ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

通学してみたい小学校    スモールアイデアNO 279

2019-05-03 17:58:51 | 日記
 2つの小学校の学校行事を参観してきたことの感想です。A小学校での学校行事の参観では、上級生がてきぱきと会場設営の仕事をこなしていく光景がありました。下級生は何もすることがなく、静かにイスに座っていました。非常に効率的に、作業が行われていました。B小学校では、上級生と下級生がマゴマゴしながらしながら作業をしていました。それでも、何とか作業が終了したという光景でした。社会常識的には、時間的な効率やコストが重視されますので、A小学校が評価されると思いました。でも、学校は未熟な子ども達が、先生の支援や助言によって、試行錯誤や切磋琢磨しながら成長する場です。A小学校は、上級生だけの活動の場になっていました。B小学校は、整備に不備が見られましたが、上級生と下級生が協力しながら活動する場を提供していました。、静かにイスに座っているだけでは、下級生は仕事を覚えることはできません。どちらがこれから求められる教育のパターンなのかと思案したわけです。
 そこで、小学校の教育課程を上手に運用し、子ども達の調和のとれた学校生活をどのようにすれば良いかを考えてみました。春の新学期は、職員の人事異動や子ども達の進級や学級編成替えで、小学校の環境が様変わりします。学校の環境が変われば、授業内容や友達関係にも変化が出てきます。新学期の最初は、慣れるまでの慣らし運転の期間になるようです。良い先生は、この期間に子ども達の勉強の得手不得手を把握していきます。1年生の担任は、1年生は何ができて、何ができないのか。1年生には、この時期何が必要で、そのためには何を経験させるのが良いのか。このような課題を探して、その解決に向けて備えていくことでしょう。6年生の担任は、6年生のリーダーシップをどのように向上させるのか。中学にスムーズに溶け込むためには、どのような課題があるのかを考えることでしょう。
 子どもは、自分で考え仲間たちと切磋琢磨しながら、成長していくものです。自己表現に失敗ながら繰り返し、少しずつ分かってもらう中で成長していきます。良い先生は子ども達の人間関係を考慮しながら授業や行事を進めていきます。彼は、1日の作業量を明確にして、子どもに目標を明示しながら仕事をしていきます。子ども達は目標が近づけば、張り切ります。子どもに限らず人間は、目標が近づくにつれて、モチべーションが強くなってくるのです。目標に近づくほどにモチべーションが強められる特性は、「目標勾配」と呼ばれています。良い先生は、この特性を効果的に利用します。目標に近づきやすい学習量や課題を与えれば、良いことになります。優れた先生は、学習状況や発達状況に応じて適切な目標(スモールステップ) を設けることができます。
 優れた先生を有効活用する立場の方は、校長先生や教頭先生という立場の人達です。教育の目的を達成するためには、短い時間、少ない予算で達成することが望ましいわけです。
子ども達のモチベーションを切らすことなく、達成感を持ちながら学習や作業をしてもらえば、子ども達は健全に成長発達していきます。学校全体として、達成感を持ちながら学習や作業をしてもらうという仕掛けを工夫できる管理職が理想でしょう。もちろん、先生方にも適切な目標を提示して、達成感を持ちながら子ども達と接する環境を作ることになります。
 6年生が全てのことをてきぱきとこなし、下級生が静かにイスに座っているだけでは、不十分なようです。上級生と下級生が一緒にやると齟齬をきたすことがあります。でも、失敗する場や成功するチャンスを与える場を与えることは、子ども達の成長に必要なことなのです。いきなり集中力やモチベーションを高めて、全力で授業や作業に取り組んで、成果を上げることはできません。集中力やモチベーションを高める練習の場を提供し、協力する場を提供し、できれば成功体験や達成感を与えることも必要なことです。そんな小学校の授業参観を見たいものです。