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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「約束の夜」92

2018年08月03日 | 物語「約束の夜」

割とメンバー集まったよ、川遊び。

日差しが強い。
気を付けよう熱中症。

「よう、満樹!」
「ああ、うん。お前は絶対いると思った」

満樹は戒院に、肩を叩かれる。

「砂漠当番お疲れ、な」
「どうも」
「どうだった、地点?」
「えーっと、普通?」
「そうか、大変だったな」

戒院は再度、満樹の肩を叩く。

「砂漠当番、今夜もなんだけど……」
「あいにく俺は予定があって代わってやれない!」
「夜遊びだろ?」
「代われないものは代われない!」

まあ、おそらく
理由は大したものではない。

「おい成院!」

 戒院は、大声で兄を呼ぶ。

「満樹が連勤だって! 代わってやれよ!」

おいおい、と、成院がうなだれる。

「俺も砂漠当番なんだって」
「えっ、成院もか」
「俺と満樹が、同じ場所の当番になってる」
「じゃあ無理だな」

親切心?で、戒院はさらに声をかける。

「光院は!?」

で、この場が
あいつ空気読めないわー、の雰囲気になる。

「誰に頼んでいるんだよ、戒院」

成院は呆れ顔。
そりゃあ、光院は、現宗主直系の孫ですから。

「何だよ。お前だっていつだったか、光院に頼んでたじゃんよ」
「あれは、一時的に門番を頼んだんだろう」
そう云うこともあったね。
「な。大丈夫だよな、光院」

又従弟同士、戒院は光院の肩を組む。

「いいよ」
光院は笑いながら、云う。
「代わろうか、兄さん」
「おお! さすが光院!」
「まじでか、光院!?」

俊樹もツッコむしかない。

「おい、光院がやるってよ。誰か代われよー」
「俊樹がやれば?」
「俺も連勤になるんだって!」

俊樹の言葉に、じゃあ、と手を上げるのが

「俺がやるか?」
なぜか、大樹。
「占術師じゃ無理だよ、大樹兄さん」
仕方ない、と友樹。
「いいって、友樹。俺が行くよ」
と、光院。
「連勤でもいいけど」
俊樹も手を上げる。
「何この流れ~」
たぶん、ふざけておる、戒院。
「じゃあ、意味はないが俺も」
本当に意味がないよ、成院。
「なら、はいっ!」
いたんだ、水樹。
「俺も!」
ついでに、ツイナ。

そして

みんなはちらりと、満樹を見る。

「いやいや、俺は!」

くっそーと、満樹は頭を抱える。

「絶対に手を上げないぞ!!」

「満~樹~」

川遊び非番東一族メンズは、にやにやする。

「いいよ、満樹。もう一日ぐらい」
ツイナが云う。
「一日ぐらい遅れたって大丈夫だよ!」

北一族の村で集合する約束。
そんな、のんびりでいいのか。

「くぅうううう」

そうして、満樹は

予定通り

砂漠当番へ行きましたとさ~。



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