ぼちぼち日記

大切な日々のこと

夏休み読書の記録 

2010-09-12 17:43:16 | わたしの読書
 『忘れ川をこえた子どもたち』マリア・グリーぺ 大久保貞子 訳

『夜のパパ』のマリア・グリーぺ。
だいぶ前に、妹から借りていたのだけれど、すっかり忘れていました。(妹よ、ごめん)
『夜のパパ』に比べると、なんだか、題名が地味な気がして、なかなか開けなかったのです。
でも、それは、間違いでした。
最初から、「何か起こる」という予感が、読む者を支配します。
ずっと、ドキドキしっぱなし。特に、事件が起こる前までが、怖かったー。
いつの間にか、物語の世界に入り込んでいました。

登場するのは、心に問題を抱えた人間たち。
問題は、ちょっとしたことなのです。
旦那さんが、仕事ばかりして構ってくれないとか。
自分は、子どものために、犠牲になっていると思ってしまったりとか。
人に「ありがとう」と言ってもらいたいばかりに、周りの人を傷つけてしまうとか。
そんなことが、複雑に絡み合って、事件は起こります。
それに立ち向かうのは、フラクサという占い師と大ガラスのクローケ。

結局、二人が立ち向かったのは、何だったのだろう。
そんなことを、とりとめもなく考えました。

誰もが主人公である、不思議な物語。人物描写、心理描写が素晴らしかった。
すっかりハマッてしまい、読み終わるやいなや、図書館へ行って『エレベーターで四階へ』を
借りてきました。(昨日、読了)
マリア・グルーペ。ちょっと、ハマリそう。

 『お話を運んだ馬』 I.Bシンガー作 工藤幸雄訳

某大型古本屋さんで、150円で売っていました。
しかも、創刊40年記念の装丁のもの。びっくり~

人が作り出す「物語」とは、なんなのか?人は、どうして物語を求めるのだろうか?

答えが書いてある訳ではありません。
読み手が、答えを感じる本だと思いました。
言葉では表現できない、感覚のようなもので。

本を閉じたとき、私は、きっと、死ぬまで本を読み続けるだろうと、改めて思ったのでした。

 『Love,★Stargirl』 ジェリー スピネッリ 千葉 茂樹・訳

『スターガール』が好きで、好きで・・・どうしても、続編を読む気になれませんでした。
続編に、「前作の世界」を台無しにされてしまうのが怖かったから。
ところが、たまたま行った図書館で、この本が、返却ボックスに置かれているのを、
通りがかりに見つけ、釘付けになりました。

なんて、美しい色!
一度、通り過ぎて、でも、どうしても気になって・・・引き返して、手に取りました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・運命の出会い?

その後のスターガールの物語が、彼女の日記として描かれています。
その後のスターガールは、以前と、全く変わらない女の子。スターガールそのものでした。

変わった女の子。

その特異さが、前作では際立っていたのだけれど(だから、「いじめ」の本と捉える人も
いたのかもしれません)、この本では、前と何も変わらないのに、その特異さを感じること
がありませんでした。
変わった女の子は、ごく普通の悩みを抱える、恋する女の子でした。
ああ、私ってば、どうして、こんな当たり前のことに気づかなかったんだろう。
(あのハイスクールの子たちと同じじゃないか!)
特異な友達を、周りは、どう受け入れるのか?そう考えていた、私が恥ずかしい。

スターガールの悩み、苦しみ、痛み。
それは、実は、私達が抱える悩み、苦しみ、痛みと、なんら変わらないということに気づきます。
そして、それらに出される答えは、私達をも導いてくれるものでした。
なーんだ。私たちは、みんなスターガールなんじゃないか!

ぜひ、YA世代に読んでほしい!1冊ではなく、2冊一緒に。
これは、2冊一緒で、一つの物語だと思うから。
希望に満ちた、素晴らしい本でした。
息子にも、いつか、娘にも(気が早すぎ!)読んで欲しいと思いながら、本を閉じました。

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夏休み終了1週間前。
終わりが見えたとたん、萎えていた「読みたい気持ち」が、ムクムクと湧き上がってきました。
一週間とちょっとで、この3冊読了です!
最後の一冊は、始業式後に読み終えたけれど、ギリギリ、夏休みの読書に入れました。
夏休み、さようなら!

でも、終わったと思ったら、忙しい「秋」が待っていました。
体育祭、文化祭、幼稚園の運動会、バザー!
おまけに、午前中だけの仕事が決まりそうです
しかも、息子の部活、今月の土日は、ほとんどすべて遠征。すべて、集合時間が6時台!
結局、5時起きか・・・・・。でも、毎日じゃないんだから、いいじゃないのと、自分を慰めています。

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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ROKOさんへ (こもも)
2010-09-30 17:23:25
わー。読まれたのですねー。
面白かったですよね!「忘れ川をこえた子どもたち」!!!
あの独特の雰囲気がたまらないです。

「夜のパパ」を読んでいるところ、申し訳ないのですが、
「エレベーターで四階へ」も、相当面白かったですよ~
「夜のパパ」同様、女の子が主人公で、これがまた、生意気な事、この上ないのです。
そして、そんな娘にふりまわされる母。
マリア・グリーぺは、生意気な(芯の強い)女の子を書く天才だと思いました。
この本で、マリア・グリーぺのファンになったと確信しましたよ!
良かったら、お次にいかかでしょう(笑)

ROCOさんのガラス。
密かに、過去の記事までチェックしているんですよ!どれも、本当に素敵です。
ROCOさんの「忘れ川・・・」は、私とは、また違う意味を持った本なんだろうなーと思うと、
また、ドキドキしてきます。
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マリア・グリーペ (ROKO)
2010-09-29 14:55:52
「忘れ川をこえた子どもたち」読んでみました。
マリア・グリーぺという作家、初めてでしたけれど
すごく面白かったです。グイグイ、引き込まれますね。

領主ときたら、少しも夫人の気持ちがわかっていないのですね。
あー、でもこういうちょっとした気持ちの行き違いというのは
あるのかもしれない・・・と、思いました。
そのちょっとした事を、ここまで人をひきつけるお話にして
しまうのが、すごいー!

ガラス職人がガラスにのめり込んで行く様が、ちょっとわかるな~と
いう感じで、私のツボでした。ガラスって、不思議な魅力が
あると、思っているのです。

「夜のパパ」も今読んでいるんですよ。
忘れ川・・・とは全く違うけれど、こちらも良いですね。
ご紹介ありがとうございます♪
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るんさんへ (こもも)
2010-09-29 11:31:32
著作権のことには疎いし、パソコンには疎いし、頭を悩ませつつ、細々と記録を書き続けているこももです。
るんさんも、良い方法を見つけて下さいね。
gooより、もっと、画像が置いておけない所もあるので
変えるときは、要注意ですよ!!!
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ありがとうございます。 (るん)
2010-09-28 00:39:38
こももさん、迷惑おかけしました!!ありがとうございます。アマゾンのアフィリエイトと兼務でやればこういうこともできるんですね。アマゾンアフィリエイト勉強してみます。画像がなくなって寂しいブログになってしまったので、gooブログ続けるか否か思っていましたが、こももさんのアドバイスで少しgoo内でアマゾンの画像が載せられるか試してみます。

さん、朝からお家でバタバタ、幼稚園でバタバタだから、疲れちゃいますよね。こももさんも体調環境が変わって、体調崩されませんように
返信する
るんさんへ (こもも)
2010-09-24 16:19:20
こんにちは!
無事にお仕事が決まり、あれよあれよという間にフル回転!
今日は、早朝から幼稚園にお預かりで、すっかり疲れ果てた娘が、めずらしくお昼寝です。
お昼には終わる仕事ですが、目の回るような忙しい朝に
慣れるまで、母娘、試練のときデス(笑)

さて、ブログの画像ですが、
私は、アマゾンのアフィリエイトに登録しているので、
アマゾンのショップの画像を貸して頂いています。
(なかなか、リンクする暇がない状況ですが・・・)
アマゾンの画像のプロパティのアドレスをコピーして
gooの画像編集のURLの欄に貼り付けていますよ。
登録料は、ありません。
返信する
Unknown (るん)
2010-09-24 02:27:25
夏休みが終わってもまだまだお忙しそうですね。お仕事がもし決定してたら、おめでとうございます。この3冊は特に読んだことがありません。こももさんの本棚を追いかけるのもちょっと大変かも(笑)。一つブログのことでお聞きしたいのですが、gooブログって、画像が30枚位までで制限されているみたいなんですが、どうしてこももさんはこんなに写真を載せることができるんですか?画像は携帯からPCにメールで送って、ブログ内で保存して載せてました。こももさんはいつもどうやってますか?
ブログのサイトここしか書き込んでいなかったので、ご迷惑おかけします・・・。
返信する
琴子さんへ (こもも)
2010-09-15 13:52:05
グレー!まさに!
あの本は、最後まで、私にとって「グレー」一色だったかもしれません。
もちろん、ラストにはホッとしたし、良かったのですが、それまでが素晴らしすぎて、ラストの印象が、あまりないのです(苦笑)
それでも、好きなんだから、いいですよね!

ガラスの割れるシーン。
最初のガラスが割れるシーンが、あそこに繋がるとは思いませんでした。
最初から最後まで、うなりっぱなし、魅了されっぱなしの一冊だったような気がします。

「エレベーターで四階へ」の続編が、公民館に届きました!
とりに行くのが、楽しみで仕方ありません♪
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ぱせりさんへ (こもも)
2010-09-15 13:45:16
鬱屈した空気・・・本当に、その通り!
読めば読むほど、きりきりと締め付けられるようでした。
マリア・グリーぺの力強い、迷いのない文章は、なんて魅力的なんでしょうね。
「エレベーターで四階へ」も、ぐいぐいと引っ張られながら読みました。
私は、続編を予約しました♪忘れてしまわないうちに、ね。
何ししろ、ぱせりさんの本棚を追いかけるのが忙しくて(笑)
読書の秋には、ぱせりさんのブログがかかせません。

「ラブ・スターガール」は、驚きの一冊でしたね。
他人から見た自分と、自分自身から見た自分。
あんなにも、違うのですね。
驚きと共に、自分の視野の狭さを思い知らされたようでした。
丘の上の風景は、本当に巣晴らしかったです。泣いて、泣いて・・・。私も、あの場所に立っている錯覚に陥りました。
返信する
Unknown (琴子)
2010-09-14 23:50:45
こんにちは。
マリア・グリーペ、わたしも大好きです♪
このお話を読んでいる間中、ざわざわと落ち着かない感覚が
ありました。
色でいえば、グレーのような・・・?
ガラスを割るシーンは、インパクトが強くて
ずっと残っています。

こももさんの秋も忙しそうですね!
がんばって乗り切りましょー(オー)
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Unknown (ぱせり)
2010-09-14 07:09:19
こももさん、おはようございます。

「忘れ川を越えた子どもたち」は、初めて読んでマリア・グリーぺでした。
なんともいえない鬱屈した空気に胸が締め付けられるようでした。それなのに、すごく力強い文章で、ぐいぐい引っ張られるように読んでしまったのでした。とてもおもしろかったです。
>結局、二人が立ち向かったのは、何だったのだろう。
考えてもみなかった・・・ほんと、何だったんでしょう。
そんなことを考えながら、また読み返してみたいです。
「エレベーターで四階へ」も、一巻を読んだきりでとまっているんです。こちらもかなり忘れていて、最初から読みたい!

「ラブ、スターガール」は、読み終えて、わたしも一冊めでやめなくてよかった!と強く思ったのでした。
他人から見た自分と、自分自身から見た自分って、こんなに違うんだということもびっくり。
丘の上の風景があまりにすてきで、忘れられません。
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