明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(2421)『虎に翼』から考える 原発は憲法違反だ!-全文の文字起こしをお届けします

2024年06月29日 11時00分00秒 | 明日に向けて(2401~2600)

守田です(20240629 11:00)

原発は憲法違反!と語りました

前号でもお知らせしましたが、NHKの朝ドラ『虎に翼』に触れて「原発は憲法違反だ」と論じた部分を切り出してリリースしています。ご覧下さい。

  
原発は過酷事故を起こせば日本の半分を壊滅させてしまう。そんな恐怖に満ちたものを動かし続けるのは憲法違反なのです。この点をぜひ多くの方に伝えて下さい。


『虎に翼』から考える-文字起こしをお届けします

お時間のない方のため、文字起こしも公開します。お読み下さい。(読みやすくするため、多少、編集しています)

*****

原発一基が、ものすごい過酷事故に陥るとどんなことになるのか。
2011年の3月に出されたシュミレーションでなんと半径170キロが強制移住の可能性があったのです。
さらには東京を含む250キロ圏が希望者を含む避難ゾーンである状態だった。
原発一基で日本の半分が壊滅してしまう。そういう可能性を持っているのが地震の巣の上に今動いているんですよ。しかも老朽化して。
だから、これこそが内政への最重要課題だということをみなさんと一緒に押さえましょう。

その上で、実はこれどうしても入れた方が良いと思って今朝入れたものなんですが
みなさん、ぜひ『虎に翼』にですね、おおいに学びましょう。
ご覧になっている方おられますか?はい、ありがとうございます。

このドラマでは、日本で最初の裁判長になった女性の方がモデルになっています。
なんと、この方が「原爆は国際法違反」であるという判決を初めて書かれたのだそうです。
おそらく初めてと言うのは、他の男の裁判官はアメリカを恐れて書かなかったのですよ。
だって違法だなんて、もう目に見えて分かっているじゃないですか。
だから「ああそういう方なのか見なくちゃいけないな」と思って見始めたのです。

彼女は戦前に日本で、最初の三人の女性弁護士の一人になっているのですよね。
なんで弁護士なのかって言うと、その時に女性は裁判官にはなれなかったのです。ひどい話ですよね。
だけども弁護士になったのだけど大変しんどくて、一旦折れてしまうんですよ。
「やりきれない」と言って弁護士事務所を辞めて、仲の良い夫と一緒に子育てをしていた
だけれど戦争になって段々激しくなっていって、夫を戦争に取られてしまう。それで、とうとう帰ってこないわけです。

このシーンは、夫が死んでいるということを知った彼女にですね
おかあさんが「自分のために贅沢をしなさい」「なにか美味しいものを食べてきなさい」と言ってお金を渡されるのです。
それで市場に行って焼き鳥を頼むのですけれど
その時に彼と「美味しいものは一緒に食べようね」と言っていたことを思い出して食べられないんです。
それで、そこを立ち去ろうとするんだけれど、店の人が「これ持っていきなさい」と言って新聞紙に包んで渡すんです。

それで彼と一緒に行っていた河原に向かってそこに座って、新聞紙を開いて食べ出すんですよね。
その時に「美味しいものは一緒に食べようって言ったじゃない!絶対帰ってくると言ったじゃない!」と大泣きするんですよね
そして大泣きしながらその新聞紙を良く見てみたら、そこになんと日本国憲法が書いてあった。憲法第14条が書いてあった。
要するに、性別や出身とか、そういうことによって人は差別されないと。等しく平等であると。その文字が目に飛び込んでくるわけです。

実は、夫はそう言う事を彼女に言っていたのですね。「寅ちゃんが好きなように生きて欲しい」と。
「弁護士に戻ってもいい、いいお母さんであってもいい、ほかの仕事をやってもいい」と。
「頑張っている寅ちゃんの顔が好きだ。いや、違うな頑張らなくたっていい。あなたはあなたのままでいればいい」という。
これは憲法14条を平たく言っていることだなと僕には思えました。

それでみなさん。『あたらしい憲法のはなし』というものを文部省が出したのを知っていますか?
ネットで簡単に出て来るので見て下さい。その憲法9条のところで、こういうふうに書き出されているのです。

「みなさんの中には、こんどの戰爭に、おとうさんやにいさんを送りだされた人も多いでしょう。ごぶじにおかえりになったでしょうか。
それともとう/\おかえりにならなかったでしょうか。また、くうしゅうで、家やうちの人を、なくされた人も多いでしょう。
いまやっと戰爭はおわりました。二度とこんなおそろしい、かなしい思いをしたくないと思いませんか。」

そう書き出されていて。まさに「とうとうおかえりにならなかったでしょうか」って。
これを書いた文部省の役人、素晴らしいですね。こういうふうなことを、心を馳せて書いているわけですよ。
その中で私たちの先輩たちが日本国憲法を大事なものとして受け取ってね、民主主義を私たちに伝えてきて下さったわけですよね。

その憲法の前文を示します。それで今日僕が言いたいのは次のことです。「原発を稼働させるのは憲法の精神に反しています」。
なんでかと言うと、憲法の前文にこう書いてあるんですね。

「日本国民は」
あ、これ本当は、「日本人民は」だったんですよ。国民というふうになったのはちょっと残念なんだけど。

「正当に選挙された国会における代表者を通じて行動しわれらとわれらの子孫のために、諸国民と協和による成果と、
わが国全土にわたって、自由のもたらす恵沢を確保し政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し
ここに主権が国民に存することを宣言しこの憲法を確定する」と。

「二度と政府にひどい思いをさせられるな」って書いてあるわけなのですよね。その上でこう書いています。

「日本国民は恒久な平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、
平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
われらは平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、
名誉ある地位を占めたいと思う。われらは全世界の国民が等しく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに存在する権利を有することを確認する」と。

従って「原発は憲法違反である」と。そうですよね。

「等しく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに存在する権利を有することを確認する」という事でね。
戦争だけじゃないですよ。この時には原発はなかったのですからね。
なので私たちはこのことをやっぱり確認してですね、
『虎に翼』が流行っているのはとても良いことだと思うんですよ。
僕は追い風だなとか思っていて、有難いなあと思っていて
ちょっと話のきっかけになると思うのでね。ぜひこれを活用していきましょう。

*****

スクリプトはここまで。
なお文字起こしを行って下さったのは、柳田かや乃さんです。感謝です!


全編のタイトルは『原発と晩ごはん 能登大地震から見えた原発の危険性~大地震が迫ってきている~』。こちらもご覧下さい。

みなさん。危険な原発を止めましょう。
そのためにこのショート動画をお使い下さい。

#虎に翼 #原発反対 #原発一基で日本の半分が壊滅 #日本国憲法 #あたらしい憲法のはなし #原発は人権問題 #原発と晩ごはん #能登半島地震


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