TOBA-BLOG

TOBA2人のイラストと物語な毎日
現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「続・夢幻章伝」42

2021年06月04日 | 物語「続・夢幻章伝」
続・夢幻章伝 ~ヤヨイのまかないはおいしいよ、の巻~

広場にはいい香りが漂っている。
豆ご飯の炊けるにおい。
太平燕
ぶたえ
こっぱもち
あわゆき

「さあさ、みんなどんどん食べてね!!」

アヅチ母は、山一族も見たことのない大きな杓子を振る。

(食器を振ってはいけません)

「おお! これは!!」

「ええ。得意料理(の一部)です!!」

アヅチ母は使い捨て容器にどんどん配膳する。

「なんて、いいにおいなんだ!」
「ここらでは見ない料理ばかりだな」

わいわい集まってきた山一族は、料理を頬張る。

「うまい!!」

「なんて気合いの入りよう・・・」

マツバは一歩引き、
アヅチは頭を抱え、
へび呼ロイドは、その後ろに隠れる。

「おふくろ、やりすぎ・・・」
「おいしそうだけど、すごい熱意キコキコ!!」

「だって仕方ないじゃない」

アヅチ母は手を叩く。
その横で、アヅチ父が、おかわり!と、食器を差し出す。

「西の美味し弁当って聞こえたら、負けてられないもの!!」

「いやいや、ご立派だ」

フタミ様はじめ、山一族は拍手をする。

「豆ご飯おいしい!」
「早く食べないと、春雨のびるぞ!」
「豚肉は入ってないのね」
「それは、タコの味噌炒めよ」
「あわゆき、ほんのり甘くておいしい!」
「作るのが大変だけどさ」
「このこっぱもちも最高!!」

「・・・材料も持ってきたんだな、おふくろ」
「負けてられないわ。早くいただきましょう!」
「あわあわ、迷うキコキコ」

と、

「さあさ、こちらも!!」

カンカンカン! と、鍋を叩く音が響く。

「こ、これは!?」
「なんていいにおいなの!」

山一族特製、ジビエ料理の出番だ。

「獲れたてさばき立ておいしいよ!」

「うん、やっぱり最高!」
と、ユウマ。
「このスパイスをかけると、」
と、ヤイノ。

どんどん炊き上がる、アヅチ母の料理。
ロ=フタミさんの、ジビエメニュー。

みんな、おいしくお昼をいただく。

ソーシャルディスタンス保ちながら。

「働いたあとのご飯はうまいな!」
「そうね!」

働いたのは、アヅチ父だけです。

これ以上無理、と云うまで、ご飯をいただき、
夜ご飯もういらない。

食べ終わったあとは、きれいに後片付けだ。

「みんな、洗い物をよろしくね☆」

何せ、鍋とか持ち帰らなければならない。

山一族も、明日の狩りとかあるし。
会場は片付けられていく。

「淋しいねキコキコ」
「祭りのあと、と、云う感じだな」
「でも私たちの冒険は続く」

マツバはちらりと同僚たちを見る。
まだいる。

「お前らもう旅立つのか」

見ると、ユウマとヤイノが立っている。

「仕方ないわ、こいつらを助けなければならないし」

「そうなのー、もっとゆっくりしていけばいいのに!」

「気持ちだけいただくキコキコ」

みんなの視線の先には、同僚に取り付かれたアヅチ。

「どっちかと云うと、取り憑かれている・・・」

「私たちの旅は、アヅチをお清めするためにある!」
「あわわわ。同僚は悪霊じゃないキコキコ!」

「また、寄ってくれよな!」
「そのときは私の手料理にて、!!」
「ヤイノ!!!」

「行きましょう」

アヅチとマツバ、へび呼ロイドは立ち上がる。

「「元気で!」」

「もちろん!」
「また会いましょう!」

かたむく夕日。

俺たちの冒険は、新章へと突入する!




NEXT




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。