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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「続・夢幻章伝」81

2021年10月19日 | 物語「続・夢幻章伝」
「「へび呼ロイド??」」

違和感を感じて振り返るアヅチ&マツバ。
そこにはぶつぶつと呟くへび呼ロイド。

「おいら、これ以上、あうあう」
「でも、アヅチとマツバは今まで一緒に」
「だって同僚達が、たすけてって、
 なのに、生姜焼き弁当を」
「まずは落ち着いて、話し合ってから」
「それじゃあ、いつになるか」

「お、おい、へび呼ロイド?」
「どうしたの?」

きゅいーん、と淡く光り出すへび呼ロイド。

「一体何がどうなっているんだ!??」
「眩しい!!!?」

次第にその光は強くなり、
そして、そして!!!

ぽーん、と現れる。

「へび呼ぉおおおおお!!!!」

もひとつ、どっこい。

「コロイドぉおおおお!!!!」


「「えええええええ!????」」


「……今回はオイラ達分かり合えないみたいキコ」

へび呼ロイドの風船部分が悲しげに呟く。

「待てと言っても、待つ気はないと言う事キコ!?」

へび呼ロイドのへび部分が確認する様に問いかける。

見つめ合う風船とへび。

「「方向性の違いキコ!!!!」」

風船部分がアヅチとマツバを見つめる。

「ここまでありがとう2人とも。
 おいら、今すぐ同僚を助けなきゃ。
 行くキコ!!!!!」

去り際に一筋の涙をきらめかせ
風船部分(コロイドといわれた方)が
ひゅーん、と飛んでいく。

そして、残されたへび(へび呼といわれた方)が
申し訳無さそうに2人を見つめる。

「ごめん、止められなかったキコ」

「あ」
「はい」

………。
…………。
……………。

ええ?

今まで一匹だと思っていた生き物が
実は二匹だった。

飛んでいってしまった方。
コロイド?を追いかけた方が良いのでは、と
思いもするけれど。

「ちょ!!タイム。
 考える時間を頂戴!!!」
「ちょっと頭の中整理するから」

へび呼ロイドは
へび呼+コロイドだった。

「う、うーん???」
「考えるな、感じろって事か??」

「どちらにしろ、もうバルーンには追いつけない、
 一度スネークと共に宿に戻ったらどうだ?」

居たのか、忘れていたぜトウノが声をかける。

「………そうね、お宿に」
「ちょっと色々整理したいな」

「戻るのだろう、民泊に。
 我が家の宿ではない、民泊に」

トウノ、まだちょっと根に持っている。

「ああ、民泊、うん?」

あれ?と顔を見合わせるアヅチとマツバ。
2人は残されたへび呼に視線を送る。

「ええっと、へび呼?」
「なにキコ?」
「民泊に戻る訳なんだけれど」
「もちろん、2人が言いたい事は分かるキコ」

頷くへび呼。

「お財布はコロイドが持っていたから、
 おいら今、一文無しだよキコオオオオオオお!!!!」


「「また、この展開!!!!!!」」

事件は、いつも、そう
谷一族の村で。



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