明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1229)『原発からの命の守り方』・・・ぜひ広めて下さい!

2016年03月04日 23時30分00秒 | 「原発からの命の守り方」発売中です!

守田です。(20160304 23:30)

高浜原発4号機緊急停止問題について、関西電力は調査を繰り返していてあまり主だった原因の発表に至っていません。
その後、電気関係の関連機器には異常がなかったと発表されており、過電流を感知するして原子炉を自動停止させた機器の設定にミスがあった可能性がほのめかされています。
そうであった場合、原子炉の緊急停止につながら安全対策上の核心部分に設定ミスがあったことになります。ともあれ暫くは関電による究明を待つばかりです。
今回の事態は原子力規制員会の新規制基準のもとでの審査のいい加減さも突き出しています。その点から現に動いているすべての原発の危険性が容易に推察されます。ただちに稼働をやめるべきです。

同時に原発再稼働を見すえて、民衆の側から原子力災害対策を強めるべきことを前回述べました。
その際、ぜひ参考にしていただきたいのが昨年秋に緊急出版した『原発からの命の守り方』です。
原発の問題を説いた書物の中で、災害対策に大きなウエイトを割いた書は本書が初めてだと自負しています。それだけに川内・高浜原発をめぐる緊張関係の中で、ぜひ多くの方に本書を手にとっていただきたいと思います。

そのために今回は、本書に対する書評を二つとりあげさせていただくことにしました。
一つは大阪府高槻市などを中心に形成されている「星の対話プロジェクト(災害避難者の人権ネットワーク)」のブログに掲載された寺本和泉さんの書評です。
もうひとつは、帽子作家ぜんばやしさんの書評です。
双方とも大変的確に本書の内容を表してくださっています。大変ありがたいです。ぜひお読み下さい。心からの感謝を込めてみなさんにお勧めします。

またみなさんにお願があります。
1つに本書を手に取って読んでください。
2つに本書をご友人や周りのみなさまに広めてください。
3つに本書の感想をお寄せください。適宜、「明日に向けて」でご紹介します。
4つに本書を図書館でリクエストしてください。
5つに本書の書評をお寄せ下さい。
6つに本書の書評をアマゾンブックレビューなどに投稿してください。(今回の二つの書評もすでに投稿していただいています)

ぜひともよろしくお願いします!
以下、書評を掲載します。

*****

新著 『原発からの命の守り方』(感想)
星の対話プロジェクト(災害避難者の人権ネットワーク)寺本和泉
http://starsdialog.blog.jp/archives/45831461.html

この本は原発反対または推進のいずれの立場の人であっても目を通すべき本ではないだろうか? なぜなら、著者も書いているように、日本には現実に多数の原発があり、使用済み核燃料だけでも約1 万7000トンもあるという(p.36)。
なんの防護もない冷却プールが大地震などで破損すれば、これまで以上の核被害が起きるおそれがある。それだけではない。世界には老朽化した原発が多数あり、旅行や出張や留学で事故に遭遇する危険性も否定できない。
本書は市民だけでなく、事故発生時に出動することになる消防,警察,自衛隊員などの放射能防護対策にも言及し、社会全体で防災、減災にとりくむべきことをていねいに説得している。
本書の目次を見ただけで読むことを敬遠する人は、すでに「正常性バイアス」のワナにおちている可能性がある。正常性バイアスとは、危機に直面したときに危機そのものを認めず、事態は正常だととらえてしまう心理のことである。
災害心理学において重要なポイントだそうだ。そのほかに「集団同調性バイアス」、「パニック過大評価バイアス」がある。
本書では、韓国テグの地下鉄火災事件がわかりやすい例にあげられているが、いずれも東電原発事故でもみられたし、自分でもおもいあたるところがある。

また、本書では、いわゆる「自主避難者」の行動が、社会にとっていかに重要な役割を果たしているかを客観的に説明しており、この認識は市民も共有しなければならない。
第 6 章 行政はいかに備えたらよいのかでは、兵庫県篠山市 (ささやまし) の原子力災害対策検討委員会のメンバーとしての経験から、行政の原子力防災・減災の具体的な実践例や提言が書かれている。
原発推進または反対のいずれの立場の人であっても、この課題は避けられないはずである。
本書のように、柔軟に、あるがままの現実を見て課題を発見する立場は大切であり、市民の自発的判断力と行動力がそれを実現していく道であろうとおもわれる。
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目次
まえがき
第 1 章 原発事故とはどのようなものか
第 2 章 あらゆる災害に共通する「命を守るためのポイント」がある。
第 3 章 原発災害への対処法
第 4 章 放射能とは何か,放射線とは何か,被曝とはなにか
第 5 章 放射線被曝防護の心得
第 6 章 行政はいかに備えたらよいのか(兵庫県篠山市の例から)
あとがき
(A5 版,271 p.)
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『原発からの命の守り方
――いまそこにある危険とどう向き合うか』
2015 年 10 月 17 日 初版発行
著者 守田敏也
発行所 株式会社海象社
http://www.kaizosha.co.jp
ISBN978-4-907717-43-8
定価 1,380 円(税別)

*****

必読。「原発からの命の守り方」(守田敏也著)
帽子作家ぜんばやしの贅沢な自給自足的生活
http://zisoku.com/kyoto/2015/12/23/book/

少し前に入手していたが、中々読みきれていなかった守田敏也さんの新刊。やっと読了。昨日夜、何とか一気に後半読みきった。
その名もズバリ、
原発からの命の守り方: いまそこにある危険とどう向き合うか
という、まさに「原発について今知っておきたいこと」をテーマにした本である。

守田敏也さんは京都に非難移住した人ならほぼ知っているであろうと思われる、フリージャーナリストの方。
2011年の震災後からずっと継続して原発の問題について追いかけて、どんなに小さい会であろうとも講師になり具体的な提言をされてきた人である。

私が守田さんに初めて会ったのはたしか、「カライモブックス」での震災瓦礫処理問題の勉強会であったと思う。
震災瓦礫処理問題では感情的とも思われる論争が多い中、先ずその徹底的にデータを集めて「問題の本質」を突き止めようとするそのありかたに独特のものを感じたのをよく覚えている。
岩波ブックスからすでに出ている、矢ヶ崎先生との共著・内部被曝もよくここまで簡潔にまとめたなとしか言い様の無い凄い本であるが、次の本はどのような提言をされるのであろうか・・と心待ちにしていた。

本中では「正常性バイヤス」と呼ばれる、大きな災害が目の前に起こっていてもそれを認めず、結果的に大惨事に巻き込まれてしまう人間の心理の働きとは?について念密な考察と、そこから逃れるにはどのような処方が有効であるか?が具体的に語られる。
匂いも色も何も無い放射能からの被曝への具体的処方に関しては、私も自分自身と娘の命を守る為に必死に学んできたが、この本中にも記述があるヨウ素剤についての話は初めて知った。具体的で、非常に参考になる。
本後半では兵庫県篠山市での取り組みが紹介されているが、京都市も同じようにヨウ素剤配布を早急に検討して欲しいものだ・・ちなみに篠山市では、来年一月から配布が開始されるそうです。

本中の他の話は私自身としては大体の大枠は知っている内容であったが、一般にはあまり認知されていない事実であろうと思う。
原発の問題とは実際のところ何なのか、十分これからも起こりうる問題としての原発からの「放射能被曝」に対して今認識しておきたい前提を伝えるのに最良の本であると思う。
これからの世の中を生きていくのに、まずここで語られる事は知っておきたい。作者に惜しみない拍手を送りたいと思う。

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