ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

限界集落の知恵が自動草刈り機をつくる  アイデア広場 その200  

2017-09-23 17:32:49 | 日記

 限界集落の話題が出てきてから、久しくなります。衰退から復興を願う町村は多いのですが、なかなか復興の道筋を見いだすまでにはいかないようです。小学校の統廃合が進み、地域の核となる施設も消滅している地域もあります。バスの運行を、断念する地域も出てきています。一方、バスの運行ができない地域で、人件費を抑えた新しいタイプのモビリティビジネスを考える地域もあります。
 そこで、苦境の中でお金をかけないで地域を活性化させるアイデアを練ってみました。
時間も金も人もないから何もやらないという姿勢ではなく、知恵を絞ったら面白いことができたという発想です。有名な葉っぱビジネスの村があります。葉っぱビジネスは、パソコンやタブレットを自由自在に使いこなす高齢者が主役です。このビジネスは、秋に春の桜、そして春先の紅葉というニーズに応えました。季節を逆手に取ったビジネスが、市場から信頼を得られ収益も上げているのです。葉っぱビジネスは、ピークを外して出荷する技術と量の確保が特徴になっています。このビジネスは、320種にも及ぶ多品種の生産と直売、そして即日発送によって成り立っています。パソコンやタブレットを駆使する能力と長年にわたる経験が、このビジネスと支え、他の侵入を許さない土壌を築いているのでしょう。ここで注目するすのは、高齢者技能とIT技術、そしてこの事業を発案した優れた方でした。
 限界集落といわれる地域でも、以前は集落に若い構成員いて地域内の課題は解決されていました。集落の課題は、草刈りや農業用水の維持、鳥獣の排除などです。草刈りや農業用水の維持、鳥獣の排除は、サービスビジネスとして市場性の可能性を持っています。田んぼのまわりの草刈りをしなければ、害虫が発生します。農業用水を利用すれば、小水力発電が可能です。鳥獣を上手にの排除をする仕組みを作れば、全国的なビジネスになります。課題を解決すれば、そのソフトやハードは利益を生み出すのです。
 今回は、草刈りに絞って商機を考えてみました。多くの農村は、草刈りに多くの人手と時間を使っています。一方、一級河川の土手などの草刈りは、大型の自動草刈りが轟音を鳴らしてあっという間にきれいにしていきます。でも、この大型機械を農村の草刈りに導入されていません。コスト面や機械と田んぼの構造に問題があるのでしょう。逆に捉えると、田んぼの構造に合った草刈り機を、低コストで運用できれば、面白い草刈りビジネスになるわけです。
掃除機のムーバのように、小型の自走草刈りにAI機能をつけてあぜ道の草を刈るロボットの開発を提案します。まず、都会から人材を募集します。定年退職した方や田舎に関心のある方に情報を発信します。「あぜ道の草を刈って、枝豆をつくります。このロボット事業に関心のある方は、ご応募下さい。報酬は、あぜ道でできた枝豆と生ビールです」程度で良いでしょう。ロボット製作所は、小学校の廃校舎を利用します。試作期限は期限は3ヶ月、毎日でも、土日でも作業は可能にしておきます。寝泊まりは、小学校跡や農家に泊まることになりますね。そこで、草の性質やあぜ道の構造などの情報交換が行われることになるでしょう。
 材料は、安価なものを村が用意しておきます。もし、あぜ道の草をきれいに苅るロボットができれば、農家にとっては福音です。ということは、日本の農家にとって福音になるのです。すでに、自動運転の技術を使った掃除機が、工場や空港などでは導入されています。自動草刈り機に必要な部品や機械は、市場にすでに揃っています。傾斜のある畦を効率的に刈っていく自動走行の草刈り機を作る工夫だけのように思います。気まぐれな技術者の方に挑戦してほしいものです。



仮設住宅を利用した有料災害体験 「ふくしま」を少し良くするアイデア その23

2017-09-23 17:23:41 | 日記

 東日本大震災の時の仮設住宅は、徐々に取り払われていくことになります。住宅とその場所には、災害を体験した方の苦渋の体験が凝集しているところなのです。このまま整理するのは、惜しいように思うのは私だけではないでしょう。
 そこで、この住宅を核にした災害体験施設の創設を考えてみました。災害や非常事態が、日常的に起きるこのごろです。真に迫る疑似災害体験が必要とされています。第一段階は災害の初日の体験、第二段階は72時間前後の生活、さらに第三段階の1~2年と続く避難生活をダイジェストで体験してもらうのです。気象予報士、消防士、自衛隊など方の援助を頂いて、災害の対処の仕方を教えてもらうのが、第一段階になるでしょう。第二段階は、ある程度落ち着いて、電気や水、そして入浴の要求が強くなる時期の対処です。近くの木材で風呂を沸かすとか、水の調達の仕方を学ぶわけです。第三段階に、1~2年の長期戦に備えた心構えを、社会福祉関係の方にお話しを聞き、グループ学習をすることになるでしょう。
 この施設に各地の修学旅行や合宿スクーリング、もしくは外国人観光客を招き入れます。宿泊をしながら、東日本大震災の様子を体験してもらうわけです。仮設住宅の問題は、福島だけではなく、宮城、岩手にもあります。3県を巡る震災体験旅行も、企画できるでしょう。仮設住宅を使用するのですから、格安に宿舎の提供はできます。避難住宅を核にして、災害地の実情や復興の状況を見てもらうのです。サイクリングなどで見てもらえば、より身近な実情が理解されるでしょう。その情報を発信してもらえば、東北の実情はより明確になります。例えば、放射能の年換算線量は、南相馬市は0.82㍉シーベルト、岐阜県多治見市は0.72㍉シーベルト、広島県福山市は0.79㍉シーベルト、富山県へ南砺市は0.81㍉シーベルトです。放射能の線量に関しては、全国と変わらないのです。
 蛇足ですが、世界には、もともと福島より放射線量が高い地域があります。20万人が住むインドのケララ州マドラスでは年間の空間線量が9.2㍉シーベルトです。ブラジルのガラパリでは5.5㍉シーベルトで、バードウオッチャーに有名なイランのラムサールでは4.7㍉シーベルトです。もし、これらの施設が順調に運営されるようになり、ラムサールに詳しい方に、放射能と鳥の生態の変化になどに話が聞ければ、福島にも役立つ情報になります。世界各地からやってくる人達の知見を、この災害体験施設から発信できるのです。観光資源の視点からも、全てを壊してしまうことはもったいないように思います。



食の安全安心と供給の保障を求める時代   アイデア広場 その199 

2017-09-22 16:27:17 | 日記

 イタリアから始まったスローフード運動は、生物の多様性を維持すること、地産地消を重視すること、食経験の社会的共有などを柱に世界中に広がっています。このような栽培を行う場合、大規模農業はむいていません。小規模で、多品種少量作付けをしていくことになります。野菜の特性を生かす生産方法は、耕しすぎないこと、水をあげすぎないこと、肥料を上げすぎないことなどなどがあります。連作を避け、輪作を行い、土地の肥沃土を保ち、病気を避けることになります。小規模で、大きな利益を上げる農家も出てきています。
 そこで、小規模農業の運営や利点を考えてみました。小規模農家で利益を上げているケースは、「安全安心」をまず重視します。無農薬農法とか有機農法を実践し、安全安心を理解してもらいます。多品種少量作付けの農業は、できる量が決まってきます。販売する場合、同一作物を同時に大量に出荷できません。季節の旬に応じて、収獲される作物をセットにして販売することになります。最近の家庭は、高齢化が進み、一度に多くの食材を使用しません。旬の野菜をセットにして、1回の料理に必要な分量だけを販売する方式は合理的な方法です。お分かりのように、小規模農家のターゲットは、健康を重視する階層になります。既存のスーパーなどの購買層より、一段高いレベルの層を狙っているわけです。生産者も消費者もスローフードの意義を理解し、ネットやパソコンを使いこなす人達ともいえます。
 小規模農家は安定して買ってくれる意識の高い人々がいるから、安心して農作業ができるわけです。それでも、作物には豊作や不作はつきものです。トマトが多く取れた場合、いったんは冷凍し、時間に余裕ができたときにジューサーにかけてジュースやソースに加工します。作物を無駄にしないで、利益を考えることになります。農家の都合を押しつけず、消費者の利便性を第一に考えていきます。野菜セットならどんな野菜が入っていたら、消費者が献立を立てやすいかなどを配慮することになります。もちろん、野菜セットには、レピシをいくつか付けておきます。
 小規模農家は、6次化産業を行うことで利益を上げることになります。そこで大切なことは、設備にお金をかけないことです。でも、必要なものは、完備していなくてはなりません。自分の農地で収穫した米や小麦で団子やケーキを作り販売する場合、菓子製造免許が必要です。6次化の目的は、売上げを増やすことではなく、利益を上げることです。新しい流れとしては、都会の消費者がかかりつけの農家を持つ傾向が出てきています。常に安全な食料が、確保できる基地を求めているのかもしれません。都心で、災害起きた場合のリスク回避に備えているのです。食の安全安心とその供給の保障も、小規模農家には求められている時代なのかもしれません。

6千億円を毎年繰り入れる奨学金制度が全ての人を幸福にする アイデア広場 その198  

2017-09-21 16:54:51 | 日記

 高学歴の女性を母親に持つ子供と低学歴の女性を母親に持つ子供との間には、教育の環境に格差が生まれます。高学歴な母親ほど仕事を持ち、安定した結婚生活を営み、わが子の教育に熱心です。大卒の母親は低学歴な母親よりも育児に多くの時間を割き、とくに情操教育に力をいれるようです。教育格差が一度つくと、なかなかその差を取り戻すことができないと、メリトクラシー理論の信奉者は主張しています。その真偽は置いておいて、教育格差を解消するという説に反対する人はいないでしょう。
 そこで、教育格差を解消の解消する方法として奨学資金の増額を考えてみました。日本で奨学金を利用している若者は、130万人です。年間1兆1千億円使っています。奨学金の額は、年間一人100万円弱になるようです。これでは少ないでしょう。奨学金を充実させるためには、積極的な募金活動や的確な基金運用が重要になります。奨学金の基金を小中高生が、在学中に働いて作り出す仕組みを提案します。自分たちの将来の教育資金を、自分たちで稼いで準備しておく仕組みを作るわけです。日本の小学生は640万人、中学生と高校生は330万人の660万人になります。計1300万人児童生徒がいるわけです。そのうち、小学校1~3年生は除外して、1000万人の児童生徒が奨学資金を作るために働くことにします。1000万人が年間30日、1日4時間、時給500円で働くと、年間6000億円の収入が得られます。これを現在の奨学資金の制度に組み込むのです。
 草刈りの担い手は、年々減少しています。雑草が伸び放題になると、カメムシが増加し、農作物の被害に繋がります。地方自治体では、地域の環境美化にシルバー人材センターなどの高齢者を利用しています。これらの作業に、小中学生を参加させます。社会に通用する労働力は、小さいうちからの積み重ねによって養われます。家事労働や地域の労働の機会を、子ども達に準備することは必要なことです。高校生になれば、商業科や建築科などの専門性を生かす作業が可能になります。レジに立ったり、建設工事に参加することは可能です。小中高生が、自分のできることや特性を生かして働き、そして稼ぐわけです。
 人の資質や人間の成長に資産を集中すれば、経済的成功は後からついてきます。子ども達が労働で稼いだ6000億円を、現在の奨学資金1兆1000億円に加えて、1兆7000億円として奨学金を増額するわけです。奨学金には、返還制度があります。もし毎年6000億円が奨学基金に加えられれば、莫大な基金が蓄積されることになります。返せない若者もいるようです。でも、マイナンバー制度を奨学金制度と結びつけることにより、生涯にわたり無理のない返還の仕組みを作ることは可能です。教育の目的は、社会が幸福であり、全ての人を幸福にすることです。多くの若者が高等教育を受ければ、より良い子育てが可能になります。奨学金制度を充実させ、教育の目的を達成させたいものです。



伊達市の健幸ポイント制は素晴らしい 「ふくしま」を少し良くするアイデア その22

2017-09-20 17:08:52 | 日記
 伊達市は今秋から、日本郵便と協力した市民の健康事業「健幸ポイント」を始めます。市民が取り組んだ運動に応じてポイントを付与し、健康づくりを推進するものです。ポイントに応じて商品券や体組成計などが当たるようです。市民が健康で幸せな生活づくりを目指す施策は、全国の自治体で取り組まれるようになりました。認知症の増加やメタボの増加が、住民の健康を蝕み、地域の居住環境を悪化させる要因になっています。健康な高齢者をいかに増やしていくかということが、これからの地域の課題になります。ぜひ、伊達市の皆さんには、健康寿命を延ばしてほしいものです。
 そこで、老婆心ながら一言。健康に良いことが数多く提言され、多くの施策が行われてきました。でも、10年とか20年と続くプログラムはなかなかないことも事実です。その中で、続けている人達の特徴を述べたいと思います。まず、仲間がいることです。次に運動する場所があることです。最後は、楽しく歩いたり、体を動かすプログラムを持っていることになります。散歩の場合、いつも散歩をすると途中で出会う人がいれば、長続きする動機になります。運動する場所も、重要です。ホームグランドともいうべき、ホームウオーキングコースの存在です。常に安心していつでも使える場を持つことは、長く運動する上で必要不可欠なものです。気分や体調に合わせて、いくつかのコースを持つ人は長く続けている人でしょう。最後に、歩くことや運動する楽しみを作り出す人は、達人ともいえる人でしょう。
 蛇足ですが、糖尿病や認知症に運動が効果的といわれています。糖尿病の患者の海馬は、健康な人より5%小さいという研究報告があります。海馬は、記憶をつかさどる中枢です。散歩や水中ウオーキングをしながら、「しりとり」や「計算」をする運動プログラムは、海馬や記憶に有益な刺激を与えます。2つ以上の行動をすることを、「デュアルタスク」といいます。この運動を毎日実践することは、脳の神経を活発化します。デュアルタスクの軽い運動を継続的に行うことは、糖尿病と認知症の両方の改善につながるわけです。散歩の中で、計算や歴史年表などの復習をしてはどうでしょうか。私の知り合いは、全国の市の名前を言いながら散歩する人がいます。元気ですね。



運動できる子どもは学力が高いのか  アイデア広場 その197 

2017-09-20 16:56:31 | 日記


 秋田県や福井県の学力テストや体力テストの結果を見ると、学力も運動能力が高くなっています。そこで、運動と学力には相関関係があると主張する人達もいます。アメリカの統計でも、小学校低学年までは、運動と学力の相関が見られるなどという報告はされています。さらに、近年問題になっているのは、ゲーム時間が長い子は、学力が低いようだという説も出てきています。
 そこで、運動と学力の関係について考えてみました。子どもの運動能力と学力の関係が、因果関係なのか、相関関係なのかよく考える必要があります。この関係が「あるのか」もしくは「ないのか」を、統計学では「有意である」とか「有意でない」という言い方をします。簡単に言うと、確率が、5%以下であるときに、統計的に「有意である」ということになります。確率が5%を超えるとき、統計的に「有意でない」となります。確率が5%を超えると、2つのグループの差(運動と学力の関係)は、誤差の範囲だったり、偶然の産物と説明されるわけです。
 コインを1回投げた場合、表になる確率は50%、裏になる確率は50%になります。コインを2回投げて両方とも表だったとしても、多くの人は偶然と考えるでしょう。でも、4回投げて4回とも表が出た場合、「いかさまじゃないか」と疑いはじめます。コインを4回投げて全部表になる確率は、0.5×0.5×0.5×0.5=0.0625となります。約6%です。そして、5回投げて全て表が出たときは、「偶然のはずがない」と確信してしまうでしょう。コインを5回投げて全部表になる確率は、0.5×0.5×0.5×0.5×0.5=0.03125となり、約3%ということになります。統計的に有意かどうかを判断する基準の5%とは、この6%と3%の確率の中間当たりになるわけです。5%の数字は、特別な意味はないのです。でも、経済学や統計学では長年にわたって、広く用いられてきました。要は、確率的に5%以下であれば、運動と学力の差は、誤差や偶然では説明できない「意味のある数字」ということです。
 運動ができるとか、学力が高いということは、十分な食事や睡眠、そして運動や学習環境によって保障されています。教育の熱心な親は、子どもにスポーツを習わせたり、学習塾に通わせ、食事に気を使っています。本当は、子どもの運動能力を向上させ、学力を高めているものは、親の熱心さなのです。運動と学力の両方に影響を与える第3の変数が、存在するわけです。この第3の変数は、交絡因子と呼ばれています。子どもの運動能力にも学力にも、影響している熱心な親という交絡因子の可能性も考慮に入れることです。
 余談ですが、高学歴の母親から生まれる子どもは、早産や低出生体重生まれる確率が低いのです。高学歴に母親は、妊娠中に喫煙する確率が低く、妊婦検診にいく確率が高かったのです。学歴を積む中で、健康状態を良くする習慣を身につけたわけです。彼女達に育てられた子どもは、健康に育つはずです。教育は、それを受けた本人だけでなく、次世代の子ども達にも恩恵をもたらしているわけです。社会全体に対して、教育は投資リターンが極めて良いことを示しているのです。

ベストセラーの作り方  アイデア広場 その196 

2017-09-19 16:57:32 | 日記

 アメリカのお話しです。本を読むようにプログラムされたコンピュータは、1日で数千冊の本を読んでしまうそうです。このコンピュータは、パターン認識が人間より速く上手です。人間が到底できないきめ細かなパターンを捉えます。数千冊の本のデータを、数千の角度から分析することが可能なのです。もちろん、人間のように内容を理解して読むことはできません。小説を細部まで分析し、それを明らかにし、他の小説と比較をすることにかけては、凄腕の評論家もこのコンピュータにかなわないそうです。
 そこで、コンピュータを利用して、今売れているベストセラーの特徴を把握すれば、売れる小説の種を発見できるのではと考えました。さらに、アメリカで流行っていることは、数年後に日本にもやってくるという経験則があります。その場合、どのようなことが起きるのかを、予想しても良いかなとも考えた次第です。アメリカにおいて、売れる小説であるためには現実性が大切になります。ベストセラーでは、主人公は行動的でなければなりません。主人公を含む登場人物は、その行動によって読者に伝えるようになります。単なる説明では、いけないそうです。読者の誰でもが分かる動機を持たせ、序盤で主人公の行動特性を分かるように描く手法が取られています。
 単語分析は、コンピュータが得意とするところです。ベストセラーでは、「do」という単語がそうでない本に比べて2倍以上の頻度で使われています。それに比較して「very」という単語は、半分以下になります。飾るより動く方が重視されるのでしょう。「need」や「want」は、ヒット作品に欠かせない動詞のようです。ベストセラーは、難しい言葉は使わず、読みやすく、文の構造もシンプルです。ヒットする傾向を持つ本は、現実的な舞台が用意されています。一つのテーマに焦点を当て、口語体で、主体的行動的な主人公を描いているということです。
 このアメリカの傾向を、そのまま日本に取り入れても大丈夫なのかという疑問を持ちました。元気、陽気、そして行動的といったポジティブ思考と不活発、陰気そして非活動的といったネガティブ思考があることはよく知られています。欧米人は、ポジティブ思考の方が長生きすることが分かっています。でも、日本人はネガティブ思考の方が長生きしているのです。日本人の長寿の要素は、生真面目で、自己コントロールができ、慎重な努力家だったのです。明るさや陽気さは、むしろ寿命に対してマイナスの相関さえも示しているのです。誰でもジョギングをすれば、長生きするというものではないということです。
 アメリカのベストセラーの主人公は、行動力があり、ポジティブに課題に挑戦していきます。危険や失敗に対して恐れることなく、難度も挑戦をし続けます。まわりも、その姿勢を支持しているのです。日本の場合、危険や失敗に対する用心深さ、自己コントロール、伝統や慣習を尊重する気風があります。アメリカの作風が日本に受け入れられるかどうかのヒントは、翻訳小説にあります。アメリカの翻訳ベストセラーが、日本でもハリーポッター程度に読まれるようになれば、コンピュータの能力を利用したいと思いますね。

ちょっと良い方向に向かう日本  アイデア広場 その195

2017-09-18 16:01:03 | 日記
 国民生活に関する世論調査で、現在の生活への「満足」は前回に比べ4%増え73%になりました。この数字は、1963年の調査開始以来、「満足」が最多となるものです。「収入に満足か」という項目では、51%が満足と応えています。これは、21年ぶりに不満派を上回った驚くべきものです。正社員の有効求人倍率が、初めて1倍を超え、求人が求職を上回る状況になっています。長期失業者は68万人とデフレ経済に入った直後の1998年以来、19年ぶりの少なさなのです。外国の失業率などと比較すると、驚くほど良い数字です。日頃のマスメディアの論調などと比較する限り、信じられない世論調査といえます。
 そこで、この「満足」の実情を少し深掘りしてみました。2016年の経常収支が、10.5兆円の黒字になりました。海外とのモノやサービス事業で、儲かっていることを示しています。日本企業が海外の株式や債券の配当などから得る所得収支が黒字で拡大しているとのことです。訪日外国人が宿泊や飲食で消費するお金が、日本人が海外旅行で使う額を上回るようになってきました。2020年に予想される訪日外国人3600万を想定すれば、より確実に拡大基調になっていきます。日本のものづくりも、いろいろ試練を迎えています。でも、世界シェア調査では、57品目のうち11品目は首位を守っています。炭素繊維やリチウムイオン電池などは、これからの世界の製造業で必要とされる素材です。日本の製造業は、一定の底力を持っているようです。
 景気回復で、人手不足が強まっています。そのおかげで、失業者が仕事を見つけやすくなっているのです。1年以上にわたって仕事を探す長期失業が、減っています。企業が、失業者の希望に寄り添う形の採用を行ってきています。企業側の努力で、求人と求職の条件が合わない雇用のミスマッチも減っています。人手不足の企業は、投資と並んで社員教育に力を入れるようになってきたのです。
 自殺は、2016年に2万2千人と7年連続減少しています。2003年の3万4千人と比べると急激に減少していることが明らかです。失業繋期間が短ければ、働くスキルを保ちやすく、労働生産性の向上につながります。働く職場の確保が、自殺を減少させているのかもしれません。社員の教育に力を入ることは、巡り巡って企業の稼ぐ力を高めることになります。企業はすでに、400兆円の企業蓄えを持っています。これらの幾分かを、働く社員に提供してほしいものです。蛇足ですが、他の社員にないスキルを身に付けていると、ボーナスが増える状況になっています。お金をもらった社員は、旅行に行ったり、趣味娯楽で消費活動を行うことです。これらの消費活動が、個人にとっても企業にとっても大きな資産になることを経験法則は教えています。のんびりしていますが、こんな拡大基調が日本に起こりつつあるのです。



故郷納税のお返しに農業受賞者の作物を 「ふくしま」を少し良くするアイデア その21

2017-09-18 15:55:13 | 日記
 福島県から出荷される農産物は、全国で唯一、放射能ゼロの作物です。検査をして、ゼロのものだけを出荷しているから当然ということです。その福島で、第58回福島県農業賞に選ばれた優秀な農作物生産者がいます。受賞を受けた方達の農産物を全国に送ることを考えてみました。
 受賞された方は、アスパラやキュウリ、そしてモモやトマトなどに優れた品質の農産物の生産に工夫を重ねています。例えばモモの生産者の方の場合、早生から極晩生種まで9品種をほぼ同じ面積で栽培しています。出荷時期が片寄らず、長期間にわたる収穫と出荷を実現させているのです。さらに、工夫は続きます。ハウスを活用した促成栽培「加温モモ栽培」を取り入れ、裁培期間の長期化や労働の力の平準化を促し、生産量の増加を目指しています。
 提案は、受賞者の優れた農作物をアスパラとキュウリ、そしてトマトを組みあわせてセットで送るというものです。これらのセットの農産物を、福島県の故郷納税のお返しとして全国に送るのです。全国に配送する場合は、優れた福島農業の工夫やエピソード、そして美味しく食べやすい料理法のレピシなどを添えて発送してはどうでしょうか。



アイデアを量産する仕組み    アイデア広場 その194 

2017-09-17 16:22:27 | 日記

 私たちの生活は、過去に誰かが考えた多くのアイデアによって支えられています。これが生まれる第一の条件は、困った時や不便を感じたとき、そして楽をしたいときです。時間と労力を省きたいという願望から生まれるわけです。私たちは障害に直面している時に、新たなアイデアの生成に挑戦するのです。
 そこで、アイデアの性質を把握して、これを量産する仕組みを考えてみました。消費者の「~がほしい」とか「~したい」という要望が把握できれば、アイデアが見えてきます。例えば、お酒の好みは、この70年間で大きく変わっています。以前の日本酒は甘口でした。今は、辛口が主流です。貧しい日本では、働いた後、体を癒やすのはアルコールの甘さだったのです。現在は、甘さよりスッキリした飲み口のものが好まれています。ビールも同じような傾向をたどります。ビールにおいて日本人は、苦みよりスッキリしとした味を好むようになりました。お酒でも、健康ブームを考慮した安全や本物志向が見られます。消費者が求めるお酒の傾向に対して、各メーカーは多くのアイデアを作り出してきました。
 ビール業界は、戦後の日本人の好みの変化に何とか対応しようと試みました。その課題を解決しようとして、「ライト・ソフト化」や「カロリーオフ」などのアイデア商品を市場に送り出してきました。時代の課題を何とか解決したいという強い意思によって、アイデアが生み出されきたともいえます。でも、これらを作り出してきた方には、苦労がありました。アイデアは、往々にして突然やってくるのです。そっと姿をあらわし、すぐに消えてしまうのです。アイデア狩りの達人達は、たいていメモを身の回りに用意していたものです。お風呂やトイレ、そしてベットは、アイデアの最も出現する場所ともいわれていました。
 アイデアのひらめきは、行き詰まっているときに誕生します。順風満帆の時は、姿を現さないようです。思索に思索を重ね脳が飽和状態にした後に、散歩などの気分転換した瞬間に出てくることが経験則から分かっていました。思索に行き詰まったら、意識的に気分転換の時間を作るという経験者も多かったのです。イタリアで面白い照明が、開発されました。メタモルフォシィという照明です。この照明は、気分や情況に応じて、部屋全体の色の微妙な調整を可能にするものです。メタモルフォシィによって作り出される照明空間には、アイデアに働きかける力があるのです。
 思索に思索を重ね脳を飽和状態に追い込んでから、メタモルフォシィによって脳に働きかける試みをしてはどうでしょうか。情報を脳にインプットし、情報が脳内で加工され、アイデアとしてアウトプットされる流れは理解されています。情報はいつでも入力可能です。脳の中での加工工程は、ブラックボックスです。最後のアウトプットの工程を、何とか自動化する仕組みを考えるわけです。スムーズなアウトプットの工程を、アイデアを使って引き出す解決策を作り出してほしいものです。