「砂漠ー!!」
アヅチとマツバ、へび呼ロイドは、砂漠に足を踏み入れる。
とにかく
砂一族はいろいろ恐ろしかったので、早急に次へと向かうことにした。
「すごい風だわ!!」
すっかり元の髪型に戻ったマツバは、ヘアスタイルを気にしている。
「砂まじりの風で、目がしょぼしょぼするよぅ」
へび呼ロイドは、高速キコキコで、砂を避けている。
(解説:へび部分が高速で首を振ること)
「・・・暑い」
すっかり同僚(一部)に懐かれているアヅチ。
体に同僚がまとわりつき、まるで、同僚使い(何それ)だ。
「海と云い、東と云い、割と順調に来ていたのに」
マツバは、きりっと云う。
「いつもうまくいくわけじゃないのね!」
「マツバ!」
高速キコキコで、へび呼ロイドが云う。
「だって、これ、冒険だから!」
「旅行の間違いでしょ!!」
「マツバぁあああ!」
「てか、へび呼ロイド、こいつら(同僚)どうにかしろ!!」
「仲間には優しく!!」
これから、また、砂漠旅がはじまるのである。
すごい音を立てて風が吹き、一面の砂が舞い上がる。
「これは・・・」
マツバは目を細める。
「東から砂に来た時より、荒れてるわね」
多少、砂風があったものの、それほど視界は悪くなかった。
天候にもよるのかもしれない。
「砂から谷にかけて、大きく風が吹く、て云ってたしな」
と、アヅチ。
・・・ドラゲナイあたり参照。
「とにかく、行こーう!」
目を瞑ったまま、へび呼ロイドが声を上げる。
ひゅおおおおおおおお(風の音)
とにかく、目が痛い!
(禁)コンタクトレンズ!
「くっ」
マツバは目をこする。
「谷にも温泉はあるのかしら!?」
「確かに、風呂に入りてぇ」
アヅチが云う。
「そして、うまいもんが食いてぇ!」
「おいしいものって、何があるのかしら」
「さあ?」
アヅチは思いつくまま、答える。
「ヘビとか、カエルとか、バッタとか」
「あんたバカでしょ!」
お腹がすきすぎて、今なら、きっと食べられる領域。
「私は、海鮮料理とか野菜料理が食べたいの!」
「お前、それはもう食べただろ!」
ひゅおおおおおおおお(風の音)
「ふたりとも急いでぇ」
視界が悪い中、どこからかへび呼ロイドの声。
「急がなきゃ、砂漠の中で夜を迎えることになるよぅ!」
砂漠の夜は、厳しい。
「くっ」
アヅチが云う。
「あったかい布団で休みてぇ!」
アヅチは、前日、宿の布団で寝られてない。
「ぴぎゃっぴぎゃっ」
「え? なんだってぇ!?」
「あんた、同僚布団で気持ちよく寝たんでしょう」
「ぴぎゃぴぎゃっ(正解っ)」
「あったかい布団より、自分らを求めてって」
「うぉおおおおなんだそれ!!」
マツバは、いつの間にか同僚の通訳が出来ておるよ。
ひゅおおおおおおおお(風の音)
日も落ちてきて、ますます視界は悪い。
「・・・ところで、」
砂まみれのマツバが云う。
「方向はこっちであってるのかしら」
「ざっくり、こっちじゃね?」
「ざっくりですって!?」
声はするものの、お互い目をつぶっているので、姿は見えない。
「ぴぎゃぴぎゃっ」
「なんだよ、お前ら」
「方向ざっくりOKと云っているわ!」
「やっぱり、ざっくりかよ!!」
ひゅおおおおおおおお(風の音)
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「へび呼ロイド、どうした?」
「そうね・・・」
「ぴぎゃぴぎゃっ」
「へび、」
「呼ロイドー!」
どこ行った、へび呼ロイド!!
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