限界集落の話題が出てきてから、久しくなります。衰退から復興を願う町村は多いのですが、なかなか復興の道筋を見いだすまでにはいかないようです。小学校の統廃合が進み、地域の核となる施設も消滅している地域もあります。バスの運行を、断念する地域も出てきています。一方、バスの運行ができない地域で、人件費を抑えた新しいタイプのモビリティビジネスを考える地域もあります。
そこで、苦境の中でお金をかけないで地域を活性化させるアイデアを練ってみました。
時間も金も人もないから何もやらないという姿勢ではなく、知恵を絞ったら面白いことができたという発想です。有名な葉っぱビジネスの村があります。葉っぱビジネスは、パソコンやタブレットを自由自在に使いこなす高齢者が主役です。このビジネスは、秋に春の桜、そして春先の紅葉というニーズに応えました。季節を逆手に取ったビジネスが、市場から信頼を得られ収益も上げているのです。葉っぱビジネスは、ピークを外して出荷する技術と量の確保が特徴になっています。このビジネスは、320種にも及ぶ多品種の生産と直売、そして即日発送によって成り立っています。パソコンやタブレットを駆使する能力と長年にわたる経験が、このビジネスと支え、他の侵入を許さない土壌を築いているのでしょう。ここで注目するすのは、高齢者技能とIT技術、そしてこの事業を発案した優れた方でした。
限界集落といわれる地域でも、以前は集落に若い構成員いて地域内の課題は解決されていました。集落の課題は、草刈りや農業用水の維持、鳥獣の排除などです。草刈りや農業用水の維持、鳥獣の排除は、サービスビジネスとして市場性の可能性を持っています。田んぼのまわりの草刈りをしなければ、害虫が発生します。農業用水を利用すれば、小水力発電が可能です。鳥獣を上手にの排除をする仕組みを作れば、全国的なビジネスになります。課題を解決すれば、そのソフトやハードは利益を生み出すのです。
今回は、草刈りに絞って商機を考えてみました。多くの農村は、草刈りに多くの人手と時間を使っています。一方、一級河川の土手などの草刈りは、大型の自動草刈りが轟音を鳴らしてあっという間にきれいにしていきます。でも、この大型機械を農村の草刈りに導入されていません。コスト面や機械と田んぼの構造に問題があるのでしょう。逆に捉えると、田んぼの構造に合った草刈り機を、低コストで運用できれば、面白い草刈りビジネスになるわけです。
掃除機のムーバのように、小型の自走草刈りにAI機能をつけてあぜ道の草を刈るロボットの開発を提案します。まず、都会から人材を募集します。定年退職した方や田舎に関心のある方に情報を発信します。「あぜ道の草を刈って、枝豆をつくります。このロボット事業に関心のある方は、ご応募下さい。報酬は、あぜ道でできた枝豆と生ビールです」程度で良いでしょう。ロボット製作所は、小学校の廃校舎を利用します。試作期限は期限は3ヶ月、毎日でも、土日でも作業は可能にしておきます。寝泊まりは、小学校跡や農家に泊まることになりますね。そこで、草の性質やあぜ道の構造などの情報交換が行われることになるでしょう。
材料は、安価なものを村が用意しておきます。もし、あぜ道の草をきれいに苅るロボットができれば、農家にとっては福音です。ということは、日本の農家にとって福音になるのです。すでに、自動運転の技術を使った掃除機が、工場や空港などでは導入されています。自動草刈り機に必要な部品や機械は、市場にすでに揃っています。傾斜のある畦を効率的に刈っていく自動走行の草刈り機を作る工夫だけのように思います。気まぐれな技術者の方に挑戦してほしいものです。