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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「夢幻章伝」37

2015年06月05日 | 物語「夢幻章伝」

「・・・何、まじ泣きしてんのよ」

マツバは、ドン引きだ(笑)

「アヅチ、なかなか泣かないでぇええ!!」

へび呼ロイドは、もらい泣き。

「男が泣くなんて、うけるぅ!!」
「ばかやろ! 涙は男女共通だ!!」

アヅチの涙声にも、シマは爆笑する。

「本当に、もう。海一族の村では魔法も針も使えず、」
・・・・アヅチ、回想2周目。
「東一族の村では、旬の野菜なんちゃらを食べ逃すし、」
「あれは、おいしかったわよ!」
「おぉおおおいい、まだ云うか!」

ほろり。

「それに、アマキとタツキにまじって、活躍を、」
「おっ、ちょっと待って!」

フワは手を上げる。

「そういや、あなたたち、アマキに連れられてきたわよね」
「そうだけど」

マツバは首を傾げる。

「あなたたち、東一族の村では、アマキと一緒に行動してたってこと?」
なぬっ、と、シマも続く。
「何々ぃ? アマキくんは普段、何をやってるの?」

話題が変わった横で、アヅチはまだ、ほろりしている。

「お前ら、俺の話を!」
「「もういいわ!」」
「なっ!!」

アヅチは、・・・涙が止まらない。
けして、薬の効果ではないと云うのに!!

もはや、
フワとシマは、アヅチをアウト・オブ・眼中。
マツバに質問を浴びせる。

「アマキは、どんな魔法を使ってた?」
「家族構成はどうなっているのぉ??」
「いつ、砂漠当番が回ってくるの???」
「好きなものは何ぃ????」
「てか、本名は何だって?????」
「苦手なものは何ぃ??????」
「身体に入ってる刺青みたいなのは何よ?×7」
「役職は何なのぉ?×8」

ははーん

マツバは、何かがつながったように、ピンとくる。

フワとシマ

これだけ、込み入った質問をするとは

もしや

「あんたら、アマキのファンなのね!!?」

・・・・・・違います。

フワとシマは爆笑だ。

「あはは! そうそう! ファンなのよ」
「アマキくんとはお互いねぇ!!」

「アマキとは、行動してたってほどでもないけど」

どーーーん、と、マツバは云う。

「一緒に、飛び出せ小僧を探したぐらいよ!!」

「・・・飛び出せ?」
「小僧・・・??」

えー~~~
何それ~~~~

フワとシマは、さらに爆笑する。

「それって、東一族の、最重要機密なのかしら~」
「さあ? でも、秘密でもない、とも云ってたかしら」
「うけるぅ!!」
「こっちは、その飛び出せに相当踊らされたわよ!!」

うんうん、と、フワはニコニコする。

「あの子は、嘘が上手いからね♪」

フワは、がしっと、檻越しにマツバの手を掴む。

「ねぇ! また東に行ったら」
「さっきの私らの質問、アマキくんに訊いといてねぇ!」
シマが、フワに続く。

「あんたら・・・」

「アマキのファンの気持ち」
「判ってくれるぅ!?」

マツバは、息を吐く。

「判ったわ!!」

マツバさん、利用されています!

「それじゃあ」

フワとシマは、顔を見合わせて頷く。

「これ以上、情報もないみたいだし」
「あの、ふわふわしたのも、いなくなっているし」

「同僚ぉおおお!!」

勝手に脱出。

「この流れは、つまり!!」

まだ、涙していたアヅチが立ち上がり、マツバを見る。

「ええ」

マツバも、アヅチを見て、頷く。

「食べられずに、すみそうね!!」
「食べ!? え、ちょっ、お前それ何の話!?」

慌てふためくアヅチをよそに、マツバは続ける。

「さあ、私を解放しなさい!!」

「判ったわよ~♪」

マツバのセリフが、若干足りないような気もするが、
フワの合図で、シマは鍵を取り出す。

「さ。好きなだけ、観光して行ってね!」
「でも、さっきの質問は忘れないでねぇ!!」

牢の扉が開かれる。

「「久しぶりの外ー!!」」

アヅチとマツバは、よくある旅立ちのポーズをする!

(そういえば、まだ、頭ボーンのままですが)

「ウェルカム、砂一族♪」



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