人手不足が、問題になっています。企業は、あの手この手で不足を補おうとしています。都会のスーパーには、外国人バイトの方が多く働いています。ビジネスホテルのフロントには、上手な日本語を話す若い外国人が笑顔で働いています。それでは、日本人の働き手は、全くいなくなったのでしょうか。実は15歳から39歳の労働人口に当たる若い人材が、70万人ほど存在するのです。いわゆる引きこもりといわれている若者です。
そこで、この若者を働く給与所得者に変えることを考えてみました。70万人の引きこもりのうち、50万人は自分のやりたいことがあれば外で行動できるそうです。引きこもりの若者も、自分の行動を変えたいと考える人は多いのです。中学生や高校生では、「キャラ変え」とか「○○デビュー」などのコピーは飛び交っているようです。彼らの必須のアイテムであるSNSを見ていれば、自然に入ってくる言葉です。性格を変えたいという願望は、常に若い人たちにあります。引きこもりの人も、潜在的に持っている願望です。その願望を、徐々に実現する仕組みを提案します。
一番のお薦めは、毎日の生活のリズムを変えることです。早寝早起きの生活に、切り替えます。朝起きて太陽の光を浴びると、体内時計は正しくリセットされます。早起きは、脳と体の規則正しいリズムを作るわけです。体内時計が正しくリセットされると、脳内物質のセロトニンがより活発に生産されます。セロトニンが生産されれば、人間はより行動的になり、耐性も強くなります。引きこもりを起こしている人が、1人でも2人でも働くようになれば、社会は以前より良くなります。50万人のうち、1年間で5千人を働く人に変身すれば、社会はより生産的になり、自立する人は増えるわけです。
問題は、夜型になっている引きこもりの若者を朝方にすることです。朝早く起きれば、嬉しいご褒美を用意します。起きるだけでは、面白くありません。朝早く起きて、公園のゴミを拾ったらご褒美、コンビニ駐車場のゴミを拾ったらご褒美、フード店のゴミを拾ったらご褒美、ワードやエクセルで一定数の文字入力すればご褒美などいくつかの分野にわたって用意します。朝起きて一定の仕事をした若者に、1000円分の地域発効券を公園やコンビニの責任者がわたします。働き方を観察し、良いところを誉めます。あまり、欠点は言わないようにします。見どころのある若者を、チェックしておくことはいうまでもありません。
個人的に自分が責任をもってやったことに対して、誉められることは嬉しいことです。脳に快感の感情をもたらします。快の感情を持った時、脳内物質のドーパミンが分泌されより快感が増幅されます。朝の行動に従事し、誉められ、快感を覚える回路を繰り返すうちに、快感の刺激をもっと味わいたいと感じるようになります。目標達成や成功に対して、貪欲に取り組むようになるわけです。貪欲さは、上を目指そうとか、挑戦してみようという意欲を見出します。コンビニには、多くの仕事があります。見どころのある若者に、その仕事のいくつかに挑戦させることは可能でしょう。公園の仕事も同じです。本格的なバイトの手前の作業を、見習いとしていくつかの仕事を任せることになります。実践的なテスト採用といえるかもしれません。
楽して儲かるような「夢のような話」は、世の中に存在しません。かといって、すぐに過酷な現実の仕事を教え込むということにも無理な場合もあります。地に足が着いた取り組みで、持続的に雇用する人材を確保することも必要になります。どんな問題も、切り分けていくと、解決策が見えてくるものです。辛抱も大切です。