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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「約束の夜」98

2018年09月14日 | 物語「約束の夜」


満樹とツイナは、東一族の村を出る。

「やっと約束を果たせるね!」
「そうだな」
「京子待ってろよ!」
「ところで」

満樹が一応の確認。

「忘れ物はないか?」
「えっ」
「忘れ物」
「それなら、大丈夫!」

北一族の村へ向かう道中。

ここから、また長い旅がはじまるのだ。
いつ、自身の村へ帰られるのか、判らない。
自分たちも無事に
はたまた、この先、命あるかどうかも判らない。

「ねえ満樹」
「何だ?」
「ちょっと地の文がぽくないよな」
「そうだな」
「「約束」っぽくするなら、こう!」

ここから、また長い旅がはじまる(かもしれない)。
いつ、自身の村へ帰られるのか、判らない(気もするし)。
(帰って来られるだろうし)
自分たちも無事に
はたまた、この先、命あるかどうかも判らない。
(けど、まあたぶん大丈夫だと思う)
(この先、タライが落ちてくるってドリ●展開でも、いいっかな~)

「こんな感じかな!」
「地の文まで口を出しはじめる、俺たち・・・」
「タライ!」
「痛そう・・・」
「・・・・・・」
「何だった?」
「あっ、荷物の確認!」

共同荷物を特に確認。

「京子へのおみやげだな」
「ちょっと約束の日より遅くなったからね~」
「ごぼうチップスと」
「おばけの金太に」
「きじ馬?」
「するめ」
「何っ」
「たまに食べたくなるからさ~」
「さすが海一族」
「東でするめを出すのは悪いと思って・・・」
「そこは気を遣ってくれたのか」

「あとこれ」

「何その、じゃばら薄い紙」
「これはこう広げて、こう一枚ずつ広げて」
「おお、花に!!」
「お花紙だよ~」

学校行事とかでよく登場する、紙のお花です。

「ほら、海南対抗運動会の」
「準備ってこと?」
「そがん」
「運動会シーズン・・・」
「大切なことなんだよ~」
「でも、それはこの旅として必要なのか・・・」

いえ。まったく必要ありません。

「もし花紙が足りなくなったら、北で買えるのかなぁ」
「北は何でも揃うからな」
「ねえ、満樹」

ツイナは首を傾げる。

「これは何?」
「ああ、これは、」

満樹は、ツイナが取り出したものを受け取る。

「キノコの粉末」
「粉末っ」

たいしたことのないようで
よく考えると、それって何? の単語に
ツイナは焦る。

「えっ、これ何!?」
「だから、キノコの粉末」
「キノコの!?」
「そう」
「対裏一族用とか!?」
「いや?」
「えっ、武器なの!?」
「武器じゃないぞ」
「毒!!?」
「違うって」

ツイナは思わず、持ってしまった手を拭く。

「何のために持って来たの!?」
「いや、ほら、京子が肉好きだから」
「肉好きと何の関係が!?」
「塩みたいな感じで」
「肉にかけるってこと!?」

らしいです。

満樹なりのおみやげ。

「甘いものとか必要だったかなぁ」
「どうだろ?」

「あのさ」

「チョコとか?」
「マシュマロとか?」

「おーい」

「キャンディはどうだ?」
「オンナノコは甘いものにうるさいからな」

「お前らそろそろ京子を探せ!!」

ごちーーーん!!

げんこつ。

「「えっ、誰!!?」」

満樹とツイナは振り返るが、そこには誰もいない。



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