明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(2010)東電柏崎刈羽原発で長期間セキュリティに穴が・・・もはや東電に原発を扱う資格はない!

2021年03月27日 18時30分00秒 | 明日に向けて(2001~2200)

守田です(20210327 18:30)

柏崎刈羽で東電の不正が次々と発覚

柏崎刈羽原発のとんでもない状態の発覚が続いています。3月16日に原子力規制委員会は、調査の結果、「テロ対策」などの名目で設置された不正侵入を防止する検知設備が、複数壊れたものの、すぐに復旧されていなかったと発表。
問題が発生したのは2018年1月からと2020年3月からで、装置の故障が見つかったもののすぐに復旧せず、20年3月の際は、故障した装置を補う代替措置も警備担当社員が実効性がないことを知りながら改善していませんでした。
規制委員会は長い間、不正侵入を防げない状態にあったとして、「核物質防護に関わる4段階の評価のうち最も深刻なレベルに当たる」との評価を明らかにし、東電が異議を唱えることができなかったため確定しています。


運転禁止を報じるテレ東NEWS 20210324

更田規制委員会委員長は、以下のように述べました。「不正なのか、分かっていて意図的にやらなかったのか。あるいは知識が足りなかったのか。技術的な能力の問題か。それとも、なめているのか。この程度でいいんだと」、それをつかみたいと。
規制委員会はさらに3月24日に東電に対し「核燃料の移動を禁止するなどの是正措置を命じる行政処分」を行う方針を固めました。事実上の運転禁止措置です。
しかしこれも大甘な措置にすぎません。不正であろうと、分かっていて意図的にやらなかったのであろうと、知識が足りなかったのであろうと、技術的な能力に欠けていようと、この程度でいいんだとなめていようと、もうそれだけで完全にアウトです。


東電が繰り返した不正を報じる東京新聞 20210316

 

もはや東電を事故収束-廃炉事業からも撤退させるべきだ

今回のことだけではありません。東電は福島原発事故後も海を汚染し続けました。メルトダウンした燃料の冷却水が高濃度放射能汚染水となり、山側から一日800トンの流れて来る地下水と混入して海に出ているのを2年間放置し続けたのです。
その後、オリンピックを誘致したい安倍政権を前にして、海へのダダ漏れを「告白」して国から対策費を引き出し、遮水壁設置工事などを始めましたが、その後も長らく汚染水の海への流れ込みは続きました。東電には誠実さのかけらもありません。
だから今回の事態から私たちが引き出す結論は、東電に原発の運転の資格がないのはもちろん、事故収束-廃炉作業をこれ以上、つかさどらせていてもいけないということです。


汚染水の海への漏れ出しを説明する毎日新聞の図 20130809

不正や隠ぺいを繰り返す東電に任せていて、まともな歩みができるはずがない。そもそも事故収束ー廃炉作業の中には、事故原因の究明が入っていますが、今の状態は犯人に現場検証させているのと同じです。
実際、福島第一原発は、津波の到来前に地震によって配管破断が発生し、冷却材が無くなってメルトダウンが開始された可能性が高く示唆されています。現在の非常用ディーゼル発電機を高台に設置するなどの対応ではダメなのです。
しかしこの点は曖昧になったまま。国会事故調査委員会が検証するために原子炉建屋への立ち入りを求めた際、停電を理由に拒んだままなのです。本当に停電だったのでしょうか。極めて疑わしい。


津波より先に配管破断でメルトダウンが起きた可能性を指摘した田中三彦さんの論稿 エコノミスト2011年7月

 

東電に代えて廃炉公社の設立を

ではどうした良いのか。事故収束ー廃炉作業の責任主体から東電を撤退させ、透明性が確保された廃炉公社を作るべきです。
そうしなければ必ず東電流の騙しが続きます。本当は100年単位やらねばならない作業を数十年と偽ったり、新たに発覚した事実を隠したり、安全と偽って汚染水を海に流したり。
さらにこの事故収束-廃炉作業には莫大な資金がかかるし、膨大な人員も必要です。もちろん常に危険性と隣り合わせです。だからもう東電のような不誠実で無責任で犯罪的ですらある企業に任せていてはいけないのです。


東電の試算を報じるANN NEWS 20200331

そもそも事故収束-廃炉作業は次世代の人々にとってもとても大きな意味を持つ事業です。発電の恩恵を全く受けず、放射性廃棄物の管理の困難さのみを送られてしまう未来世代のために、誠実に取り組み、送り渡すことが必要です。
そのためにそもそも原子力産業に利害を持つものを、これ以上介入させるべきではないし、少なくも責任主体からはずすべきです。虚心坦懐に何が起きたのか、次世代が何を継承すべきかを明らかにして、申し送りしていく必要があります。
だからこそもっと真っ当な技術者集団、とくに原子力の危険性をきちんと指摘してきた人々を大幅に加えた公社を設立し、作業工程の透明性、公開性を確保して歩む必要があります。

今回の事態からつかみとるべきことはこの点、「東電を撤退させ廃炉公社を設立せよ」です。この声をみんなで上げていきましょう!

#柏崎刈羽原発 #原発不正侵入 #不正侵入検知装置の故障放置 #代替措置も実効性なし #原子力規制委員会 #原発運転禁止 #核燃料の移動禁止 #東電に原発を扱う資格はない #東電を撤退させよ #廃炉公社を設立せよ 

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