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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「続・夢幻章伝」43

2021年06月08日 | 物語「続・夢幻章伝」
「ややっ!!
 アヅチ達が居ないな!!」

残った豆ご飯のおにぎりを
ほおばるアヅチ父。
(まだ食べていた)

「もう出発したみたいよ」

水筒の麦茶を差し出すアヅチ母。

山一族の村の広場。
耕運機に腰掛けながらアヅチの両親ズは
夕日を眺める。

「なんだなんだ。
 どうせなら一緒に一泊していけば良いのに」
「そうねぇ。
 でもアヅチくんも年頃だし、
 親と一緒は恥ずかしいのかしらね」

マツバちゃんも居る事だし、と
キャッキャするアヅチ母。

ははぁん、と膝を打つアヅチ父。

「しかたないな。
 あいつは俺に似てシャイで!!繊細だからな!!!」

同じ空間で鍋を片付けていた
ロ=フタミさんや
山一族長は、えええ!!?と顔を上げた。

「もしくは…………反抗期始まったのかしら」
「反抗期だって!?」
「ええ、思春期特有のあれよ」
「反抗期…………か」
「反抗期、ねぇ」

アヅチ’ズ両親はどこか遠くを眺める。

「「モモヤ(くん)の反抗期は凄まじかったな(ねえ)」」

「あれだな、
 あいつは普段大人しい分、反動がすごかった」
「そうね、
 年に一回突然きれる学級委員って感じだったわね」

「なにはともあれ、
 アヅチもそういう年頃だよな、
 はっはっは、俺を超えていけ」

おにぎり片手に持ったまま
耕運機の上で立ち上がるアヅチ父。

「ラスボスである、この俺をな!!!!」

そうなの!!!?と
驚愕の表情を浮かべるロ=フタミさん達。

「アスカくん」

そっと、たしなめるようにアヅチ母が言う。

「それはちょっと違う気がするわ」

座るアヅチ父。

「それもそうだな」
「ええ」
「どちらかと言えば、俺は
 ゲームクリア後に出現するダンジョンに現れる隠しボス」
「ええ!!そうよ!!!」

「次に会うのはゴール地点である南一族の村か
 待っているぞ!!
 アヅチ!!マツバ!!!
 あとなんか謎の生き物!!!!」

その意気よ!!そうだな!!と
盛り上がる二人。

「あら、そうそう、忘れるところだったわ」

アヅチ母はバサッ!!と
耕運機の隣のブルーシートを剥ぐ。

「「「!!!!!!!!」」」

そこにはさらにハーベスター(収穫機)。

もう一台だと!!!と
言葉を無くす山一族の面々。

そう、2人がかりで出掛けたのは
耕運機と収穫機、二台必要だったから。
つまり、アヅチ母も運転して来たのです。

出費!!すげえ!!

その運転席を
ええっと、と探るアヅチ母。

「あったあった」

取り出したるは、
スタンプラリー台紙。

「すみませ~ん。
 山一族のスタンプ押して頂けます?」

「あ、ああ」

おおお、と勢いに押されながらも
スタンプを取り出す山一族族長。

「これで、後は西一族と海一族の
 スタンプで終了だな!!」
「ほう、もうそこまで済ませているとは」

いやはや、いやはや。

ポン、と押され山一族スタンプ。

そして、
アヅチ父母が台紙を受け取り振り向くと
同じくスタンプを貰うと並ぶ人影が。

「お?」
「あら?」
「君たちは」

もじもじと恥ずかしげに
スタンプ台紙を持つ

「あ、ええと、あのう」

アヅチ!!
マツバ!!
そして、へび呼ロイド!!

「「「スタンプ貰うの忘れてて!!!!!」」」

頼むから
あんまり注目しないでくれ!!!

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