守田です(20200607 19:00)
● 誰しも大変な最中ですがカンパを訴えさせてください!
「明日に向けて」が連載1800回を越えました。4月25日のことです。
毎回100の大台を越えたときに、カンパの呼びかけを行ってきましたが、今回は、緊急事態宣言が発っせられ、多くの社会的経済的活動の自粛が求められていたため、呼びかけをとどめました。
もちろん僕自身も収入の柱の一つである講演会が次々と中止ないし延期となり、厳しい状態が続いていますが、誰しもがしんどいときのカンパのよびかけは、僕はできませんでした。
その後、全国で緊急事態宣言が解除されました。東京でアラートが出たりはしているものの、感染拡大は抑えられています。
とはいってもいまなお、自粛のダメージがさまざまな形で続いていたり残ってもおり、いまもためらう気持ちはあります。
それでも「明日に向けて」の活動継続とバージョンアップのためにカンパを訴えさせてください!
京都田中神社のクスノキ 家の近くです。守田撮影
● アフターコロナにむけて
連載1800回越えに際して、「明日に向けて」の大きなバージョンアップを試みるつもりです。
今回の新型コロナウイルス感染症、パンデミックになることにより、世界は共通の課題を持ちました。
いやすでに「放射線防護」「核なき未来の創造」という共通の課題があったのですが、僕はアフターコロナの中で、これらもみんなの課題にしていくことができると思っています。
時代は明らかに大きな転換点にあります。1500年代ごろから始まった資本主義の時代が爛熟し、末期を迎えている。
実はコロナ以前から、大きな転換が進行中でした。それが一気に顕在化しだしているとも言えます。
この世界のありようをともに考え、次の道を作りだしていく必要があります。どうすれば地球がもっと幸せな場になるのか、一緒の土台に立って模索していく時です。
そのために僕はいまここで、みんなで歴史を振り返る必要があると思っています。
「戦争と革命の世紀」と言われた20世紀を見つめ直すのです。
あるいはそこに流れてきた科学、哲学、倫理学、そして経済学を問い直すのです。
僕は17歳で社会運動に飛び込んで以降、この点を延々と考えてきました。
その時々の仲間たちと、あるいは論争相手と、共鳴したり、反発しながらです。
いまそれを次々と、論稿にして出していこうと思っています。
倫理学・経済学についてはアダム・スミスから解き明かしていきたいです。
● 絶対的真理の時代から相対的な動態的な真理の時代へ
資本主義の時代はまた近代科学の時代でした。「知は力なり」・・・神の作りたもうた世界の仕組みを知り、応用すれば、いくらでも力が得られる。
この確信のもとに、近代科学は発展を続け、生産力が大きく発展しました。しかしそのもとになされたのは何か。「力」のあるものによる支配の拡大でした。
最初に発展したのは航海術でした。造船技術の発達とともに羅針盤が登場し、スペインとポルトガルが世界に飛び出して支配を拡大していった。
アメリカ大陸が「発見」の名の下に侵略され始めたのが1492年。こののち世界は急速にヨーロッパ諸国のもとに、植民地として暴力的に組み込まれていきました。
生産力の発展は、資本主義各国では市民革命をもたらし、人権が確立しましたが、それが支配地域に適用されることはありませんでした。
資本主義はますます「発展」し、高度な生産力が武器の圧倒的な「進歩」と結びつき、暴力こそが世界の担い手となりました。
いま振り返った時、現代社会がまだこの「力」による支配のパラダイム=枠組みを越えでていないことが分かります。
このパラダイムのもと、残念ながら、知は暴力と結びつきました。それは絶対的真理を与えてくれるものへの人々の隷属をも作りだしました。
たくさんの新たな「神話」も生まれました。科学のもと、生産力を発展させればすべてはバラ色に変わる。その「神話」の頂点に「原子力」が躍り出ました。
アフターコロナにおいて問われるものの一つが、僕はこうした絶対的真理の時代を終焉させることだと思います。
私たちは自然、いや世界に対する謙虚さを取り戻し、科学の驕りを捉え返さなくてはいけない。そうしてもう本当に、戦争と支配に明け暮れてきた、人類前史の野蛮さとの決別を考えなくてはいけない。
「知」は力であるとは限らないのです。「真理」はつねに相対的で、ある真理は他の角度からは往々にして真理ではない。だからある真理によって他者を滅ぼすのではなく、対立する真理との対話のもとで、和解、合流、止揚を目指す必要がある。
アメリカ・ニューメキシコのアコマプエブロにて
アコマの人々は1500年代にスペインの侵略を受けこの崖の上から抵抗。
しかし制圧され女性と子どもは奴隷に。25歳以上の男性はみな片足を切られた・・・
2019年11月にピースフラッグを持って訪問。写真撮影は玉山ともよさん。
● Black lives matter・・・の中で
いまアメリカから激しい勢いで起こっている黒人の命を守る運動も、本質的にはこのことを問うていると僕には思えます。
今回のコロナの蔓延の中で、アメリカでの人口比13%の黒人が、死亡者の26%を占めています。人種差別が如実に顕在化しています。
このことをきっかけに、黒人差別だけではなく、世界に広がるあらゆる差別と貧富の差がいま、浮き彫りにされつつあります。
その意味でこれはまったくもって黒人だけの課題ではありません。まさに現代に生きる私たちの課題なのです。
一部のものが富を独占し、暴力で身構えて世界を支配する構造を変えなくてはいけない。支配力の強いものによって生み出された、あらゆる差別と抑圧を撤廃しなくてはいけない。
ただし「革命的暴力」によってではなく!あらたな創造的な知力のもとで、対話的手法のもとで、多くの人々の発話の重なりの中で。だからいま、対話こそがもっとも大事なキーフレーズです。
こうした流れに掉さすべく、「明日に向けて」のバージョンアップを目指します。乞うご期待です!ぜひお力をお貸しください。
Black lives matter運動とともに! 写真は2018年3月18日にカリフォルニアで警官にステフォン・クラークスさんが殺害されたことに対する抗議行動 USA TODAYより
カンパの振込先をご案内します。
振込先 ゆうちょ銀行
なまえ モリタトシヤ
記号14490 番号22666151
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店名 四四八(ヨンヨンハチ)店番448
預金種目 普通預金
口座番号 2266615
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#明日に向けて #アフターコロナ #絶対的真理 #Black lives matter