今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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砂入りのPEN-F

2012年03月13日 20時40分49秒 | インポート

Dscf099724 PEN-Wと一緒に来ているのがPEN-F #2206XXですが、これ、調子悪いですね。高速が1/30程度しか出ていません。普通は低速の1秒が止まるとかですけどね。これはイヤな感じですよ。

Dscf099848 底蓋を分離してみると、何だかじゃりじゃりですよ。これは砂が入っていますね。過去にも砂入りの個体はありましたが、精密機械にどうして砂を入れるかなぁ。。。海水浴に行って、パラソルの下に放置していたとか? 精密機械に砂は大敵です。金属部品がガタガタになってしまうのです。

Dscf099955スプール軸を分離してみると・・あらら・・フィルム室にも砂が入っているということは、どういうことですか? 高速のシャッターが極端に遅い原因がこの辺にあるのかも知れませんね。

Dscf100075 シャッターユニットは洗浄して砂と古い油脂を洗浄してあります。このユニットは、可動部分か多く、どこの潤滑が切れても不調や作動フィーリングに影響がありますので、オイルワークは欠かせません。そこで、今回は、JHTジャパンホビーツールさんから提供頂きました新しいオイルを使ってみます。このオイルの特徴は、オイルが乾燥して後でも、潤滑性能を保持するという高性能なものです。最近の自転車チェーンでは、同様なものが出ていますが、精密機械に使用出来るオイルというわけです。カメラの場合は、一度、オイルを塗布すると、次のオーバーホールまで潤滑が出来ませんので、その意味でも非常に有効です。使用方法はベンジンにて10倍に希釈して注射器で注入が推薦されていますが、私は時計も扱いますので、カメラより精密な時計では、注射器は使いません。オイラーに少量付けてピンポイントに塗布します。http://www.japan-hobby-tool.com/

Dscf100135シャッター幕の回転に抵抗感があります。ここはベアリングなどは入っていませんが、砂の粉砕粉などが入り込んでいると作動不良を起こします。

Dscf100245  ブレーキはいけませんね。Oリングは変形固着して、Oリングが接触するブレーキリングの内周も錆が発生して抵抗となっています。

Dscf100315ブレーキのOリングを交換してハンマーを取り付けます。

Dscf100477 まぁ、こんなところですね。シャッターは高速が改善して非常に良い感じです。巻上げも滑らかに改善して、新しいオイルは好印象です。全反射ミラーは激しい腐食は無いと判断して、再使用としています。プリズムには数点黒い腐食があるのが残念です。

Dscf100577本体は完成。付属の40mmの清掃をしておきます。レンズの状態は良いと思いますが、内部に埃が多数混入しているレンズです。すべて分解洗浄の上、再組立をして行きます。

Dscf100664 もう一つ。20mmが来ていますが、例によってレンズの曇りがありますね。これは汚れているのではなくて、レンズのガラスが腐食しているのです。20mm、25mmは確認をして入手するように。で、どうしても使ってみたいとのことですので、オリジナルにはなりませんが、手磨きで研磨しておきます。

Dscf100723 ご覧のように(見えませんね)研磨の後、組み立ててあります。これでPEN-WとPEN-Fは完成とします。


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