ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

暑い国の民族衣装は熱中症対策に貢献する  スモールアイデア NO 106

2018-04-11 20:44:31 | 日記

 これから、暑さが体調を崩す季節になります。熱中症対策が、高齢者や低年齢の子ども達に必要になります。発汗機能の優れている若い人達は、熱中症に対する耐性を持っています。たとえば、体重60キロの人がウオーキングを90分すると、体温が約5℃上昇します。そのままにしておけば、熱中症の危険領域に近づくのです。もちろん、人間は汗を出して、体を冷やして安全を確保します。この時の汗の量は、430㎖で、ウオーキングに使ったエネルギーは250㎉ということになります。
 そこで、これから季節に多くなる熱中症対策を少し考えてみました。「汗をかいたな」と感じた時には、相当の汗をかいているのです。蒸発して目に見えない汗は、有効発汗といいます。この汗が、体温を冷やす働きをしています。目に見える汗は、無効発汗です。この無効発汗は、汗といっても身体を冷却する効果はないようです。有効発汗のみが、熱中症を防ぐ冷却作用の汗ということになります。この作用を効果的にするためには、着衣の空間に空気の出入口を作ると良いのです。ハワイの民族衣装であるムームーは、空気の出入り口が設けてあります。この民族衣装には、ウエストを開放し、足下から首に抜ける空気の通路ができています。この空気の通路は、皮膚と衣服との間の気流を増やし、汗の発散面積を拡げ、冷却作用を効果的に行う仕組みの基礎になるものなのです。
 ハワイのムームーやインドのサリー、そしてアラブの男性が着こなすトーブは、足の下から首にかけて気流を作り、熱の発散を効果的に行う仕掛けが組み込まれています。発散量を増やすには、風速が大きいほど、発散面積が大きいほど良い汗が出てくるのです。良い汗が出れば、熱中症に対する耐性が高まることになります。これらの民族衣装は、民族の知恵の結晶ともいえるものです。
 日本でも、民族の知恵を利用している自治体もあります。ある町役場では、ハワイのムームーやアロハを着て省エネと仕事の両立をしている地域もあります。空気の通路を作る意味では、女性のワンピースは適しています。ワンピース型の服装を推奨する役所や事業所もあるようです。空気の通路を作った上で、通気性のある布を使用すれば、より効果的な冷却作用をもたらすかもしれません。高品質で通気性のある素材で作られたアラブのトーブは、すでに大量に作られているのです。それもほとんど日本製というから、嬉しいお話です。この優れた衣装を、日本流に改良して逆輸入したいものです。涼しい季節を謳歌できるかもしれません。
 余談ですが、日常的に和服を着ている女性は、顔の汗をかかないというのです。和服は、わきの下から胸の下までを、左右両側から締め付けます。わきの下からそれより上を圧迫すると、顔面や頭部を含めた上半身の発汗が抑制されるのです。女性の場合、夏の暑い季節に顔の汗が抑制されることは、化粧崩れを防ぐ意味で好ましいことです。圧迫する材料に仕掛けをすれば、冷却作用と汗の抑制の両方が達成されるかもしれません。和服のヒントから、汗による化粧崩れを防ぐグッズを開発する起業が生まれれば楽しいですね。