11日(金)。わが家に来てから今日で3832日目を迎え、トランプ米大統領とセネガルなどのアフリカ5か国の首脳が9日に会談した際、アフリカの首脳がトランプ氏はノーベル平和賞に「ふさわしい」などと持ち上げる場面があり、トランプ氏は「素晴らしい」と喜んだ というニュースを見て感想を述べるモコタロです
アフリカの首脳の意図は 米国からの投資拡大を期待してのことと トランプには通じない?
昨日の夕食は「焼き肉」「生野菜とモッツアレラチーズ」「ワカメスープ」にしました 焼き肉は久しぶりですが、たまにはいいでしょう
昨日、TOHOシネマズ池袋で吉田修一原作・李相日監督による2025年製作映画「国宝」(175分)を観ました
任侠の一門に生まれた喜久雄(吉沢亮)は抗争で父親を亡くし、上方歌舞伎名門の当主・花井半二郎(渡辺謙)に引き取られる 歌舞伎の世界に飛び込んだ彼は、未来を約束された御曹司・俊介(横浜流星)と出会う
正反対の血筋を受け継ぎ、生い立ちも才能も異なる2人は、互いに高め合い、芸に青春を捧げていくが、多くの出会いと別れが運命の歯車を大きく狂わせていく
恥ずかしながら、私はこれまで本物の歌舞伎を2回しか観たことがありません 1度目は新聞関係団体に入職して2年目に、アメリカの新聞記者団に同行して東銀座の歌舞伎座に「児雷也豪傑譚(じらいやごうけつものがたり)」を観に行ったときで、2度目は同じ歌舞伎座でしたが、演目が何であったかさっぱり思い出せません
そんなわけで、歌舞伎はド素人と言っても過言ではありません
そんな私にも、男だけが演じる歌舞伎の美しさや歌舞伎界の厳しさがストレートに伝わってきました
この映画は「歌舞伎」の世界を描いているので、「娘道成寺」「二人道成寺」「鷺娘」など、女形が主役となる演目がいくつも踊られます 驚くのは喜久雄役の吉沢亮と俊介役の横浜流星の踊りの素晴らしさです
2人は1年半も稽古をしたといいますが、身体能力の高さと表現力の巧妙さが光ります
まるで本物の歌舞伎役者が躍っているようにしか見えませんでした
脇役陣も素晴らしい。当代一の歌舞伎役者・小野川万菊を演じた田中泯は、歌舞伎界の大御所といった貫禄で、とにかく眼が鋭く、見ていて怖くなるほどでした
また、花井半二郎の妻を演じた寺島しのぶは、まさに歌舞伎界の名門家庭に生まれた女性といった風情で、夫の理不尽に対する怒りの表現が半端ありませんでした
この映画では、踊りのシーンを客席側から映し出すだけでなく、花道から揚幕に引っ込んでいく役者を背中から映したり、舞台にせり上がる役者の視点から客席を見せたりして、普段は見ることができない”裏側”の世界を映し出していて興味深いものがあります
喜久雄が芸者との間にもうけた幼い娘に「神様に何をお祈りしたの?」と訊かれた時、喜久雄は「お祈りしたんじゃなくて、神様と取引をしたんだよ もし日本一の歌舞伎役者になれたら、ほかのものは諦めますって」と答えます
これは悪魔メフィストと死後の魂の服従を交換条件に、現世で人生のあらゆる快楽と悲哀を体験できるという契約を交わした「ファウスト」を想起させます
喜久雄は日本一の歌舞伎役者になるために芸者と正式に結婚もせず、子どもの将来のことも考えず、すべてを犠牲にして頂点を目指したのです
映画の終盤で、「人間国宝」に指定された喜久雄の前に、彼の姿を撮影するために女性カメラマンが現れます
彼女は喜久雄の実の娘でした
彼女は喜久雄に「本人は国宝になって良かったかもしれないけれど、それまでの間に、どれほどの人が犠牲になってきたか
」と批判します
歌舞伎の”血”が流れていない喜久雄にとって、芸を磨くこと以外に自分の存在価値を世間に認めさせる手段がなかったということでしょう
3時間弱の映画を観終わって、「良い映画を観た」と満足感に浸ると同時に、3回目の歌舞伎を歌舞伎座で観たくなりました
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