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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「続・夢幻章伝」17

2021年02月02日 | 物語「続・夢幻章伝」
西一族の村長の家は村の中心地。
住居兼執務場所なので
それなりに大きいし、お庭も広い。

立派なお屋敷。

「知ってるわ!!」

「「なぜなら来るの2回目だからな(ね)」キコキコ」

ぐるぐる回ってやっと戻ってこれたね。

「えっと、村長を呼んできましょうか?」

首を傾げるヒビキ。
この場合、村長と書いて父と読む。

「大丈夫よ、ええ、呼んでこなくて大丈夫。
 行くのはアヅチだけだから、大丈夫!!!」

「大丈夫、を3回も………」

「3回もイッテルビウム!!!キコキコ!!!」

なぜか語尾の訂正を求めてくるへび呼ロイド。

「それなら、お役目は終わったみたいだし
 僕はもどらなきゃ」

ぺこり、とお辞儀。

「それでは、みなさまよい旅を」

「ヒビキも元気でな」
「ありがとう、たすかったわ」
「いい子!!
 きっと好青年に育つ、キコキコ!!!」

手を振るアヅチ達に見送られ
広場に戻るヒビキ。
誰にでも無くふと、呟く。


「イッテルビウムの語源であるイッテルビー村。
 そこは希土類元素が多く発見された、元素好きにとっての聖地。
 スウェーデンだよ!!!!!」


謎の豆知識でした。


「さて!!!」

改めて気合いを入れ直すマツバ。

「行ってくるのよアヅチ!!!!」

二人分のスタンプ台紙を押しつけられるアヅチ。

「お昼はおごるから!!
 お昼はおごるから!!!!!」

「いや、いいけどさぁ」

マツバの圧力に押し負けつつ
すごすごと村長宅に向かうアヅチ。

「こんにちは~」

立派な玄関から中に入っていくアヅチを見守り
村長の家の庭で
へび呼ロイドとアヅチを待つマツバ。

「素敵なお庭だねぇ、マツバ、キコキコ」
「そうね」
「お花も沢山。
 庭師さんが居るのかな?それとも村長の奥さん?キコキコ」
「近隣の樹木園と月額いくらで
 業務委託契約をしているんじゃない」
「それじゃあ、
 お屋敷のお掃除は執事やメイドさんではなく!!キコキコ」
「時給契約のパートさんもしくは
 清掃業者さんね、ハウスクリーニング」
「あの噴水の水は、キコキコ」
「上下水道費、科目的には水道光熱費かしら!!」
「あれは!!キコキコ」
「日用品費………いえ、事業消耗品かしら」
「それは!!キコキコ」
「建物付属設備ね。費用ではなく、資産扱いよ」

「へび呼ロイド、まだ語尾にキコキコ必要か?」

ぬぬっと、現れるアヅチ。

「おわ、びっくりした、キコキコ」
「戻ってきたなら言いなさいよね」

さあさあ、とマツバは催促する。

「私の分も
 スタンプ押してもらったのでしょうね」
「それなんだが」

ぴらり、とアヅチはスタンプ台紙を取り出す。
2枚ある台紙の内
押されているのは1枚のみ。

「代理受領、ダメ絶対、って」

「はああああああああ!!!!!!」

再びマツバに落雷が落ちる。

「商品が豪華なだけに
 やっぱりそのあたりはきちんとしているよなぁ」

南一族の村。
和菓子屋の兄ちゃんの言葉がエコーする。

『大会のルールは、そう。
 ずるをしてはならない!ない!ない!ない!(エコー)』

「ずるじゃないわよ、
 ここまで来てるもの、ずるじゃないわよ!!!!!」

「俺に言われても。
 ほら、一緒に行ってやるから」
「だって、村長って、くっつ。
 ………うん?待って頂戴」

ほわんほわんほわん、とマツバは回想する。

『西一族の村長は就任してまだ新しい』

「今の村長ってどいつよ!?」
「だから、俺に言われても」
「どんなやつだったの、
 具体的に、ほら!!」
「どんなって、えええっと」

今、スタンプを押してもらい
『はい、これ、おみやげ』
と西一族の村パンフレット、
西一族タオル。
西一族イメージキャラクターのうちわ。
特産干し肉(お味見用。美味しかったらお土産屋でぜひ買っていってね)
を手渡された先ほどの出来事を思い返すアヅチ。

村長にしては若いながらも
人当たりの良い笑顔と
同時に村をまとめるだけの鋭さも持ち合わせた。

「西一族の誇りを固めたような!!!」

「そんな、『東一族と巧』みたいな表現じゃ
 分からないわよ」

「それじゃあ、
 村長は狡く、そして賢い、みたいな」

「ええっと、」

そのワード。
公開している作品だっけ!!??



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