ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

欠乏の時代から飽食の時代に対応  スモールアイデア NO 176

2018-08-16 19:50:19 | 日記

 人類は、長らく欠乏の中で生きてきました。欠乏の中で生きる身体や精神構造に、作られてきました。その身体は、常に多くのもを食べたいという欲求を持ちながら、一方でそれを押さえる精神構造を培ってきたのです。でも、今世紀になり、人類は76億人分の食糧を十分に獲得できるようになりました。欠乏の状態から脱することができるようになったわけです。欠乏に耐えなければならない欲求が、必要なくなりました。すると、いろいろな問題が出始めたのです。欠乏を知らない世代は、肥満を嫌い、炭水化物を避ける行動を良しとしています。
 そこで、欠乏の時代から飽食の時代に対応する仕組みを考えてみました。中国やインド、そして東南アジアが、急成長しています。これらの国々は、つい最近まで欠乏に苦しんでいました。現在、今までの耐える行動から、欲望を一気に満たそうとする活動に走っています。人口の多さや経済の豊かさを背景に、これらの国々の立ち振る舞いが、欠乏から飽食の時代を象徴するものになるでしょう。例えば、中国におけるピアノの爆発的普及や肉の大量輸入などがこの象徴になるでしょう。先進国は、飽食の時代を一定期間経験しています。飽食に対する対処の仕方を身につけています。途上国と先進国には時間的ギャップもあるようです。さらに、途上国においても、都市部と農村部では違いがあります。
 日本の農村を訪れた途上国の人々は、道路が舗装され、ゴミの落ちていない風景に驚きます。節約が美徳という風潮にも驚くようです。消費は美徳で、物質的欲求を満たすことは良いことだと信じています。豊かさが、善とか正義という感覚を持っているようです。でも、豊かさの中にも良いところや悪いところがあることに気がつき始めることでしょう。
 余談ですが、20年以上も前に中国を訪れたとき、ツアーの中の太り気味の人に集中して物売りの方が「社長さん」といいながら寄ってくる光景が印象に残っています。当時は、太った人が理想的な体型と見られていたのでしょう。その後、中国でも肥満は良くないという風潮になります。特に、子ども達に見られる若年性肥満が問題になるようになりました。高齢者の肥満も問題視されるようになりました。肥満が糖尿病の引き金になるという認識が広まりました。炭水化物の過剰摂取に、注意する姿勢が出てきています。太り気味より、細身を評価する傾向が出てきたわけです。この流れは、以前の日本と同じのようです。さらに、細いだけでは健康的ではないという認識も出てきています。痩せすぎたモデルへの警鐘は、2015年のフランスで「痩せすぎモデル」禁止法案が可決されて、中国でも関心を呼んでいます。もちろん、痩せすぎたモデルへの警鐘は、日本にも波及してきているのは周知の事実です。飽食の時代は、自らの節制が大切になるのかもしれません。