不明になった姉の足取りを追う妹の話です

第2章は部屋に引き籠り”首吊り男”の人形を作り続ける男の話です

第3章は息子を殺したと自首した老人の話です

第4章は第1章から第3章までに登場した人物や出来事の関係が明らかになり、事の真相が明かされます

各章の最終ページの写真を見ましたが、どうしても第1章の写真の意味が分かりませんでした   2度読みしないと分からないと思います

一番驚いたのは、第1章で姉を殺したのはAという男だと思っていたら(作者はそのようにミスリードするように仕掛けている)、第3章に登場するBという男だったことが第4章で明かされたことです この辺のストーリー展開は道尾秀介ならではで、”してやられた”と感服しました

それにしても、道尾作品の作品は主人公として少年や少女がよく登場しますね

是非ご自身でお読みいただき、写真の謎を解き明かしてみてください

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「サントリーホール オペラ・アカデミー修了コンサート」を聴く ~ プリマヴェーラ・コース第7期生:占部李佳、川崎想、東山桃子、山元三奈、深代大樹、谷島晟の将来に幸あれ!

2025年07月13日 00時28分35秒 | 日記

13日(日)。わが家に来てから今日で3834日目を迎え、国際サッカー連盟(FIFA)がトランプ米大統領の一族が保有する米ニューヨーク市内のビル「トランプタワー」にフォフィスを開くが、北中米3か国が開催する2026年ワールドカップを1年後に控え、トランプ氏と良好な関係を築く狙いがあると見られている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

  

  FIFAって政治的中立性が求められるんじゃないの? 米国だけでなく国際団体もオカシイ

         

昨日、サントリーホール「ブルーローズ」で「サントリーホール オペラ・アカデミー修了コンサート」を聴きました 出演は同アカデミーのプリマヴェーラ・コース第7期生の6人です ソプラノ=占部季佳、川崎想、東山桃子、山元三奈、テノール=深代大樹、谷島晟。ピアノ=小藤田みゆき、齊藤真優です

「オペラ・アカデミー」は、サントリーホール主催のホール・オペラに付随する育成プログラムとして1993年に発足、2011年秋から若い声楽家・ピアニストのための「プリマヴェーラ・コース」を開設、エグゼクティブ・ファカルティに元テノール歌手で現在は指揮者・声楽指導者として活躍中のジュゼッペ・サッバティー二が就任しました

2年間の「プリマヴェーラ・コース」では、1年目は発声の基礎技術からイタリア古典歌曲まで、2年目はトスティなどのイタリア室内歌曲を学びます 現在、プリマヴェーラ・コース第7期生が6名(ソプラノ4名、テノール2名)が在籍し、2023年7月からサッバティー二による特別研修会、彼の指導方針に基づいたコーチング・ファカルティによる月例研修会を開きました

自由席なので、少し早めに並んで、右ブロック3列目左通路側席を押さえました

前半・後半とも各10曲歌われましたが、最初は山元三奈 ⇒ 谷島晟 ⇒ 東山桃子 ⇒ 深代大樹 ⇒ 占部季佳 ⇒ 川崎想の順に1曲ずつ歌い、続いて順番を崩して6人が歌っていき、最後は谷島晟が締めました ちなみに、私は10曲とも初めて聴く曲です

山元三奈(やまもと みな)は2022年東京藝大首席卒業、並びにアカンサス音楽賞、松田トシ賞、同声会賞、佐々木成子賞受賞 二期会オペラ研修所第67期マスタークラス修了。第76回全日本学生音楽コンクール全国大会第2位 ⇒ ロッシーニ「約束」、ベッリーニ「喜ばせてあげて」、トスティ「薔薇」の3曲を歌いましたが、何より表情が豊かで声がよく伸びます

谷島晟(やじま じょう)は2022年国立音大卒業。第10回東京国際声楽コンクール入選。第1回国際声楽コンクール東京第3位 ⇒ チマーラ「海のストルネッロ」、プッチーニ「偽りの報告」、ドナウディ「あの愛おしい日々」、ロッシーニ「踊り」の4曲を歌いましたが、チマーラをはじめ、突き抜けた高音が素晴らしかったです

東山桃子(とうやま ももこ)は東京藝大首席卒業、並びにアカンサス音楽賞、松田トシ賞、同声会賞受賞。同大学院修士課程修了。第60回日伊声楽コンコルソ入選 ⇒ ベッリーニ「追憶」、チレーア「目覚めの中で」、ザンドナーイ「神秘」、レスピーギ「古い歌に寄せて」の4曲を歌いましたが、4曲の歌い分けが素晴らしく、力強くドラマティックな歌唱が印象的でした

深代大樹(ふかしろ たいき)は国立音大卒業、同大オペラ・ソリスト・コース修了。同大大学院修士課程修了 ⇒ トスティ「もう君を愛さない」、トスティ「おお 賢人の言葉はなにを語るのか?」、ドナウディ「かぎりなく優美な絵姿」の3曲を歌いましたが、力強くリリカルな歌唱が素晴らしい

占部季佳(うらべ ももか)は2023年東京藝大卒業。第72回全日本学生音楽コンクール北九州大会第3位。第67回藝大オペラ「魔笛」童子Ⅲ役でオペラ・デビュー ⇒ トスティ「祈り」、レオンカヴァッロ「四月」、チマーラ「郷愁」の3曲を歌いましたが、とくに「四月」の溌溂とした歌唱が印象的でした

 川崎想(かわさき こころ)は2023年東京藝大卒業、同声会賞受賞。同大学院音楽研究科修了。第68回藝大オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」フィオルディリージ役を務める ⇒ ドナウディ「いつかきみに会えるのか」、チマーラ「愛の神よ ようこそ」、トスティ「どうか」の3曲を歌いましたが、どの曲も心を込めて歌っているのが伝わってきました 歌唱力も十分で、立ち姿に華があるので 期待できる思います

感想は以上ですが、6人とも甲乙つけがたいほど素晴らしいパフォーマンスでした 蛇足ですが、女性4人がすべて東京藝大卒、男性2人がともに国立音大卒というのも面白いと思いました

なお、ピアノ伴奏を務めた小藤田(ことうだ)みゆき、齊藤真優(さいとう まゆ)の2人は、素晴らしい演奏で若い研修生たちを支えました

大きな拍手の中、カーテンコールが繰り返されました 会場からサッバティー二がステージに呼ばれ、バッハ・コレギウム・ジャパンのテノールでお馴染みの櫻田亮の通訳により、「今の世界は戦争が多すぎる 我々は芸術家としての役割を忘れずに世界に尽くしたい 戦争が一刻も早く終結することを祈りたい」と挨拶し、アンコールにヴェルディ「ファルスタッフ」の最終フーガ「この世はすべて冗談」をファカルティ(講師)らも交えて全員で合唱し、大きな拍手の中、コンサートを締めくくりました

このアカデミーは新国立劇場オペラ研修所と同様、次代を担うオペラ歌手を育成する貴重なプログラムです 研修生たちのこれからの活躍を見守り、応援したいと思います いつの日か、オペラ公演でお目にかかることを楽しみにしています

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METライブビューイングでロッシーニ「セヴィリャの理髪師」を観る ~ ジャック・スワンソン、アイグル・アクメトチナ、アンドレイ・ジリカウスキ、ピーター・カルマンにブラボー!

2025年07月12日 00時18分19秒 | 日記

12日(土)。わが家に来てから今日で3833日目を迎え、米東部ニューハンプシャー州の連邦地裁は10日、米国で生まれた子供に自動的に国籍を与える「出生地主義」の修正を命じたトランプ大統領の大統領令について、人権団体が6月末に起こしたクラスアクション(集団訴訟)を認め、発効を全米で一時的に差し止める命令を出した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

個人ではなく集団訴訟なら 憲法違反のトランプの大統領令を無効にすることが出来るってこと

         

昨日、夕食に隔週金曜日のローテにより「鶏のから揚げ」を作りました 今回も天つゆを作り、大根おろしと一緒に食べましたが、とても美味しかったです

         

昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、ロッシーニ「セヴィリャの理髪師」を観ました   これは今年5月31日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です   出演は、アルマヴィーヴァ伯爵=ジャック・スワンソン、ロジーナ=アイグル・アクメトチナ、フィガロ=アンドレイ・ジリカウスキ、バルトロ=ピーター・カルマン、ドン・バジリオ=アレクサンダー・ヴィノグラドフ。菅弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団、合唱=メトロポリタン歌劇場合唱団、指揮=ジャコモ・サグリパンティ、演出=バートレット・シャーです

指揮を執るジャコモ・サグリパンティは1982年イタリア出身。ペーザロのロッシーニ音楽院などでピアノ、作曲、指揮を学ぶ パリ・オペラ座、ウィーン国立歌劇場などで指揮を執る

    

「セヴィリャの理髪師」はジョアッキーノ・ロッシーニ(1792-1868)が1816年にローマのアルジェンティーナ劇場で初演した全2幕4場から成るオペラです

物語の舞台は18世紀のスペイン・セヴィリャ   プラドで見初めた町娘ロジーナを追ってやってきたアルマヴィーヴァ伯爵は、彼女が後見人のバルトロの家で籠の鳥状態になっていることを知る  町の名物男で理髪師をやっている旧知のフィガロと再会した伯爵は、フィガロを相棒にロジーナを助け出そうと決心する    フィガロのアドヴァイスに従い、伯爵は酔っ払いの兵士や音楽教師に変装してバルトロ家に潜り込む・・・

「序曲」は「イギリスの女王エリザベス」に用いられたものをそのまま転用しています 序曲の演奏の間、オーケストラピットの中も映し出されますが、弦楽器の編成は左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリン、その後ろにコントラバスという対抗配置を採っていることが分かります コンマスは女性です

バートレット・シャーの演出は何度も過去のライブビューイングで観ているので、私にとってはお馴染みです ステージは張り出し舞台で、舞台と通路の間にオーケストラピットが挟まれる型になっており、歌手は時にピットの周りをぐるっと回りながら歌います これが楽しい

歌手陣は総じて絶好調です

アルマヴィーヴァ伯爵役のジャック・スワンソンは1992年ミネソタ州出身のテノールです オクラホマ大学で音楽学士号、ライス大学で音楽修士号を取得後、数々の国際コンクールで優勝しています 超絶技巧の装飾を含めたリリカルな歌唱と身体能力の高い演技力で聴衆を魅了しました 彼の歌唱を聴きながら、全盛期のフアン・ディエゴ・フローレスのベルカントを思い出しました

ロジーナ役のアイグル・アクメトチナは1996年ロシア生まれのメゾソプラノです ウファ芸術大学で学ぶ。2017年に英国ロイヤル・オペラの若手芸術家育成プログラムに参加。20年には新国立劇場「こうもり」のオルロフスキー公爵役で出演、METライブでは23-24年の「カルメン」タイトルロールを歌い強い印象を残しました 本公演では、装飾を施した美しい歌唱とコミカルな演技で存在感を示しました

フィガロ役のアンドレイ・ジリカウスキは1985年モルドバ生まれのバリトンです シュテファン・ニャガ音楽大学で合唱指揮を学び、サンクトペテルブルクのリムスキー=コルサコフ国立音楽院で研鑽を積む。現在、世界のオペラハウスで活躍しています 力強く深みのある歌唱と卓越した演技により立派に主役を果たしました

バルトロ役のピーター・カルマンは1970年ハンガリー生まれのバスバリトンです ハンガリー国立歌劇場を中心に活躍しています 早口言葉による超絶技巧の歌唱とコミカルな演技で聴衆を惹きつけました

ドン・バジリオ役のアレクサンダー・ヴィノグラドフは1976年モスクワ生まれのバスです モスクワ工科大学物理数学科に入学後、オファーを受けてモスクワ音楽院声楽科に転向。ボリショイ劇場を経て世界的に活躍しています 「蔭口はそよ風のように」の深みのある歌唱で存在感を示しました

名前は分かりませんが、バルトロ家の女中ベルタを歌った歌手も素晴らしかったです 私はリズミカルに歌われるこのアリアが大好きです

序曲をはじめ、随所で聴かれるロッシーニ・クレッシェンドが堪りません こんなに楽しいオペラは他にありません 喜劇的なオペラ(ブッファ)と言えば、モーツアルト「フィガロの結婚」とロッシーニ「セヴィリャの理髪師」が双璧ですが、フィガロが「笑いとペーソスのオペラ」だとすれば、セヴィリアは「理屈抜きで楽しいドタバタ喜劇」です

ところで、これまでMETライブでバートレット・シャーの演出により上映された「セヴィリャの理髪師」のマイベストは、2007年3月24日に上演された公演で、アルマヴィーヴァ伯爵=フアン・ディエゴ・フローレス、ロジーナ=ジョイス・ディドナート、フィガロ=ペーター・マッティ、バルトロ=ジョン・デル・カルロといった布陣です ライブビューイングのアンコール上映で何回も観ましたが、トータルでこの公演を超えるパフォーマンスがなかなか実現しません ただ、今回の公演は、かなり近いところにあると思います

本ライブビューイングは休憩・歌手へのインタビュー等を含め3時間22分です 新宿ピカデリーなど東京都内では7月17日(木)まで、東銀座の東劇のみ7月24日(木)まで上映されます

「METライブビューイング2024ー2025」もこの「セヴィリャの理髪師」をもって終了します 11月21日(金)から始まる「2025-2026シーズン」のラインナップと上映日程は以下の通りです

全8作のうち、個人的に最も期待しているのはベッリーニの2つのベルカント・オペラです 第1作「夢遊病の女」ではネイディーン・シエラがアミーナを歌い、第5作「清教徒」ではロゼット・オロペーサがエルヴィーラを歌うのが楽しみです また、第7作「エフゲニー・オネーギン」ではアスミック・グリゴリアンがタチヤーナを歌い、第6作「トリスタンとイゾルデ」では双子を出産したリーゼ・ダーヴィッドセンがイゾルデに挑みます 第4作「アンドレア・シェニエ」ではソニア・ヨンチョヴァとピョートル・ベチャワのコンビが出演します

一方、第2作「ラ・ボエーム」ではフランコ・ゼフィレッリの、第3作「アラベッラ」ではオットー・シェンクの華麗な演出が楽しみです

         

今日はサントリーホール「ブルーローズ」に「サントリーホール  オペラ・アカデミー修了コンサート」を聴きに行きます

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吉田修一原作・李相日監督「国宝」を観る ~ 血筋か才能か?:吉沢亮と横浜流星の女形の踊りが素晴らしい!

2025年07月11日 00時04分54秒 | 日記

11日(金)。わが家に来てから今日で3832日目を迎え、トランプ米大統領とセネガルなどのアフリカ5か国の首脳が9日に会談した際、アフリカの首脳がトランプ氏はノーベル平和賞に「ふさわしい」などと持ち上げる場面があり、トランプ氏は「素晴らしい」と喜んだ  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

   

   アフリカの首脳の意図は 米国からの投資拡大を期待してのことと トランプには通じない?

         

昨日の夕食は「焼き肉」「生野菜とモッツアレラチーズ」「ワカメスープ」にしました 焼き肉は久しぶりですが、たまにはいいでしょう

         

昨日、TOHOシネマズ池袋で吉田修一原作・李相日監督による2025年製作映画「国宝」(175分)を観ました

任侠の一門に生まれた喜久雄(吉沢亮)は抗争で父親を亡くし、上方歌舞伎名門の当主・花井半二郎(渡辺謙)に引き取られる 歌舞伎の世界に飛び込んだ彼は、未来を約束された御曹司・俊介(横浜流星)と出会う 正反対の血筋を受け継ぎ、生い立ちも才能も異なる2人は、互いに高め合い、芸に青春を捧げていくが、多くの出会いと別れが運命の歯車を大きく狂わせていく

恥ずかしながら、私はこれまで本物の歌舞伎を2回しか観たことがありません 1度目は新聞関係団体に入職して2年目に、アメリカの新聞記者団に同行して東銀座の歌舞伎座に「児雷也豪傑譚(じらいやごうけつものがたり)」を観に行ったときで、2度目は同じ歌舞伎座でしたが、演目が何であったかさっぱり思い出せません そんなわけで、歌舞伎はド素人と言っても過言ではありません そんな私にも、男だけが演じる歌舞伎の美しさや歌舞伎界の厳しさがストレートに伝わってきました

この映画は「歌舞伎」の世界を描いているので、「娘道成寺」「二人道成寺」「鷺娘」など、女形が主役となる演目がいくつも踊られます 驚くのは喜久雄役の吉沢亮と俊介役の横浜流星の踊りの素晴らしさです 2人は1年半も稽古をしたといいますが、身体能力の高さと表現力の巧妙さが光ります まるで本物の歌舞伎役者が躍っているようにしか見えませんでした 脇役陣も素晴らしい。当代一の歌舞伎役者・小野川万菊を演じた田中泯は、歌舞伎界の大御所といった貫禄で、とにかく眼が鋭く、見ていて怖くなるほどでした また、花井半二郎の妻を演じた寺島しのぶは、まさに歌舞伎界の名門家庭に生まれた女性といった風情で、夫の理不尽に対する怒りの表現が半端ありませんでした

この映画では、踊りのシーンを客席側から映し出すだけでなく、花道から揚幕に引っ込んでいく役者を背中から映したり、舞台にせり上がる役者の視点から客席を見せたりして、普段は見ることができない”裏側”の世界を映し出していて興味深いものがあります

喜久雄が芸者との間にもうけた幼い娘に「神様に何をお祈りしたの?」と訊かれた時、喜久雄は「お祈りしたんじゃなくて、神様と取引をしたんだよ もし日本一の歌舞伎役者になれたら、ほかのものは諦めますって」と答えます これは悪魔メフィストと死後の魂の服従を交換条件に、現世で人生のあらゆる快楽と悲哀を体験できるという契約を交わした「ファウスト」を想起させます 喜久雄は日本一の歌舞伎役者になるために芸者と正式に結婚もせず、子どもの将来のことも考えず、すべてを犠牲にして頂点を目指したのです 映画の終盤で、「人間国宝」に指定された喜久雄の前に、彼の姿を撮影するために女性カメラマンが現れます 彼女は喜久雄の実の娘でした 彼女は喜久雄に「本人は国宝になって良かったかもしれないけれど、それまでの間に、どれほどの人が犠牲になってきたか」と批判します 歌舞伎の”血”が流れていない喜久雄にとって、芸を磨くこと以外に自分の存在価値を世間に認めさせる手段がなかったということでしょう

3時間弱の映画を観終わって、「良い映画を観た」と満足感に浸ると同時に、3回目の歌舞伎を歌舞伎座で観たくなりました

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新国立劇場「The Atre」ポイントアップサービスに申し込む / 中山七里著「能面検事の死闘」を読む ~ 連続無差別殺人事件の犯人を救出する「ルサンチマン」の正体とは?

2025年07月10日 00時01分54秒 | 日記

10日(木)。昨日午前、整骨院の後、近所のクリニックで「特定健診」(一般の健康診断)を受診してきました 肺のレントゲン検査の結果も含めて現時点では異常なしとのことでした 結果の詳細は3週間後くらいに通知してくれるとのことです 今回驚いたのは、血圧です。これまでは上が140前後・下が80前後と高めの数値でしたが、今回は115-80でした。上が115という低さは初めてです。まあ、結構歩いているし、食事には日ごろから気を付けているので、それが大きいかもしれません

話は変わりますが、新国立劇場の会員サービス「The Atre」から「2025/2026シーズン ポイントアップサービス アイテム」の案内が届きました

獲得ポイントに応じてサービスが受けられることになっています 私のポイントは550ポイントです いつも通り、①「オペラ・演劇プログラム引換券」(100ポイント✕5枚)と②フッフェ&ショップ共通クーポン(50ポイント1枚)を申し込みました オペラのプログラムは@1,200円なので5枚で6,000円に相当します これは大きいです

また、ポイントに関わらず誰でも応募できる「抽選アイテム」については、当選確率が高い11月13日のオペラ「ヴォツェック」ゲネプロを選びました 複数の選択肢から選べるサービスの場合、当選確率が高いのは招待者数が多い公演です 今回はオペラの本公演への招待がいずれも4名となっている一方、ゲネプロは3公演(「ヴォツェック」「愛の妙薬」「エレクトラ」)とも30人招待となっています 私はこれまでこの応募のやり方で、コルンゴルト「死の都」、 グルック「オルフェオとエウリディーチェ」、ベッリーニ「夢遊病の女」のゲネプロが当選し、本公演の予習として見学することが出来ました いくら希望しても当選しなければ意味がありません 少しでも可能性の高い選択肢を選ぶべきです

         

10月1日(水)は①18時開演の新国立オペラ「ラ・ボエーム」と②19時開演の「東京都交響楽団Bシリーズ定期演奏会」とがダブっているので、都響の方を12月19日(金)14時から東京芸術劇場で開かれる「Cシリーズ定期演奏会」に振り替えました 最初は10月の他のシリーズ公演にしか振り替えできないと思っていたのですが、WEB上で振り替え手続きをする段階で、9月から12月までの公演に振り替え可能で座席指定も出来ることが分かり、大変助かりました 振り替え先の選択肢の多さは読響に匹敵します 都響の場合、新しいチケットが郵送で届いたら、手元のチケットは自分で破棄すればよいのです 振り替え手続きがWEB上で簡単に出来るのは都響だけだと思いますが、これを含めて、都響のチケット発券システムは全国のオーケストラの中で一番優れているのではないかと思います 他のオーケストラも都響システムのようにすればいいのに、と思いますが、それぞれのオケで事情があるのでしょうね

ということで、わが家に来てから今日で3831日目を迎え、トランプ米大統領は8日、ウクライナ停戦に応じないロシアのプーチン大統領を名指しし「多くの人を殺している。プーチンはでたらめばかり言っている」と批判し、ウクライナに防空システム「パトリオット」を含めて追加供与できる兵器についてとりまとめるよう国防総省に指示した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

”でたらめ”はトランプもいい勝負だと思うけど  ウクライナ支援でポイント稼げば印象良くなるかも

         

昨日、夕食に「メカジキの照り焼き」「生野菜とモッツアレラチーズのサラダ」「エノキダケの味噌汁」を作り、娘が仕入れてきた「たたみいわし」を炙りました 和食はいいですね

         

中山七里著「能面検事の死闘」(光文社文庫)を読み終わりました  中山七里は1961年岐阜県生まれ。「さよならドビュッシー」で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー 「中山七里は七人いる」と言われるほどの多作作家として知られる

南海電鉄岸和田駅で無差別殺人事件が発生する 7名を殺害したとして「無敵の人」を自称する笹清政市が逮捕される 数日後、大阪地検で郵送物の爆発事件が発生する 被疑者「ロスト・ルサンチマン」は笹清の釈放を求めてきた 事件を追及する不破俊太郎一級検事も新たな爆破事件に巻き込まれ大けがを負う 連続爆破事件は食い止めることができるのか? 「ロスト・ルサンチマン」の正体は? 彼の真の目的は何か

この作品は光文社刊「小説宝石」2020年11月号から2021年10月号まで掲載され、2023年5月に単行本として刊行されたものを文庫化したものです

最初のうちは、無差別殺人事件の犯人・笹清政市(32歳)の責任能力の有無を問う、「心神喪失者の行為は、罰しない」と定める「刑法第39条」の解釈を巡るストーリーになるかと思っていたら、彼の釈放を求める「ルサンチマン」の出現によって予想外の展開をみせます ルサンチマンは笹清政市の護送の隙を突き、彼を警察の手から救出したうえで殺害するという考えられない展開が待っています ルサンチマンの正体となぜ笹清を殺害したのかについては、後で読み返すと、しっかり伏線が張ってあり、「またしても、してやられた」と思ってしまいます

「”どんでん返しの帝王”健在なり」と言いたくなるミステリーです お薦めします

本日、toraブログのトータルアクセス数が980万PVを超えました これもひとえに普段からご訪問くださっているフォロワーの皆さまのお陰と感謝しております 周知の通り、gooブログは今年10月1日の最終投稿日をもって終了します。したがって、toraブログは9月末までに目標の1,000万PV達成を目指します これからも毎日休むことなく書き続けて参りますので、モコタロともどもよろしくお願いいたします

【忘備録】2025年7月10日現在のtoraブログのトータルアクセス数・ランキング等

(ブログ開設から5259日。投稿本数5410本)

①トータル閲覧ページ数 9,802,884 PV

②トータル訪問者数   3,337,960 I P

③gooブログ全体におけるランキング 3,204,169ブログ中284位

④にほんブログ村「クラシックコンサート評・感想」におけるランキング 59ブログ中1位

⑤フォロワー 2054人(1938人 + X分116人)

   

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シルヴァン・カンブルラン ✕ 北村朋幹 ✕ 読売日響で細川俊夫「月夜の蓮 ~ モーツアルトへのオマージュ」、ツェンダー「シューマン・ファンタジー」他を聴く

2025年07月09日 00時01分30秒 | 日記

9日(水)。左上の奥歯に被せてあった金属が取れてしまったので、暑い中を徒歩で大塚の行きつけの歯科医に行きました 前回は型を取らないで 元の金属をそのまま再利用したため、たった5か月で取れてしまったようです 今回は歯を少し深く削って型を取り直ししました    最低1年はもってほしいと思います 帰りがけに近所のクリニックに寄って、大腸がん検査の採便セットを提出してきました

ということで、わが家に来てから今日で3830日目を迎え、トランプ米政権が500万ドル(約7億3000万円)の支払いで米国の永住資格が取得できると説明する「トランプ・ゴールドカード」について、移民制度を改正する権限は米議会にあり、議会の承認が必要になるとみられることから、実現を疑問視する声が広がっている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

   

   自分ファーストのトランプのことだ  手段を選ばず  強引に議案を通すんじゃね?

         

昨日、夕食に「麻婆茄子」「生野菜とモッツアレラチーズのサラダ」「舞茸の味噌汁」を作りました 夏は茄子が美味しいですね

         

昨夜、サントリーホールで読売日響「第650回定期演奏会」を聴きました プログラムは①メンデルスゾーン:付随音楽「真夏の夜の夢」序曲、②細川俊夫「月夜の蓮 ~ モーツアルトへのオマージュ」、③ツェンダー「シューマン・ファンタジー」(日本初演)です 演奏は②のピアノ独奏=北村朋幹、指揮=シルヴァン・カンブルランです

シルヴァン・カンブルランは1948年フランスのアミアン生まれ。2010年から9年間、読響常任指揮者を務め、現在はハンブルク響首席指揮者、クラングフォルム・ウィーン名誉首席客演指揮者を務めている

プログラム3曲中2曲が現代音楽ということでか、会場の入りは日光の手前です   日光の手前 = 今市 = イマイチ   そんなことを言っている場合ではありません

オケは14型で 左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの読響の並び コンマスは林悠介。隣は葵クァルテットの小川響子に似ていますが、違うかな

1曲目はメンデルスゾーン:付随音楽「真夏の夜の夢」序曲です この曲はフェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847)がシェイクスピアの劇に基づき1842年に作曲、1843年にポツダムで初演されましたが、「序曲」は17歳の時に作曲され1826年に初演されています

カンブルランの指揮で演奏に入りますが、妖精パックが森の中を飛び回っているような音楽が繰り広げられます この序曲だけでもメンデルスゾーンの天才性が垣間見られます

2曲目は細川俊夫「月夜の蓮 ~ モーツアルトへのオマージュ」です 北ドイツ放送は2006年にモーツアルト(1756-1791)の生誕250周年を記念して、世界の4人の作曲家に新作を委嘱しましたが、それに応じて細川俊夫(1955~)がモーツアルト「ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488」をカップリング作品とし、「花」をテーマに作曲したのがこの作品です

ピアノ独奏の北村朋幹(きたむら ともき)は浜松国際コンクール第3位、リーズ国際コンクール第5位、ボン・テレコム・ベートーヴェン国際コンクール第2位、東京音楽コンクール優勝 幅広いレパートリーで国内外で活躍している

「静」と「動」ということでは「静」の音楽です 22分程の作品ですが、序盤から静謐な音楽が展開するものの、肝心のモーツアルト「ピアノ協奏曲第23番」のメロディーがなかなか出てきません 半ば諦めかけてきたころ、やっと第2楽章「アダージョ」のフレーズが流れてきてホッと一息つきました

大きな拍手とブラボーが飛び交うなか、カーテンコールが繰り返されました 客席で聴いていた細川氏がステージに呼ばれ、カンブルラン、北村と共にカーテンコールに応えました

北村はシューマン(クララ・シューマン編)「蓮の花  作品25-7」を鮮やかに演奏、再び大きな拍手を浴びました アンコール曲に、前半の細川「蓮」と後半のシューマン「幻想曲」を繋げるシューマン「蓮の花」を選ぶところは流石だと思います

プログラム後半はツェンダー「シューマン・ファンタジー」(日本初演)です この曲はドイツの作曲家ハンス・ツェンダー(1936-2019)がシューマンの有名なピアノ曲「幻想曲ハ長調  作品17」を基に、打楽器を有効に使いながら管弦楽に仕上げた作品です 原曲の3つの楽章がそれぞれ編曲されています 第1曲「前奏曲」、第2曲「廃墟」、第3曲「間奏曲Ⅰ」、第4曲「凱旋門」、第5曲「間奏曲Ⅱ」、第6曲「星の夜」の6曲から成ります

ステージ下手にはハープが控え、2階正面のパイプオルガンの手前にはバンダのヴァイオリン奏者8人が間隔をとってスタンバイします

正直に申し上げると、元になるシューマンの「幻想曲 ハ長調 作品17」を予習しておかなかったので、オリジナルの姿が分からないため、その時々で聴いているのがどの部分の編曲かが分かりませんでした   ただ、第4曲「凱旋門」における賑やかな音楽はメロディーが分かり易く、楽しく聴くことが出来ました    十分に予習しておけば全曲を通してもっと楽しむことができただろうと、反省しきりです

大きな拍手とブラボーがステージに押し寄せ、カーテンコールが繰り返されました

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音楽大学オーケストラ・フェスティバルのチケットを取る ~ 11月24日公演(昭和音大、東京藝大、桐朋学園) / イ・ジョンピル監督「脱走」を観る ~ 失敗さえ許されない北朝鮮からの脱出

2025年07月08日 00時07分24秒 | 日記

8日(火)。「第16回音楽大学オーケストラ・フェスティバル 2025」のチケットを取りました    このフェスは3日間にかけて開かれますが、チケットを取ったのは11月24日(月・休)15時から東京芸術劇場で開かれる「昭和音楽大学+東京藝術大学+桐朋学園大学」のコンサートです

〇昭和音楽大学は現田茂夫の指揮でプロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」を演奏します

〇東京藝術大学は山下一史の指揮でショスタコーヴィチ「交響曲第5番」を演奏します

〇桐朋学園大学は高関健の指揮で①バッハ「幻想曲とフーガBWV537」(管弦楽版)、②ブラームス(シェーンベルク編)「ピアノ四重奏曲第1番」(管弦楽版)を演奏します

他の2公演はすでにコンサートの予定が入っているので諦めました

ということで、わが家に来てから今日で3829日目を迎え、ブラジルで6日に始まった新興国グループ「BRICS」首脳会議は、初日に共同宣言を採択したが、ロシアによるウクライナ侵攻について、ウクライナ側の反撃を強く非難し、ロシアなどの加盟国の意向を反映して従来より踏み込んだ内容が盛り込まれた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

裏にロシアからの見返りがあるとみるのが自然だろう  プーチンロシアの犯罪行為は消せない!

         

昨日、夕食に「丸ごとピーマンのチーズ肉詰め焼き」「生野菜とモッツアレラチーズのサラダ」「シメジの味噌汁」を作りました ピーマンは大きめのを使ったので4個で満腹になりました

         

昨日、新宿ピカデリーでイ・ジョンピル監督による2024年製作韓国映画「脱走」(94分)を観ました

軍事境界線を警備する北朝鮮の部隊。もうすぐ兵役を終える軍曹ギュナム(イ・ジェフン)は韓国への脱走を計画していたが、遂に決行しようとした矢先、部下の下級兵士ドンヒョクに先を越され失敗してしまう さらにギョナムの幼馴染である保衛部少佐ヒョンサン(ク・ギョファン)が、脱走兵ドンヒョクを捕まえた英雄としてギュナムを祭り上げ、前線から平壌へ異動させようとする タイムリミットが後2日に迫るなか、ギュナムはヒョンサンの目を盗んで決死の脱出を試みるが、思わぬ困難が立ちはだかっていた

本作は、2日間という限られた時間のなかで命がけの脱出に挑む軍人の闘いを描いています

この映画はドキュメンタリーではないので、エンタメとして観るのが正解だと思います いかにも韓国の映画人が作った脱北映画だと思いました ストーリー的に、そんなに都合のいいように進むわけがないだろう、とツッコミを入れたくなるところが何カ所かありますが、そこはエンタメだと思って見逃すことにしました

ところで、この映画では(意外にも)クラシック音楽が何曲か使われていてちょっと驚きました 保衛部少佐ヒョンサンがかつてモスクワ音楽院の生徒でピアニストを目指していたという人物設定であるところから、彼がラフマニノフの「前奏曲 ト短調 作品23-5」や「ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18」第1楽章を弾くシーンがありました また、舞踏会のシーンではヨハン・シュトラウスのワルツに合わせて踊るシーンがありました

「脱北を諦めて、今まで通り北朝鮮で生活しろ」と迫るヒョンサンに、ギュナムは「北朝鮮では失敗さえ許されない 失敗して、やり直して、自分の人生は自分で決めて生きていきたいんだ」と答えます ギュナムの主張は説得力があります 北朝鮮では失敗は公開処刑か強制収容所送りにつながるからです

         

今日はサントリーホールに読売日響「第650回定期演奏会」を聴きに行きます

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「奥村愛 ~ ヴァイオリンとヴァイオリニストが辿った道」のチケットを取る / 奇才テリー・ギリアム監督「バロン」を観る ~ 実在した世界一のほら吹き男爵をモデルにした奇想天外な冒険物語

2025年07月07日 00時37分16秒 | 日記

7日(月)。今日は令和7年7月7日で「トリプルセブン」の日です 元号・月・日で7がそろう「777」は、平成7年7月7日以来30年ぶりで、100年間でみても3回目という特別な日だそうです 5日付の朝日新聞夕刊によると、東京都板橋区はホームページで「令和7年7月7日(月曜日)は婚姻届の提出が集中します」と告知しているそうです 「ラッキーセブンがトリプルだ」と、ノリで届け出て、後で後悔しないようにした方がいいと思います

ということで、わが家に来てから今日で3828日目を迎え、米連邦議会上下両院で大型の減税・歳出法案が可決されたのを受け、起業家のイーロン・マスク氏による新党「アメリカ党」結成論が浮上してきたが、2026年11月の中間選挙で候補擁立に踏み切れば、トランプ大統領が率いる共和党が目指す「トリプルレッド」の維持へ逆風になる  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

    

    マスクは自分の実績をトランプに台無しにされたからな  何としても敵討ちをしたいんだろ

         

9月19日(金)14時から文京シビックホール(小)で開かれる平日・午後のコンサート「奥村愛 ~ ヴァイオリンとヴァイオリニストが辿った道」のチケットを取りました 新聞に挟み込まれた文京アカデミーの広報紙「Square」にPR記事が載っていたのを読んで、聴きたくなりました プログラムは①モーツアルト「ロンドK.373」、②タルティーニ「ヴァイオリン・ソナタ”悪魔のトリル”」、③サラサーテ「序奏とタランテラ」、④ブラームス「ヴァイオリン・ソナ第2番」、⑤加藤昌則「Breezing air」です 演奏はヴァイオリン=奥村愛、ピアノ=加藤昌則です

         

昨日、早稲田松竹でテリー・ギリアム監督による1989年製作イギリス映画「バロン」(127分)を観ました

物語の舞台は18世紀のドイツの町。毎日のように繰り返されるトルコ軍の攻撃のために、人々は飢えと貧困で疲れ切っていた   海にはトルコ軍の船団が停泊し、海岸からは無数の兵士が押し寄せてくる   人々は悲惨な現実から逃避できず、夢や空想を忘れていた    ただ10歳の少女サリー(サラ・ポリー)だけは、超能力を持つ4人の部下を従える伝説の英雄バロンが、いつの日か現れて町を救ってくれると信じていた   戦闘が激しさを増し廃墟と化した町に、ある日忽然と一人の男が現れた 彼は自分が伝説の主人公バロン(ジョン・ネヴィル)であると声高に叫び始める しかし、町の人びとは誰も信じなかった 彼らにとって大事なのは一人の英雄ではなく、自分たちの命だったからだ そんな中、サリーだけは違った。彼を追って「私たちの町を救ってください。4人の部下を探してトルコ軍をやっつけてください」と懸命に説得を始める 渋るバロンもサリーの熱意に負け、仲間を探すことに決める 目もくらむ冒険とファンタジーの世界を目指し気球に乗って旅立った

この映画は、実在した世界一のほら吹き男爵、バロン・フォン・ミュンヒハウゼンをモデルに、月、地底、海への奇想天外な旅を映像化したユーモアたっぷりの冒険物語です

この映画を観て最初に感じたのは、流石はモンティ・パイソンを輩出したイギリス映画だな、ということです ブラックユーモアとシュールな展開が楽しい作品です

現代のようにほとんどSFXで撮影するというのでなく、あくまでも実物にこだわり、そこにSFXを被せてスケールの大きな映像を実現しています イタリアやスペインのロケ地に町を再建して実写するかと思えば、イタリアのチネチッタスタジオの16ステージのうち6スタジオを占拠し、実物大の巨大なセットを組んで撮影しています トルコ軍との戦闘シーンでは述べ8万人のエキストラ、数千頭の馬と象を登場させています 奇才テリー・ギリアムだからこそ実現可能だったのでしょう

この映画は莫大な75億円もの経費を費やした割には興行収入が芳しくなかったようですが、モンティ・パイソンの面白さが分かる人なら、本作の本当の面白さが分かると思います

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