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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「約束の夜」74

2018年06月01日 | 物語「約束の夜」

「あなたが海一族!」

南一族の村。
あれから、3日後のこと。

マジダ(5才)は道の真ん中にドーンと立っていた。

「おぉお!?」
「まだ、南海対抗スポーツ大会には早いわよ!」

「ええっと」

指を折り、海一族は日にちを確認する。

「確かに、海南対抗スポーツ大会はまだ先!」
「ちょっと!」

びしりとマジダは云う。

「海南、じゃなくて、南海!!」
「いや、どっちでもよくない!?」
「よくないわよ!!」

自分の一族が先であることは、大切。

「でも、大丈夫!」

海一族は手を上げる。

「俺は海南対抗スポーツ大会に来たわけじゃない!」

そして

「人を探して、もう3日! 南一族の村は広いぜ☆」

南一族の村で会おうと決めていたけれど
その中での、待ち合わせ場所を決めていなかったよ
海一族のツイナ。

「そんな気がしたわ!」

「えっ!?」

「実は私、あなたの探し人の居場所を知っているの」
「えぇえ!?」
「あなたの探し人は、東一族の満樹ね!」
「えぇええええええ!!?」

いったいどう云う関係なの、この5才の子と。
ツイナはうろたえる。

「ああ、うん。でもよかったよ!」
「ええ!」
「南一族の村を探し回って、もうくたくたで」
「でしょうね!」
「では、さっそく、その居場所を!」

きらーん

マジダの目が光る。

「そこの海一族!」
「はい?」
「この私が、そう簡単に情報を出すと思って!?」
「んんん??」

「こちらをご覧なさい!」

マジダは手をかざす。

そこには、おなじみ、豆の畑です。

「そして、ここには、かご!」
「も、もしや!」
「ええ、そう。交換条件よ!」

この世は
何かを得たければ何かを代価にしなければならない云々。

つまり、豆の収穫をしろと!

「俺は時間がないんだ!」
「私はあるわ!!」
「いや、そうじゃなく、」
「でも、豆たちには時間がないの!」

豆が一番おいしい収穫期。

「うぐぐぐ」

はっ

そうだ!

ツイナは、自分の力を思い出す。
自分の力で、
なんか、こう、満樹の居場所が判りそうな気がする!

「君の手を握らせてくれ!」
「初対面のレディに最低っっ!!」

ごーーーーーん。

・・・・・・。
・・・・・・。

まあ、ごもっともです。

「さあ、満樹の居場所を知りたければ、カゴを手に取るのよ!」

「うぅううううぅうう」

一応確認しておこう。

ツイナは、海一族の次期長&司祭候補だと!!!

ついでに、

ネタバレかもしれないが、あえて云おう。

このマジダ(5才)は、後の最強の南一族村長だと!!

・・・・・・。

ツイナは、カゴを手に取りました。



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