今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

微妙な時期のPEN-FTの巻

2024年09月10日 13時59分59秒 | ブログ

PEN-FT #2117XXは変更前のユニットが使われていて製造からも時間が経過している微妙な頃の個体です。このような個体が何故か女性の手に渡ることが多い印象です。で、古いので過去に分解を受けています。作業の流儀は修理される方様々でそれぞれに特徴がありますが、同様な個体を最近見るようになりました。修理のご依頼内容は、巻き上げが出来ない時があるのとシャッタースピードの不調ですが、分解をしてみると内部が油汚れで完全に清掃されていません。また、接眼プリズム押さえのネジが緩んでいてプリズムがぐらぐらです。

巻上げの引っ掛かりはここです。吊輪を留めるネジが緩んで巻き上げカムと接触をしているのです。ここの緩みは私もうっかり見逃すことがありますが、この頃は接着剤を併用されていない時期なので緩みは確認しなければなりません。

問題は、最近よく見るようになったハーフミラーです。汎用のミラーから切り出されたと思われますが、そもそも純正とは反射率が異なります。また、左端のTTL№部分が素通しになっていないため、特に晴天の日中では針の動きと数字が暗くて私のような高齢者には非常に見にくく感じます。今回はオーナーさんのご指示でこのまま再使用とします。シャッタースビートについてはスローガバナーの組み込み不良ですね。

シンクロの配線がプツンとカッターで切ったように切れました。古いリード線でつけ直しした可能性もあります。ターミナルへの配線も半田付けの半田が酸化していて被覆も溶けています。過熱なので温調半田ごてですよ。

#2プリズムのコーティングが・・この頃のコーティングは弱っているので拭き上げには慎重が重要です。

 

セルフ周りが変です。まず、セルフユニットを本体側に留めるネジ2本に入るワッシャーの片方が欠落して組まれているのでセルフレバーがトップカバーに接触して傷になっています。これはワッシャーを追加して組みます。また、セルフレバーを巻いた時ロックされません。これは逆転防止のコロの動きが悪いのです。そもそもチャージをしてもシャッターが切れません。レバーも水平ではないので、ユニットを別個体から移植された可能性もありますね。移植する時は各部の同調を取らなければなりません。

なんやかんやで組み立て完成。

 

 

トップバーの巻き戻しダイヤル下の留めネジの片方が欠落していましたので純正ネジを追加して組みます。

 

セルフレバーは本体に接触せず水平になっています。

 

 

これで完成です。

 

 

で、一つお願いです。私は良く知らないのですが、最近ヤマト宅急便で送られて来る送り状に画像のようなタイプがあります。事情は分かりませんが、このプリント印字が非常に細くて薄く、特に数週間経過したものでは更に印字が薄くなるのです。カメラをお返しする場合、この送り状から新しい送り状を印刷しますが、元々、郵便番号の記載が省略されていますのでサイトで調べて印刷しているような状況です。殆どの方はメール中に郵便番号、住所、電話番号などを記載して頂いているのでそちらを見て対応するのですが、中にはどこにも記載が無い方もいらっしゃいます。今後、この送り状が多くなりますと支障が出て来ますので、まず、お問い合わせのメール中にデータを記載して頂ければ助かります。中には匿名で問い合わせをしたいという方もいらっしゃるようですが・・

トミーのリペイント (tomys800.sakura.ne.jp)