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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「約束の夜」94

2018年08月10日 | 物語「約束の夜」

割と、

いや、結構な、ぐったり気で

満樹は朝日を迎えた。
空を見上げ

「いや~、お天道様ってまぶしいんだな!」
「そうだな」

その横に成院がいる。

共に砂漠当番を終え、
共に東一族の村へと戻っているところ。

「よし、大将に報告したら、俺は行くぞ!」
「どこに?」
「北に!」
「北?」

何で? と、成院は首を傾げる。

「何か食べに行くのか?」
「待ち合わせなんだよ!」
「待ち合わせ?」

成院は、満樹の上から下まで見る。
何か、・・・へろへろなんですけど。

「いや、・・・やめた方が、」
「止めるな、成院」
満樹は成院を制止する。
「俺は行くぞ! 朝日と反対方向に!!」
「・・・・・・」
「例え、ニワトリに止められようとも!」
「満樹の兄さん・・・」

これ
寝てない人の謎テンションだよ。

「とりあえず、ベル●ムラ飲む?」
成院は、満樹を心配する。
「戒院に頼めばあるんじゃないか」
「いや、今の俺には、そんな薬は必要ない!」

ベルソム●(睡眠を助けるお薬)

薬の助けがなくとも、今ならぐっすり眠れるでしょう。

「聞いた話なんだが」

成院はちょっと真面目な顔になる。

「ほら、今、東一族を窺っている者がいるって話」
「あ、ああ」
「上が、どこまで詳細を掴んでいるか判らないが、」
「・・・うん」
「誰でも狙われる可能性はあるんだからさ」
「・・・はい」
「そんな疲れた状態で外へ行くのはどうかと」
「いや。でも、・・・」
「な、満樹?」
「俺には一緒に行ってくれる仲間が・・・!」
「仲間?」
成院は、腕を組み考える。
「それって、あの海一族さん?」
「隣のニワトリの!!」
「おいおいおいおい!!」

やばいよ、これ以上は!!

「あっ、ちょっ! 光院!!」

成院は、手を上げる。

大将の部屋の前に、光院がいる。
その光院を助けに呼ぶ。

「満樹兄さん、成院。お疲れ」
「光院も、昨日はお疲れ」
「お疲れは成院だろう」
光院は笑う。
「まあ、俺は、戒院のお守みたいなもんだからな」

昨日の川遊びでは、めっちゃ楽しくなりすぎて
途中からBBQもはじまり(野菜のみ)
アルコールも登場しだして(お酒は、各国の年齢に従いましょう)
とってもはっちゃけた学生のノリになりーの
なんかもう、日焼けはしーの
アロエを塗ったら痛いーの
ついでに、川べりに生えていたカヤで怪我しーの。

(カヤ:ススキの葉っぱ。包丁草とも)

「けいちゃんけいちゃん、とか云っててさ!」
「戒院、笑えたな!」

(けいちゃん=/=圭ちゃん)

(けいちゃん→けいさん=珪酸=カヤのトゲ)

「楽しかったよな!」
「な!!」
「また次の週にでも川に行こうよ、兄さんも」
「でも、ニワトリが」
「えっ、ニワトリ??」
「それは、もういいよ」

成院は、満樹をなだめる。

うーん、と、光院は満樹の様子を見る。

「満樹。少し寝たら?」
「でも、これから北に行くんだと」
「北に? なぜ?」
光院は満樹を見る。
「北に行く予定なんかないだろう?」
「あれ?」
満樹は回らない頭で考える。
「なんだっけ? 京子との約束、は?」
「北に行く予定はないと思うよ、満樹」

それに、と、光院は云う。

「噂では、今夜も満樹は砂漠当番って話が、」
「えぇえええー!!!?」

3連夜勤。

「噂だけど、な」

成院と光院は顔を見合わせる。

「くそぅ!!」
「とにかく今は休もう、兄さん」

光院は、満樹の肩を叩く。

これ以上睡眠不足になると、壊れてしまうよ。
満樹と云うキャラが!!



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